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食のおはなし

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飾りっけなしの毎日のごはんや、農あるくらしの記録。
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記事一覧

桑の葉茶とボクシング(뽕잎차와 복싱 )

 近所にある日本食のお店には、いつも温かい桑の葉茶(뽕잎차)が用意されている。初めて飲ん…

オンマがキンパを作る理由

 5歳の息子が通う韓国の幼稚園では、1年に2回だけ弁当持参の日がある。春と秋、バスで遠足に…

韓国の有機農家さん、イタリア訪問記

共にニンニクを収穫したイタリア農夫との再会韓国の有機農家によるイタリアの有機農園訪問記 …

美しいものは、すぐそばに

 少し前、桜の蕾が開きかけていた頃、家からほど近い場所に工芸作家の工房があることを知った…

初めて「おにぎらず」を作ったら、ご飯と具材が多すぎて、海苔2枚で無理やり包むことに。でもこのおにぎり、世間で話題になるだいぶ前から友達が食べていたことを思い出した。試験や試合の当日は「勝つ」という意味を込めて、お母さんが必ず豚カツ入りの大きなおにぎりを握ってくれるねん、って。

韓国の春、おいしいもの。달래(ヒメニラ)

 ナズナやヨモギ、セリ、タラの芽など、봄나물(春ナムル)と呼ばれる野菜が市場やマートに並…

韓国の夏、おいしいもの。ミニトマトの梅エキス漬け

 7月中旬から韓国全土のコロナ感染者が急激に増えたため、この夏は全く手伝いに行けなくなってしまった義両親の畑。  桃(복숭아)、杏(살구)、ネクタリン(천도복숭아)といった果物や、トマト(토마토)、ナス(가지)、トウモロコシ(찰옥수수)などの夏野菜が次々と育ち、「とても2人では食べきれない」ということで、数週にわたり、畑直送の果物や野菜が何箱も送られてきた。   大量に届いた桃は、残念ながら固くて甘みが少なくかった。常温で何日か追熟したら甘くなるかもと期待したのだが、あま

韓国の初夏、梅しごと。

 今年もこの季節がやってきた。梅の収穫。そして梅エキス(매실청)作り。韓国では料理をする…

甘くないヨモギ餅はハルモニの味

 5月の初め、数か月ぶりに義両親の家を訪ねると、義母が何やら重そうな袋を持ってきてテーブ…

ホミンさんと、キムチチム。

 きのうの朝、初めて豚肉のキムチチム(김치찜)を作った。韓国出身のシンガーソングライター…

韓国の春、おいしいもの。냉이(ナズナ)

 3か月ぶりに訪れた義両親の畑で、냉이(ナズナ)をたくさん掘ってきた。日本でナズナと言え…

キムチを漬けて初心に返る

 2020年11月21日。夫の実家で、1年分のキムチを漬けるキムジャンが行われた。結婚してからキ…

キムチは酸っぱくなってこそ

 日本にいた頃は、発酵して酸っぱくなったキムチより、浅漬けのキムチが好きだった。正確に言…

ビビンバの懐の深さ

 韓国の市場が好きだ。中でもソウル市内中心部にあり、東大門から歩いて行ける広蔵市場(クァンジャンシジャン)は、日本からソウルを訪れるたびに必ず立ち寄っていた、大好きな場所だ。  食材から衣類まで何でもそろうこの在来市場には、今や日本の焼肉店ではお目にかかれなくなってしまった牛のレバ刺しやユッケが食べられる専門店も集まっている。そんな貴重な生肉を目当てに行くこともあるけれど、私がこの市場で必ず食べるもの。それは、빈대떡(ピンデトック)と보리밥비빔밥(麦飯ビビンバ)だ。  빈