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漫画を描いています。ジャンプ+で読切「死を纏うステルビヤ」「きみのこころまであと3問」…

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漫画を描いています。ジャンプ+で読切「死を纏うステルビヤ」「きみのこころまであと3問」「東京遊玄キョンシーズ」掲載してもらいました。オリジナル漫画を広く世に漫画を読んでもらえる環境を作れるか。そういう高めのハードルを越えられるか挑戦していきたいです

最近の記事

雨の中パジャマのまま桜を見に行った

そういえば今年は一度も桜を見ていない、と思った。 夢の中で桜を見て気づいた。 朝6時35分、昨日は日中ずっと寝ていたから早起きという感覚もない。 とりあえず起きて、体重を測り、パソコンを開いて10分くらいぼーっとし、 「寝て起きてパソコンをすぐに開くような生活を続けているから、僕はいつまで経っても大人になれないんだ」と思い直して閉じた。 インターネットサーフィンと日中の昼寝は麻薬だ。2時間以内に留められないならどっちもやめたほうがいい。 桜が見たいと思った。 もう4月6日

    • 深夜1時から朝までが、僕が正気でいられる時間だ

      起きたまま見る悪夢と、それから逃れるための寝逃げ 大体いつも夜の1時ごろに目を覚ます。日に3、4回ある目覚めの中で一番マシな起床だ。 24時間のうち大体半分は寝ていると思う。2時間、3時間、5時間、2時間…僕が寝たいと思う理由は睡魔より現実逃避の意味が強い。こういう睡眠を「寝逃げ」と言うらしい。 意識がある間ずっと自分のした失敗や後悔のことを考えている。どんなに頭から追い出そうとしても消えてくれない。 吐きそうになるほど鮮明な「その時カメラは捉えた!人生をしくじった瞬間

      • 2023年に観たもの、読んだ本、etc まとめ

        連載が終わった後どうしていたか 連載終わって討ち死にになってからnote全く更新してなかった。小人閑居して不善を為すとはよく言ったもので、クソ忙しかったのが急に暇になるとろくなことを考えない。それまで全然儲かってなかったのが半端に連載をしたもんだから請求される税金が跳ね上がり、予想の3倍速く貯金が減っていったのはぞっとした。「作家になるってことは打ち切りになったら飢え死にしても文句を言わないって意味なんですよ」とどこかの誰かに言われたのを何度も思い出していた。 しかし心臓が

        • 吃音と連載 人生の第二ステージ

          こんな人生やってらんないぜ音頭2022 今日久しぶりに、参ったなということがあった。吃音だ。 喋ろうとしても言葉が出てこない。「この書類の〇〇について、よくわからないので質問したいんですが」と言おうとしているのに、「この書類の…の…のー…のっ…の…おー…」というかんじでつっかえて次の言葉が出てこなくなるのだ。 人と会話するとき常時こうなるというわけではない。税務署とか役所とか、公的な書類をどうこうしようとしているとき、数字と対峙しているときにしばしば起こる。あと単純に疲れて

        雨の中パジャマのまま桜を見に行った

          R-指定と桜井和寿の共通項 人間への諦観とポップスに仕込む毒

          大注目、大活躍、大波乱だった2021年11月今月はずっとCreepyNutsの話題が絶えない。すごいことになっている。「有吉の壁」武道館ライブでのサプライズゲスト出演、「マツコ会議」の松永号泣事件、そこからのネット上での論争、横浜アリーナ、ラジオ…ややこしい話題も含め、ただでさえ今年出ずっぱりだった二人が日本中から注目されている。ファンとしてはうれしいんだけど心労がたたってそうで心配。 マツコ会議の件は、僕はそもそも10年来のマツコデラックスのファンなので言及したいこともあ

          R-指定と桜井和寿の共通項 人間への諦観とポップスに仕込む毒

          故人を想いながら筆を動かす

          人に見せるための文章じゃない。気持ちが壊れてなくなってしまいそうで、ただ自分で折り合いをつけるために書き散らす。 僕には大切な人がいた。たぶん、僕が漫画家になりたいと打ち明けた相手の中で、初めてそれを応援してくれた人だった。幼いころから変わってるとかおかしいと言われて、異形として扱われていた僕の目を正面から見てくれる大人だった。あの頃の僕はその人以外に心を開ける大人を知らなかった。 その人はもう居ない。癌だった。まだ50かそこらだった。 彼女の死の報が届いたとき、僕は東

          故人を想いながら筆を動かす

          どんな言葉を尽くしても言い表せない。「マイ・ブロークン・マリコ」感想

          読み返すたびに涙があふれるような作品に出会えたことを幸運だと思う。 僕にとって「マイ・ブロークン・マリコ」はそういう作品になった。 「いつもの悲劇」に風穴を開けるための冒険地下鉄の駅構内に本屋があって、そこで特に理由もなく買った。電車の中で読みふけり、目的の駅についても読むのをやめたくなくて、降りた駅のホームで読み終わるまでじっと、柱にもたれて読み続けた。 感想を書こうと何度も思ったのだけど、どう言い表していいかわからなかった。こんな突き刺さるような悲しみと痛みに、生半

          どんな言葉を尽くしても言い表せない。「マイ・ブロークン・マリコ」感想

          コロナ禍による出会いの消失と僕らの見えないタイムリミット

          みなさん、ステイホーム時代を無事サバイブされておられますか。僕はまあまあ限界です。 在宅仕事だしもともと友達が多い方じゃないしで、さほどコロナの影響を受けないかと思ってたんですが、同じような立場だった先輩方がなんかお金のこととか政治のこととかで殺気立ってしまい、話し相手にカウントできなくなってしまったんですよね。以来なかなか人と接する機会に恵まれず、内心非常に寂しい気持ちを抱きながらこの一年を生きています。 価値観が変わったのは仕方ないけど、それで社会が分断されるのは良く

          コロナ禍による出会いの消失と僕らの見えないタイムリミット

          意志薄弱でも在宅仕事がしたい!クソメンタル物書きが集中して家で働く為に

          (※ヘッダーは僕がここ数日やってる絵の練習です。前からやろうやろうと思ってたことができてうれしい) 意志の力で自分をコントロールするとか、無理!死刑! 前からクルクルパーだったんですけど最近悲惨ですね。外出するということが憚られるようになるというのが僕の心にだいぶダメな影響を与えていたようで、昨年末くらいから延々寝てるかエロ動画見て一日終わるとかがしょっちゅうになっちゃいました。最悪! その上僕こないだ体調バックリ崩しまして、自律神経が悪さしてるんだと。となると生活リズ

          意志薄弱でも在宅仕事がしたい!クソメンタル物書きが集中して家で働く為に

          「天気の子」と社会が守るべき子供たちについて

          「天気の子」、地上波で放映されましたね。多くの人が初めて触れたこと、コロナウイルスという猛威が現実で巻き起こっていること、いろんなことがきっかけになって沢山の人が話題にせずにはいられないという様子でした。 その中で改めて認識したのが、天気の子が問いかけているのは「社会(≒大人)と子供の関係」だということ。そしてそこの感覚が作り手の価値観と異なっている人は受け入れられないのではないかと思った次第です。 受け入れられないことが悪とか変とかそういう話ではないのは明記しときます。

          「天気の子」と社会が守るべき子供たちについて

          創り手が失ってはいけない(気がする)孤独について

          最近周りに人が増えた。 元々関係があった友人たちとの中が深まった。彼らが僕を心配してくれたからそうなったのだということに感謝している。 また、積極的に他者とかかわるチャンスを増やそうという行動を僕自身起こすようになった。今僕は困ったことがあったり嬉しいことがあったら話を振ることができる相手が、リアルでもネットでも複数いる。 とてもありがたいことだ。これは大前提。 だけど、孤独であることへの耐性が落ちたとも思う。 スマホを見る頻度が増えた。なにか通知や連絡が来ていない

          創り手が失ってはいけない(気がする)孤独について

          「天気の子」感想—三つの暴力装置だけが子供たちを守った

          初めて映画を見てボロボロと泣いた。 見終わった後にうっすら目に涙がにじむ、ではない。視界がにじみ、大粒の涙が太ももにこぼれるほど泣いたのだ。 感情の乱気流の中で、「どうかこの思いを裏切らないでくれ」とだけ思いながら画面を必死で見つめた。そしてそれは、本当に幸運なことに、裏切られずに終わり、初めてレンタルで借りた映画のエンドロールまでしっかり見た。 賛否ある最後なのは知っている。しかしその否のいずれもが、僕の中に入ってこなかった。どうしてここまで美しく、悲しく、勇敢な話が

          「天気の子」感想—三つの暴力装置だけが子供たちを守った

          「キョンシーズ」好評御礼!

          1月13日にオリジナル読み切り「東京遊玄キョンシーズ!」がジャンププラスに掲載されました。 おかげさまで1月17日現在、175978回再生!17万回以上読まれています!本当にありがとうございます! 今回の漫画は、とにかく多くの人に楽しんでもらいたい…という気持ちが強くあって、広く読まれることを目指して作りました。いただいた感想を見ていて、アメちゃんかわいい!ババア面白い!主人公かっこいい!というようにキャラを楽しんでもらえたり、その奥にある孤独死の悲しみ、ひとりぼっちであ

          「キョンシーズ」好評御礼!

          wowakaさんに会いたくて、大晦日に東京から新潟に行ってきた

          今年、バンド「ヒトリエ」のボーカルのwowakaさんが亡くなりました。 ゴッドタンの主題歌だった「インパーフェクション」をはじめて聴いたのが2014年。それからずっとファンで、ライブに行ったりCDを買ったり…だから、僕にとって彼の死は本当に悲しくて、苦しくて、耐えられないものでした。ずっと彼の死を受け入れられないまま、何かの間違いなんじゃないかとふわふわとわだかまって、でも仕事に忙殺されて過ごしていました。 マンガを描きたいって夢があって、それを掴めるかも、ジャンププラス

          wowakaさんに会いたくて、大晦日に東京から新潟に行ってきた

          人生は漫画を描き続けるにはあまりに短く、楽しい

          画像は次にやるかもしれない漫画の主人公のラフです。 今、人生が楽しいです。 詳しいことは来月分かることだけど、やっとオリジナルで漫画を描くことに光が見えてきた。今まで出来なかった色んなことができるようになって、朝起きたときに「今日はなにをしよう」と思えるようになった。ブラック会社で精神壊して、欝こじらせてたときからしたら考えられないことです。 上手く行ってるのは漫画だけじゃなくて、上手く行かないな~と思ってた3Dをもう一度勉強し直そうってやってみてたり、次のネタのために

          人生は漫画を描き続けるにはあまりに短く、楽しい

          ポリティカルコレクトネスと創作について―誰もが誰かをバカにできる世の中の価値

          ①ネット上で誰かを名指しで批判することについて誰だかわからん奴に、ネット上で名指しでバカにされたことはあるだろうか? 僕はある。いちいちこっちの発言をRTしたあと毎回揚げ足取りや皮肉のようなことを言うからブロックしたら、なんかヒートアップしたのかRTがスクショに切り替わっただけでやってることはむしろ悪くなった。リプライのやり取りをしたらさらに悪化した。本当にクソ。 でも僕は、怒りで或る1つの真理に気づけずにいた。 リプライや引用RTなど、直接殴りかかってくる形や、事実無

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