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土偶女子をつくってしまったことの懺悔

むかし、ミュージカルの稽古をしていて目に入った女の子の顔が、びっくりするくらいぼーっとしていた。「あんた目を開けてんの?閉じてるの?」というくらいの薄目で、いかにも何も考えていなさそうだった。その表情が、僕に土偶を連想させた。あの有名な「遮光器土偶」である。

そして僕は、その女の子が土偶顔だったことを、お友達に報告したのだ。これがいけなかった。瞬く間に僕の周りで「土偶」のアダ名が流行ってしまった。しかも本人はそう呼ばれていることを知らないので、ほぼ悪口の体である。

土偶という形容がしっくりきすぎていたので、僕はその流行を止めるどころか面白がってしまった。そうしているうちに、僕の周りの男のみならず、他の女の子たちまでも「土偶」で盛り上がり始めた。

この「土偶」の流行が悲劇を呼んだという暗いオチはないんだけど、僕は昔から、おかしなアダ名を思いつけばそれを広めてしまう癖がある。小学生の時にあるお友達につけた変なアダ名が、その後中学校でも広まっていたことをだいぶ後に知ったこともある。

過去の自分に何か伝えられるとするならば、「お前、アダ名を思いつくのはいいけど、もうちょっと考えなさい」と言いたい。

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