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高橋巖インタビュー「エラノスで会った〈非〉学問の人」/若松英輔『井筒俊彦』/井筒俊彦 『東洋哲学の構造 エラノス会議講演集』
☆mediopos3469 2024.5.17
シュタイナーの人智学を紹介し
長きにわたって牽引してきた
高橋巖が亡くなった
高橋巖と井筒俊彦の関係について語られる機会は稀で
まとまったかたちでは
井筒俊彦の全集の月報がはじめてだったようだが
その後KAWADE道の手帖『井筒俊彦』(二〇一四年)で
安藤礼二・若松英輔を聞き手として行われた
高橋巖へのインタビューでその最初の出会いや
エラノ
中沢新一編『東洋の不思議な職人たち』/中村雄二郎『問題群——哲学の贈り物——』/リチャード・セネット『クラフツマン』
☆mediopos3468 2024.5.16
現代のいわゆるハイテクは
西欧近代文明のなかで発達した
「技術のオートノマス(自律的)な発達」として
あらわれている「科学技術」の結果である
かつては「科学」と「技術」は
「科学技術」ではないという議論もありはしたが
実際のところ現代の「科学」は
ますます「科学技術」と同化しつつある
それによってもたらされる
さまざまな「危機」が論じられは
永井玲衣「世界の適切な保存㉔そのにおい」(『群像』)/アルバート・ズスマン『十二感覚』/千早茜『透明な夜の香り』
☆mediopos3465 2024.5.13
千早茜『透明な夜の香り』に
こんなシーンがある
「それはね」と、朔さんが目を細めた。
「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記録されるから」
「永遠、ですか」
「先生はどうして彼女が嘘をついているとわかったんです」
「匂いで」と新城は私の鼻を指した。
「信じるか信じないかはあんた次第だけど、
嘘は嫌な臭いがするらしい」
匂いは
松浦寿輝「遊歩遊心 連載第57回「夏目漱石→鳥山明」(『文學界』)/大江健三郎・河合隼雄・谷川俊太郎『日本語と日本人の心』/ロバート・キャンベル『井上陽水英訳詞集』
☆mediopos3464 2024.5.12
松浦寿輝が鳥山明の逝去にあたり
『文學界』で連載されている「遊歩遊心」で
その画期的偉業『ドラゴンボール』こそが
夏目漱石以来の
「西欧の衝撃という外傷体験をいかに克服するか」
という「神経症シンドローム」を払拭してくれたと
少しばかり過剰かもしれない?思いを語っている
「漱石の問題系」はいまだ多かれ少なかれ
尾を引きずらざるをえない現状だろ
保坂和志「鉄の胡蝶は夢に記憶の歳月に彫るか 70」(『群像』)/デヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ(酒井隆史訳)『万物の黎明/人類史を根本からくつがえす』
☆mediopos3463 2024.5.11
この保坂和志の『群像』連載「鉄の胡蝶は・・・」は
一見「エッセイ」のようでもあるが
「小説」ということになっている
「小説を書くことは————
いや、そういう名詞で定義する言い方はなるべくやめよう、
小説を書いているとき小説家は
自分ひとりで書いているわけではない、
小説家は登場人物や風景や猫と一緒にその小説を書いている」
というよう
ルールはなぜあるのか
☆photopos-3532 2024.5.10
ルールは
ひとを守るのか
それとも縛るのか
ルールのための
ルールはいらない
ルールは
なんのためにあるのか
目的から外れた
ルールはいらない
ルールは
だれのためにあるのか
ひとを傷つける
ルールはいらない
ルールは
なぜあるのか
みずからを利するための
ルールではなく
内なる高みから
みずからを導く
ルールでありますように
石井ゆかり「星占い的思考51 より高きもの」(『群像』)/住吉雅美『ルールはそもそもなんのためにあるのか』
☆mediopos3462 2024.5.10
石井ゆかり「星占い的思考51」のテーマは「より高きもの」
(『群像』2024年6月号)
シャーロック・ホームズは
ときに犯人の罪を見逃すことがある
「神の名のもとに、地上の法を踏み越える」のだ
「神の名のもとに」ということは
「人間が決めたルールの上に、
もうひとつ別の、高次の価値観」があるというのである
そうした高次の価値観を認めないと