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Vol4. JAMMIN インタビュー【NPO Times】




初めに



 JAMMINは毎週週替わりで様々なNPO/NGOをHP上で紹介しつつその団体とコラボでデザインを作り、販売するという活動をしている京都発チャリティー専門ファッションブランドです。今回インタビューさせていただいたのはコラボ先の団体さんとの企画、打ち合わせ記事作成まで担当されている山本様です。それでは早速インタビュー内容に入っていきましょう!

JAMMINの皆様(山本様は左から3番目)

JAMMIN様のサイトはこちら↓

https://jammin.co.jp/


活動内容について


Q1.JAMMIN様の活動内容やミッションなどを詳しく教えていただけますでしょうか。

 NPO/NGOと1週間限定のコラボをして、そのコラボグッズのうちのいくらかがチャリティーになる、という活動をしています。私たちは、「チャリティーをもっと身近に」という言葉を掲げていることが特徴です。つまり、普通にファッションアイテムとして買ったら、それがたまたまチャリティーだったという人を増やしていきたいと思い、日々仕事をしています。
   例えば団体のTシャツにその団体の名前がデカデカと入っていたり、イベント用で日付が入っていたりすると、その団体の方もしくは支援者さんがイベントの時にしか着られなくて、その後は寝巻きになってしまうという話をわりと耳にします。だから、普通にお出かけにも着ていけるようなファッションアイテムとして成立するものを常々意識して作っています。活動は今年で10年目になりますが、まだまだ継続していきたいと思っています。


JAMMIN様のHPにあったギフト用のコットンバッグ!とってもオシャレ


JAMMIN様の魅力について


 
Q2.やっていただけるNPO/NGO様はJAMMIN様のどこに魅力を感じていることが多いのでしょうか。

 大きく分けて2つあると思っています。1つは、アクティブに活動する団体さんが増えてきている中で「コラボを通じて、自分たちの活動が客観視できて、新しい価値に気づけた。他の団体や活動との差別化ができた」という声をいただきます。
 もう1つは、団体のご活動を、そのテーマにすでに興味関心がある方以外にいかに知ってもらうかという難しさがあると思うのですが、「JAMMINとのコラボを通じて、新たな層の方たちにも知ってもらえた」というところに、魅力を感じていただいていると思います。


Q3.JAMMIN様のブランドとしての魅力は何ですか。
  
 これも2つあります。1つには仕組みが唯一無二なことですね。買ったらチャリティになって、かつその団体様のご活動や世界観をポジティブに表現したデザインが載っているところです。
 2つ目ですが、すぐ隣の部屋がプリントのスタジオになっていてご注文があった分だけプリントしてるんですね。大量生産大量消費の時代の中で1点1点手でプリントしてアイロンかけて畳んで発送ということを地道にアナログでやっているという魅力があります。そうすると、よくアパレルで言われるロスを削減できます。私たちは無地の在庫をたくさん持っていてご注文が来たらその分だけプリントする仕組みです。


オフィスルームの隣にあるプリントスタジオ。注文が入ったアイテムだけを、一点ずつシルクスクリーンで手刷りしている
ある日の発送作業。プリントからアイロン、畳み、梱包まですべて手作業
Tシャツにアイロンをかけ、畳んで袋に入れる作業


 最後にこんな感じで

山本様の書類ケースの中の猫😺
もう一匹😺


会社の雰囲気も、とても自由です。
少人数の組織だからというのもあって、共通の目標とか認識に向かって物事がクイックに進んでいきます。もちろん仕事ではあるのですが、やりたいことをやっているという感じです。毎週のコラボに関しても、知り合いが増え、知らなかった世界が広がっていくので、やっていて楽しいです。



山本様について
 
 

Q4.山本様はどうしてJAMMINに加入されたんですか。

 です。私は地元がJAMMINのあるここ京都で、31ぐらいの時に帰ってきました。当時このオフィスの一階がバーだったんですね。そこに飲みに行くようになって、そこで私の夫に当たる西田(創業者様)に出会って、入りました。JAMMINに強い創業理念がある事は知っていたのですが、当時はそれが見えなかったのがもったいないと思ってそれを紹介するところから始めました。だから最初はソーシャルって単語も全然知らなくて新しい塩かなぐらいに思っていましたね笑
 
 


Q5.記事作成やアパレル作りの中で気をつけていることはありますか。
 
 記事作成でいうと、自分がインタビューして詳しくなったことを専門用語で表現してしまうと、それ以上の説明をしなくなると思うんですよね。例えばSDGsって言ったらみんな知ってるし、それ以上の説明はされないじゃないですか。それは個人的にはしっくり来ていなくて永遠の素人じゃないですけど、本当に初めての方が見てもなるほどと思っていただけるような視点は持ち続けたいです。
  また、アパレルはその団体や理念に興味がある人たちだけではなくてそうじゃない人たちにも知ってもらいたいときに有効なツールだと思っています。ファッションは楽しいものなので、とにかく楽しくポジティブに、間口を狭めずフラットに、社会問題に自然に取り組めたらと思っています。


コラボ相手について



Q6.JAMMIN様のコラボ相手の中で印象に残っているNPO/NGO様のお話はありますか。
 
 1つ目は、今年で8回目のコラボになる日本ダウン症協会さんです。印象に残っている理由ですが、この団体と最初にコラボしていただいた時ってJAMMINがまだ小さい時でコラボお断りされることが多かったんです。でもコラボする中で認知してくださる方が少しずつ増えていって、今年の2月の1週間のコラボで過去最高の197万円チャリティー、点数にして4800点が売れました。コラボデザインは、ダウン症をポジティブに表現したものです。ダウン症は23ある染色体のうち、21番目が3本あることで発症します。「23対のうち、ひとつだけ3つあるシリーズ」をテーマに、葉っぱや家、音符など、モチーフを変えて毎年コラボをしていたら、どんどん認知が広がっていき、今はダウン症協会の会員の方に限らず、多くの方に楽しみにしていただいています。デザインの良さからそれを身につけてみんなで応援しようとなったのがアパレルの良さを活かせたと思っていて印象に残っています。 

JAMMIN様と日本ダウン症協会様のコラボTシャツのデザイン!



 それから、Tシャツを着ることって自分はこれが好きだとかこれを応援しているんだということがパッと見て伝わる強力な自己発信のツールになりますよね。Marriage for all Japan – 結婚の自由をすべての人に さんという同性婚の法制化に向けて活動されている団体さんとコラボしたアイテムを、同性婚訴訟の傍聴席で支援者の方たちが身につけてくださっていたり、テレビで同性婚裁判のニュースを見ていたら、そこでも皆さんで着てくださっていたり…。自らの意思を表明するアイテムとして身につけてくださっているのはとても嬉しかったですし、力をもらいました。

JAMMIN様とMarriage for all Japan – 結婚の自由をすべての人に様のコラボTシャツのデザイン!


同性婚訴訟(大阪)で、アイテムを身につけてくださった皆さんとの写真
同じく同性婚訴訟の時の大阪地裁前での写真

 また別の団体さんからお伺いしたことですが、あるご支援者さんが遠方へ出張に行かれた際に偶然入った居酒屋で、JAMMINとその団体さんがコラボしたデザインのTシャツを着ている方を見かけたそうなんです。
「もしかして、そのデザインは○○の団体のものですよね」とTシャツをきっかけに会話が生まれ、すっかり意気投合したとお伺いしました。ただコラボをして終わりではなく、デザインをきっかけに新しいつながりが生まれるということもまた、嬉しく素晴らしいことだなと感じます。

 
 
 
 
 
 

 山本様メッセージ


 最後にこの記事を見る人へのメッセージをお願いしたいです。
 
 こうしなければならないとか、こう言われたからこうすると思いこみがちなんですが、そうすると新しい価値とか、変えていくようなものって生まれてこないのかなと思っています。JAMMINは個性が強いメンバーにそれぞれ好きなことがあって、その中で好きなことや得意なことを楽しくやっている会社なんですけど、それが社会課題の解決にも繋がっているのかなと思うことが多々あって、自分がやりたいとかこれが好きだっていうことに邁進していくって大事なことだと思っています。JAMMINの名前の由来がジャムセッションという、楽器を弾けなくても歌でも手拍子でも座って見ているだけでも自分の一番好きなこととか心地よい距離感みたいなところを感じられると楽しいという単語なのでそんな感じで好きな距離感で関わっていけたらいいなと思います。ぜひ輪に加わってください!
 

インタビュー後 〜仕事の話〜

インタビュアーの周りの学生たちが自分から会社を選んだはずなのに、就活を終えて働きたくないと思うことに対して疑問を持っているという話から仕事に対する考え方の話になりました。

 
 山本様:私が学生の時の友人の話で言うと、「就職は何に決まったの?」と聞くと、みんな企業名を答えるのが私には違和感がありました。私はどこに行くかではなく自分が何をするかということが大事というふうに思っているので。
 週5勤務だとしたら社会人生活の5/7は働いてる時間なわけじゃないですか。これが楽しくないってめちゃくちゃもったいないと思っています。働きたくないと言う人にヒントになるかわからないですが、私自身の体験では、「仕事は仕事」と切り離して考えていた時は、仕事に対しておもしろさや楽しさを感じられなかったです。そうではなく、「仕事といえども、突き詰めていけば人と人なんだ」って思った瞬間から関わり方が変わりました。ご縁があって出会ったこの人と一緒に、自分が今持っている精一杯で何ができるかと思った時に、自分が楽しめるようになっただけでなく、結果重宝してもらえるようにもなりましたし、毎週のコラボが終わってからも、何かあればご連絡をしたりいただいたりとつながりは続いていて、今後何か良いかたちで、このつながりを活かせていけたらいいなと思っています。
 実際JAMMINの活動としてはコラボの一週間が本番なんですけど、そこの前段階のインタビューして記事書いたり、デザインのやり取りしたりという企画の部分が大事だと思っています。その段階で、私たちがいかに相手に本気で寄り添えるかが大事だと思っていて。事務的な対応では、心と心の対話ができませんし、距離が縮まりません。相手の気持ちを置いてけぼりにせず、同じ目線を持てるように、小さなことでもしっかりコミュニケーションをとることを大事にしています。
  





執筆者


東京大学経済学部3年 伊藤 憲佑
 出身が岩手県なので、教育格差を含む地方格差に一番関心がある。JAMMIN様のインタビューを通じて、NPO様の発信をするこの活動に一層前向きになった。



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