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目に見えるもののチカラはそんなに強くない

今朝は流星群を見るために、はりきって4時半まで起きていた。
そろそろ着替えようと、布団に倒れ込んだところまでは意識があった。

まあ、そんなわけで、10時までしっかり眠った私は、流星群を観られなかった。
明日こそは、と思っている。けど、どうかな…


今日は、父の所属するジャズバンドが、吉祥寺音楽祭に出場するというので観に行ってきた。

先日、母から「GWにパパのライブあるけど、観に行く?」と聞かれ、「んー、行こっかな」と答えると、父が「えっ、来てくれるの?」と思いの外、嬉しそうな表情をしていたので、観に来て欲しかったのだと知った。

私と一番感性の近い父のことなので、娘には見られたくないんだろうなと勝手に思い込んでいたが、そうではなかったらしい。

父から誘ってくれればいいのに、難儀な性格をしているなぁと思ったが、自分にも同じような節があるので、自分も相当面倒な性格をしているのだと、深く思い知った。


父のバンドは、東急百貨店近くの野外ステージ、というか商業施設のデッキを利用した特設ステージだった。

出番はお昼からだったので、休日の吉祥寺の人の多さにゲンナリしながらも、身内ということで遠慮なく、左端の最前列を母とふたりで陣取った。授業参観にくる保護者のような気持ちだった。

隣にいる母に、「パパは大丈夫なんだろうか」と尋ねた。
うちの父は小心者だし、緊張しいのあがり症で、本番にも弱いことを私は十分知っているからだ。
すると、母は父の方を見ながら、「大丈夫、大丈夫。そこそこ上手だから」と答えた。

その返答は、私には意外なものだった。
母による父への評価は、普段かなり厳しめだからだ。

1曲目。
父のドラムの音から始まり、安定したリズムを聞いていたら、先ほどまでの心配は消え去り、素直に楽しむことができた。

行き交う人々が足を止めて聞き入ったり、手拍子を叩いて聴く観客もいて、音楽って、音を楽しむっていいなと思った。

視覚的なものを作る者としては、目に入るものだけで無関心な人の足を止めさせるだけの力はそんなにない。

無関心な人の足を止めさせて、見入らせるようなものとなれば、相当過激なことをしなければならないし、それが多くの人を楽しませることができるのかと問われれば、そうではないと思う。

少なくとも私は過激なことはやりたくないし、不快に思う人が出るような表現も避けたいし、自分でもそんなものは見たくない。

それに音楽って気軽だ。
普段、フェスなどには参加しないけれど、その場に行きさえすれば誰でも楽しむことができるし、それこそ知識も、言語も不要だ。

そして、生の楽器の音ってとても惹きつけられる。
なぜだろう。
人が弾いているからなのだろうか。

音楽っていいなと思った。

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