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経済 記事まとめ

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2024年3月の記事一覧

「国際収支の未来」は「日本の未来」

既に各社から報道が出ております通り、3月26日、財務省は神田財務官を主催とする国際収支分析を専門とする懇談会「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」を発足させました。今後複数回の会合を経て、具体的な提言が出されることになっています。若輩者ではありますが、私も委員として拝命頂きました。問い合わせも多いゆえ、簡単に紹介だけさせて頂きます。 会合の議論に関し、私が何かを申し上げることはできませんが、第1回会合のリードスピーカーにご指名頂きました。その際の資料は既に財務省HPで公

木下斉さんとの対談アーカイブ

 2024/3/25のニコ生対談のアーカイブとそのおまけ動画です.今回はメンバーシップの方全員に公開です. おまけ?イントロ?

2024年4月イベント見通し

<読了目安時間:30分> この記事では2024年4月の主な政治、経済、投資イベント見通しを解説します。ここで取り上げているイベントはそれぞれ重要なのですが、情報量が多くて結局どれが一番大事なんだろうと感じる方もいるかなと思いまして、重要度を併記しました。 難しいことは分からないけど、とりあえず一般常識を知りたいという方は重要度の高い3つ星(★★★)を中心に読んでください。個人投資家レベルあるいは政治経済の流れをきちんと押さえたいという方は2つ星(★★)や1つ星(★)の項目

開示で注目した企業

今日は、開示で注目した企業について話していきます。

再エネTF資料のロゴ問題について

 再生可能エネルギー導入に向けた規制改革をすすめる「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース(以下TF)」の資料に中国国営企業のロゴが入っていたことが話題になっています.  規制改革を担当する河野太郎大臣の説明では「チェックの不備」であり,ファイル自体が有害なもの(ウィルス?)などではないとのことですが...…そういう話じゃないんです.  内閣府規制改革推進室の記者会見については以下の記事でまとめられていますが... 前置き 内閣府で規制改革関連の案件を

本日の日銀の政策決定会合(2024年3月19日)のまとめ:マイナス金利解除とYCC廃止

本日、日銀の政策決定会合が発表されました。大枠では、①YCC廃止、②無担保コールレート(オーバーナイト)を0~0.1%程度で推移するよう誘導、③長期国債買い入れを継続、④ETF・JREITの購入停止(CP等の買入は1年後を目途に終了)という理解をしています。詳細は下記のリンクを参照してください。 k240319a.pdf (boj.or.jp) 今回はリーク記事が相次いでおり、大部分の内容は例えば日経の事前報道が追認されたという印象を持っています。その意味でほぼサプライスが

4月1日発表の日銀短観3月調査・大企業・業況判断DIは、製造業は4期ぶり悪化、非製造業は8期連続改善と、明暗分かれそう。―日本の主要経済指標予測(2024年3月21日)―

日銀短観3月調査、大企業・製造業・業況判断DI+10程度と、12月調査(新ベース)+13から低下。大企業・非製造業・業況判断DI+34程度と、12月調査(新ベース)+32から上昇か。  日銀短観3月調査では、大企業・製造業の業況判断DIは不正のため稼働停止となった一部の自動車会社の影響などでの悪化が見込まれ、+10程度と12月調査(調査対象企業の定例見直しによる新ベース)+13から3ポイント程度悪化すると予測しました。予測通りなら4期ぶりの悪化になります。  また、大企

今後の情報発信について

メンバーシップ導入について いつも筆者のnoteをお読み頂きまして、大変有難うございます。今回は今後の情報発信の在り方についてのお知らせとなります。日経新聞さんとのお仕事を契機に始めたnoteでありますが、これまで500本以上の記事を配信させて頂き、気づけば1万2000人近くのフォロワーが付いて下さるようになりました。個人的に色々なDMを頂戴することも増えており、大変励みになっております。過去2年間の論考が奏功していることもあり「言う通りにして良かった」という声も多く頂きます

円安は「優しさの代償」~マイナス金利解除を受けて~

やはり「噂で売って、事実でも売り」だった 注目された日米金融政策決定会合を経て、ドル/円相場は年初来高値を更新、150円台で値固めする展開に入りました。 既報の通り、3月18~19日の日銀金融政策決定会合は①イールドカーブ・コントロール(YCC)の廃止、②無担保コールレートの誘導目標を▲0.1%から+0~0.1%程度へ引き上げ、③ETF・JREITの購入停止という引き締め方向の決定を下しました。日銀にとっては実に17年ぶりの利上げです: マイナス金利解除と共に注目されてい

これからの金融政策ーー「望ましい金利」とは何か

 今週の日本銀行政策決定会合(18日-19日)では,マイナス金利政策・YCC(イールド・カーブ・コントロール)・リスク資産買入が停止されました. とのこと.あわせてオーバーシュート型コミットメント(2%を超えるまで金融政策方針を変えない)についても,足下のインフレ率が3%を超えていることから要件を満たしている考えているようです. 長い前置き 国際的な資源高と円安によって上昇したインフレは沈静化しつつあり,物価上昇率が安定的に2%前後を維持できるか微妙な中でなぜ金融緩和姿勢

インフレは穏やかな減速傾向変わらず(全国CPI、2024年2月分)

3月22日午前に全国消費者物価指数CPI(以下、全国CPI)の2月分が発表されました。モノやサービスの価格変動を示す全国CPIは、日銀が金融政策を決定する上で重要な材料となる経済指標であると同時に、皆さんの生活にも密接したものであり、経済動向を理解する上で重要な指標です。 投資初心者など「そもそも全国CPIって何?」と疑問を持つ方はこちらの記事を先にご覧ください👇 前回1月分の記事はこちらをご覧ください👇 この記事では、2024年2月分の全国CPIについて、見どころを端

2月の自殺者数・暫定値は前年同月比▲14.3%と4カ月連続前年同月比減少。2月の完全失業率は2.4%程度と1月と同水準を予測。2月有効求人倍率は1月から若干上昇を予測。―日本の主要経済指標予測(2024 年3月18日)―

2月有効求人倍率は1.28倍程度と1月の1.27倍からの上昇を予測(3月29日発表)  3月1日に発表された1月の有効求人倍率は1.27倍で、季節調整替えの影響もあり、3カ月連続で同じ水準になりました。正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.00倍で12月と同水準となりました。  有効求人倍率などの指標は、厚生労働省からハローワークにおける求人・求職・就職の状況をとりまとめたものが毎月公表されています。有効求人倍率の 1.00 倍は有効求人数と有効求職者数が同じであること

マイナス金利解除と各種答え合わせ

 予想通りというか,予想通り過ぎる形でマイナス金利・YCC・質的緩和の一部が解除されました.本論に入る前に,それを報じた↓記事に少し注目してみましょう.  まず,見出しはミスリードです.今回の決定では,国債の買い入れを継続することが明示されています.そのため,「大規模緩和解除」ではなく,その手段の変更なのですが・・・  また,学習院大学の鈴木亘さんがコメントされていますが,植田体制になってからの日銀の情報公開の在り方には疑問を感じざるを得ません.  公的機関からメディア

【特典】価格・所得変化と需要

 さて,少し間が空きましたが粛々とミクロ経済学講義を続けております...そろそろ現実経済と関連する話になるのでしばしの辛抱を.前回から消費者理論.消費者理論があるから,需給分析ができるわけです.その意味でミクロ経済学というか……経済学のコアに当たるお話です. 今回はそのまとめ編...というのも,この後に「代替効果」「所得効果」というちょっと面倒なお話しになる.それゆえに……ちょっと助走をつけてみようという回です. ミクロ経済学13:所得・価格変化と需要