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2023.8.15 写真詩

今日の写真詩はこちら。

「橙色の子守唄」

あなたが求めるのなら
私はあなたの薬になります
熱に燃える血を鎮め
眠れぬ夜を癒しましょう

あなたが求めるのなら
私はあなたの毒になります
ひと夜の恋の熱情で
心の底まで冒しましょう

あなたが求めるのなら
私はあなたを忘れます
熱を忘れた愛の果て
赤の他人に戻りましょう

.:*゚..:。:.☆.:*゚..:。:

解説
藪萱草やぶかんぞうは漢方として、止血や消炎、不眠などの治療に用いられる薬草なんだそうです。しかし目が覚めるような橙色の花からは、虫を引き寄せる灯りのように、愛を求める人を引き寄せる何かを感じます。
それは安心感なのか、優しさなのか、憂いなのか。
それでも、どんな薬も過ぎれば毒になるように、癒しや愛も過ぎれば相手を壊してしまう。橙色の花はそれをわかっているから、全てを相手に委ねているのかもしれません。自分は通り過ぎられるだけの花でいいと。
自分の性質を愛の向くまま自ら振るえば毒になってしまうからと、必死に愛することを抑えているのかもしれません。
それもまた、ひとつの愛の形なのでしょうね。

あなたは愛する人の薬になりたいですか?毒になりたいですか?それともはねを休めるひと時の花になりたいですか?

まつかほ

藪萱草の花言葉: 「愛の忘却」「悲しみを忘れる」「憂いを忘れる」
別名「忘れ草」

頂いたサポートは主にまつかほ家の食費、執筆活動費、そして娘の画材購入費になります。サポートしてくださった方には良いことが立て続けに起こるおまじないをかけておきます。