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「神秘学遊戯団」は1991年スタート。シュタイナーのほか、諸テーマを横断。 HP ht…

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「神秘学遊戯団」は1991年スタート。シュタイナーのほか、諸テーマを横断。 HP https://r5.quicca.com/~steiner/novalisnova/    Facebook https://www.facebook.com/kazenotopos

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  • 神秘学ポエジー【風遊戯】photopos

    神秘学的な内容を写真と言葉で、「遊戯」していくシリーズ。

  • 神秘学ポエジー【風遊戯】mediopos

    本を中心としたメディアを神秘学的な視点で読みながら「遊戯」していくシリーズ。

記事一覧

いのちの水・ことば・器

☆photopos-3539  2024.5.17 いのちの水は かたちをもたないから それを蓄えるため わたしは器となるが 器が壊れるとき いのちの水は わたしから 零れ落ちてしまう た…

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4時間前
28

高橋巖インタビュー「エラノスで会った〈非〉学問の人」/若松英輔『井筒俊彦』/井筒俊彦 『東洋哲学の構造 エラノス会議講演…

☆mediopos3469  2024.5.17 シュタイナーの人智学を紹介し 長きにわたって牽引してきた 高橋巖が亡くなった 高橋巖と井筒俊彦の関係について語られる機会は稀で まとま…

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4時間前
17

つくる人は遊ぶ人

☆photopos-3538  2024.5.16 現生人類は 知恵ある人 ホモ・サピエンス と称されるが 果たして サピエンスなのか 悪知恵も サピエンスではあるだろうが 悪知恵だけでは …

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1日前
33

中沢新一編『東洋の不思議な職人たち』/中村雄二郎『問題群——哲学の贈り物——』/リチャード・セネット『クラフツマン』

☆mediopos3468  2024.5.16 現代のいわゆるハイテクは 西欧近代文明のなかで発達した 「技術のオートノマス(自律的)な発達」として あらわれている「科学技術」の結果…

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1日前
29

寄せ返す波の如く

☆photopos-3537  2024.5.15 歌の如く  彼方から 送られる  ふしぎの ことばが 寄せる波  返す波の あいだに  繰り返し 記される わたしは  からだを ひらいて …

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2日前
32

小林忠(監修)『鈴木春信大全』

☆mediopos3467  2024.5.15 浮世絵をはじめとした日本文化を英語で国際的に紹介した イサム・ノグチの父・野口米次郎(一八七五〜一九四七)は 鈴木春信を筆頭とした『…

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2日前
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身心の変容へ

☆photopos-3536  2024.5.14 このからだに 生まれて このからだ から 逃げたいとおもい このこころで 生きてきて このこころ から 逃げたいとおもい べつのからだ …

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3日前
38

伊藤亜紗「一番身近な物体 第六回 キツネのランピィ」(あさひてらす)

☆mediopos3466  2024.5.14 伊藤亜紗の連載 「一番身近な物体」(あさひてらす)の 第六回目は「キツネのランピィ」 「ばけもさん」は着ぐるみを着て自身を擬獣化し 「…

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3日前
24

匂いをかぎわける

☆photopos-3535  2024.5.13 匂いが わからなくなると うそ と ほんとう が わからなくなる から ことばの匂いのする 声や文字からも うそ と ほんとう を かぎわけら…

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4日前
32

永井玲衣「世界の適切な保存㉔そのにおい」(『群像』)/アルバート・ズスマン『十二感覚』/千早茜『透明な夜の香り』

☆mediopos3465  2024.5.13 千早茜『透明な夜の香り』に こんなシーンがある  「それはね」と、朔さんが目を細めた。  「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記録さ…

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4日前
21

おしまいは グッドナイト グッドラック

☆photopos-3534  2024.5.12 わたしは わたし だれかは だれか けれど わたしは だれかのなかに だれかは わたしのなかに だから たとえなにが あったとしても 今日の…

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5日前
33

松浦寿輝「遊歩遊心 連載第57回「夏目漱石→鳥山明」(『文學界』)/大江健三郎・河合隼雄・谷川俊太郎『日本語と日本人の心』…

☆mediopos3464  2024.5.12 松浦寿輝が鳥山明の逝去にあたり 『文學界』で連載されている「遊歩遊心」で その画期的偉業『ドラゴンボール』こそが 夏目漱石以来の 「西…

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5日前
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外道へ

☆photopos-3533  2024.5.11 だれかの道は じぶんの道ではない みずからが 歩いたところだけが 道になる 道は 教えることも 教えられることもできない にもかかわら…

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6日前
38

保坂和志「鉄の胡蝶は夢に記憶の歳月に彫るか 70」(『群像』)/デヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ(酒井隆史…

☆mediopos3463  2024.5.11 この保坂和志の『群像』連載「鉄の胡蝶は・・・」は 一見「エッセイ」のようでもあるが 「小説」ということになっている 「小説を書くことは—…

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6日前
18

ルールはなぜあるのか

☆photopos-3532  2024.5.10 ルールは ひとを守るのか それとも縛るのか ルールのための ルールはいらない ルールは なんのためにあるのか 目的から外れた ルールはい…

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7日前
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石井ゆかり「星占い的思考51 より高きもの」(『群像』)/住吉雅美『ルールはそもそもなんのためにあるのか』

☆mediopos3462  2024.5.10 石井ゆかり「星占い的思考51」のテーマは「より高きもの」 (『群像』2024年6月号) シャーロック・ホームズは ときに犯人の罪を見逃すこと…

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7日前
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いのちの水・ことば・器

いのちの水・ことば・器

☆photopos-3539  2024.5.17

いのちの水は
かたちをもたないから

それを蓄えるため
わたしは器となるが

器が壊れるとき
いのちの水は
わたしから
零れ落ちてしまう

たとえ
器があったとしても
いのちの水を
得られなければ
器の意味は失われる

ことばは
いのちの水のようだ

ことばを使うには
器をつくらねばならない

蓄えられたことばは
わたしを生かしてくれるが

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高橋巖インタビュー「エラノスで会った〈非〉学問の人」/若松英輔『井筒俊彦』/井筒俊彦 『東洋哲学の構造 エラノス会議講演集』

高橋巖インタビュー「エラノスで会った〈非〉学問の人」/若松英輔『井筒俊彦』/井筒俊彦 『東洋哲学の構造 エラノス会議講演集』

☆mediopos3469  2024.5.17

シュタイナーの人智学を紹介し
長きにわたって牽引してきた
高橋巖が亡くなった

高橋巖と井筒俊彦の関係について語られる機会は稀で
まとまったかたちでは
井筒俊彦の全集の月報がはじめてだったようだが

その後KAWADE道の手帖『井筒俊彦』(二〇一四年)で
安藤礼二・若松英輔を聞き手として行われた
高橋巖へのインタビューでその最初の出会いや
エラノ

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つくる人は遊ぶ人

つくる人は遊ぶ人

☆photopos-3538  2024.5.16

現生人類は
知恵ある人
ホモ・サピエンス
と称されるが
果たして
サピエンスなのか

悪知恵も
サピエンスではあるだろうが
悪知恵だけでは
サピエンス返上ではないか

それよりも
人が人であるのは
ホモ・ファーベル
つくる人だからだろう

つくるとは
ポイエーシス
つくることができて
はじめてポエジーは生まれる

すべてのひとは
なにがしか

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中沢新一編『東洋の不思議な職人たち』/中村雄二郎『問題群——哲学の贈り物——』/リチャード・セネット『クラフツマン』

中沢新一編『東洋の不思議な職人たち』/中村雄二郎『問題群——哲学の贈り物——』/リチャード・セネット『クラフツマン』

☆mediopos3468  2024.5.16

現代のいわゆるハイテクは
西欧近代文明のなかで発達した
「技術のオートノマス(自律的)な発達」として
あらわれている「科学技術」の結果である

かつては「科学」と「技術」は
「科学技術」ではないという議論もありはしたが
実際のところ現代の「科学」は
ますます「科学技術」と同化しつつある

それによってもたらされる
さまざまな「危機」が論じられは

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寄せ返す波の如く

寄せ返す波の如く

☆photopos-3537  2024.5.15

歌の如く
 彼方から
送られる
 ふしぎの
ことばが

寄せる波
 返す波の
あいだに
 繰り返し
記される

わたしは
 からだを
ひらいて
 その歌を
呼吸する

わたしは
 どこから
きたのか
 どこへと
ゆくのか

寄せ返す
 波の如く
問いかけ
 問い返し

わたしは
 彼方此方
時の間を
 戯れ遊ぶ

*愛媛県松山市・重信川河口に

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小林忠(監修)『鈴木春信大全』

小林忠(監修)『鈴木春信大全』

☆mediopos3467  2024.5.15

浮世絵をはじめとした日本文化を英語で国際的に紹介した
イサム・ノグチの父・野口米次郎(一八七五〜一九四七)は
鈴木春信を筆頭とした『六大浮世絵師』と題する
日本語版の著書を刊行したが
(六大浮世絵師とは鈴木春信のほかに鳥居清長・喜多川歌麿・
東洲斎写楽・葛飾北斎・歌川広重)

昭和四年(一九二九)には「限定私家版」として
『鈴木春信』を出版し

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身心の変容へ

身心の変容へ

☆photopos-3536  2024.5.14

このからだに
生まれて

このからだ
から
逃げたいとおもい

このこころで
生きてきて

このこころ
から
逃げたいとおもい

べつのからだ
べつのこころを
求めるとき

つかのま
変身してみるのも
ひとつの方法だろうが

その変身はおそらく
長くはつづかない

けれど
魂において
変容することは
できるだろう

そのためには
このからだ

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伊藤亜紗「一番身近な物体 第六回 キツネのランピィ」(あさひてらす)

伊藤亜紗「一番身近な物体 第六回 キツネのランピィ」(あさひてらす)

☆mediopos3466  2024.5.14

伊藤亜紗の連載
「一番身近な物体」(あさひてらす)の
第六回目は「キツネのランピィ」

「ばけもさん」は着ぐるみを着て自身を擬獣化し
「キツネのランピィ」として活動している

「ばけもさんは、よく「すがた」という言葉を使」う

いつもその着ぐるみを着ているわけでなく
「別のすがたのランピィになったり、
はたまたヒトのすがたになったり、
いくつか

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匂いをかぎわける

匂いをかぎわける

☆photopos-3535  2024.5.13

匂いが
わからなくなると

うそ

ほんとう

わからなくなる
から

ことばの匂いのする
声や文字からも
うそ

ほんとう

かぎわけられなければならない

マスクをさせるのは
匂いを
わからなくするためだ

うそを
うそだと
わからなくするために・・・

匂いを思いだす

じぶんのほんとうを
思いだすために

匂いを深める

ほん

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永井玲衣「世界の適切な保存㉔そのにおい」(『群像』)/アルバート・ズスマン『十二感覚』/千早茜『透明な夜の香り』

永井玲衣「世界の適切な保存㉔そのにおい」(『群像』)/アルバート・ズスマン『十二感覚』/千早茜『透明な夜の香り』

☆mediopos3465  2024.5.13

千早茜『透明な夜の香り』に
こんなシーンがある

 「それはね」と、朔さんが目を細めた。
 「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記録されるから」
 「永遠、ですか」

 「先生はどうして彼女が嘘をついているとわかったんです」
 「匂いで」と新城は私の鼻を指した。
 「信じるか信じないかはあんた次第だけど、
 嘘は嫌な臭いがするらしい」

匂いは

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おしまいは グッドナイト グッドラック

おしまいは グッドナイト グッドラック

☆photopos-3534  2024.5.12

わたしは
わたし
だれかは
だれか

けれど
わたしは
だれかのなかに
だれかは
わたしのなかに

だから
たとえなにが
あったとしても
今日のおしまいは
ただ グッドナイト!

ひとりで
生まれ
ひとりで
死んでいく

けれど
ひとりは
みんなのなかに
みんなは
ひとりのなかに

だから
たとえどんな
生だったとしても
そのおしまいは
ただ

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松浦寿輝「遊歩遊心 連載第57回「夏目漱石→鳥山明」(『文學界』)/大江健三郎・河合隼雄・谷川俊太郎『日本語と日本人の心』/ロバート・キャンベル『井上陽水英訳詞集』

松浦寿輝「遊歩遊心 連載第57回「夏目漱石→鳥山明」(『文學界』)/大江健三郎・河合隼雄・谷川俊太郎『日本語と日本人の心』/ロバート・キャンベル『井上陽水英訳詞集』

☆mediopos3464  2024.5.12

松浦寿輝が鳥山明の逝去にあたり
『文學界』で連載されている「遊歩遊心」で
その画期的偉業『ドラゴンボール』こそが
夏目漱石以来の
「西欧の衝撃という外傷体験をいかに克服するか」
という「神経症シンドローム」を払拭してくれたと
少しばかり過剰かもしれない?思いを語っている

「漱石の問題系」はいまだ多かれ少なかれ
尾を引きずらざるをえない現状だろ

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外道へ

外道へ

☆photopos-3533  2024.5.11

だれかの道は
じぶんの道ではない

みずからが
歩いたところだけが
道になる

道は
教えることも
教えられることもできない

にもかかわらず
これが道だ
これ以外に道はない
道の外を歩いてはならない
そう説く者がいて

その道がなんなのか
たしかめることのないまま
みずからは道を歩まず
道を説く者に従う者が生まれ

そこで説かれた道に従うこ

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保坂和志「鉄の胡蝶は夢に記憶の歳月に彫るか 70」(『群像』)/デヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ(酒井隆史訳)『万物の黎明/人類史を根本からくつがえす』

保坂和志「鉄の胡蝶は夢に記憶の歳月に彫るか 70」(『群像』)/デヴィッド・グレーバー/デヴィッド・ウェングロウ(酒井隆史訳)『万物の黎明/人類史を根本からくつがえす』

☆mediopos3463  2024.5.11

この保坂和志の『群像』連載「鉄の胡蝶は・・・」は
一見「エッセイ」のようでもあるが
「小説」ということになっている

「小説を書くことは————
 いや、そういう名詞で定義する言い方はなるべくやめよう、
 小説を書いているとき小説家は
 自分ひとりで書いているわけではない、
 小説家は登場人物や風景や猫と一緒にその小説を書いている」

というよう

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ルールはなぜあるのか

ルールはなぜあるのか

☆photopos-3532  2024.5.10

ルールは
ひとを守るのか
それとも縛るのか

ルールのための
ルールはいらない

ルールは
なんのためにあるのか

目的から外れた
ルールはいらない

ルールは
だれのためにあるのか

ひとを傷つける
ルールはいらない

ルールは
なぜあるのか

みずからを利するための
ルールではなく

内なる高みから
みずからを導く
ルールでありますように

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石井ゆかり「星占い的思考51 より高きもの」(『群像』)/住吉雅美『ルールはそもそもなんのためにあるのか』

石井ゆかり「星占い的思考51 より高きもの」(『群像』)/住吉雅美『ルールはそもそもなんのためにあるのか』

☆mediopos3462  2024.5.10

石井ゆかり「星占い的思考51」のテーマは「より高きもの」
(『群像』2024年6月号)

シャーロック・ホームズは
ときに犯人の罪を見逃すことがある
「神の名のもとに、地上の法を踏み越える」のだ

「神の名のもとに」ということは
「人間が決めたルールの上に、
もうひとつ別の、高次の価値観」があるというのである

そうした高次の価値観を認めないと

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