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バックステージ


わたしが勤めてる会社はそこそこ階層のあるビルの中にある。

そこそこの階にオフィスがあるので階段ではなくエレベーターを必ず使う。
毎朝、あの箱に乗り、決まった数字を押して、目的のフロアに着いたら降りる、を繰り返してる。

朝は出社時間というのはどこの会社も似たような時間らしくエレベーターは多少混雑してる。

満員電車を経てここに至ってるので他人との接近具合にバグを起こしているのか、そこは特に何も気にならない。

それよりもっと気になることがある。

その日も一つの箱に大体6、7人が収まっていた。わたしは階数ボタンの前に立っていたので「今日はエレベーターガールか、、」と目を細めていた。

ぞろぞろと人が入ってきて、目的の階のボタンを押して中にいる人と等間隔の距離を保って立つ。

押したボタンは光るので、どの階に止まるかはみんな認識してる状態。

3階と4階と7階と14階が光ってるので、オフィスに着くのはギリギリになりそうだな、と思っていると。

3階にそろそろ箱が止まる、となった時。
おじさまが扉の近くに一歩出た。
扉が開くと、そのままおじさまは箱から出て行く。

次に4階。今度は箱が動き出したくらいで女性が扉の近くにまた一歩。扉が開くのと同時に競馬ゲートさながら小走りで出ていった。

エレベーターの階数がまるで、自分の出番のように扉の前にスタンバイして、次々と出て行く。

あれかな、ランウェイ歩くモデルさんってこんな感じなんかな。

いや、芸人さんの舞台袖みたいな感じか?
でも芸人さんは出囃子なるからな、、。音楽でもかけてあげようか。

朝の出勤時だからか、みんなちょっと「やるぞ!」的な雰囲気あるし、あとちょっとカッコつけてる感じある。
あの瞬間わたしはヒール鳴らして歩いてる気分になる。スニーカーだけど、踵に力入れてる。鳴らないけど。

だからなんだ、という話だけれども気になったので文字に起こしました。消化できてよかった。


日々そんなことばかり考えてるので、「閉」ボタンを押し忘れてて、いかにも役職持ちのおじ様に睨まれました。エレベーターガールむずかしい。

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