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文藝春秋コミック編集部がいま出逢いたい作品像 #創作大賞2024

4月23日にスタートした、日本最大級の投稿コンテスト「創作大賞」。今回は21メディアに協賛いただき、優秀作品は連載・書籍・映像化など、クリエイターの活躍を後押ししていきます。

創作大賞に応募したいけれど、「どんな作品を書けばいいの?」「作品を書くときのポイントは?」などの疑問や悩みを抱える方に向けて、各メディアにアンケートを実施。今回は文藝春秋コミック編集部にお答えいただきました。創作大賞に応募するさいのヒントとして、ぜひお読みください。

【参加部門】#創作漫画部門
【副賞】受賞作品の「文春オンライン」での連載、書籍化を目指します


——編集部の特徴や強み、代表作・話題作を教えてください。

文春コミック編集部は2020年に立ち上がった若い編集部です。司馬遼太郎の名作をコミカライズした『竜馬がゆく』(原作:司馬遼太郎 漫画:鈴ノ木ユウ)や、オタク女子の恋愛模様を描いた『やまとは恋のまほろば』(浜谷みお)、上京したての大学生がラウンジ嬢となり転落していく様を描く『だって私は空っぽだから』(原作:タナカトモ 漫画:らんこくみ)などが連載中で、これからもさまざまなジャンルの作品が連載開始を控えています。

他媒体では取り扱いが難しいテーマであっても、それだけでNGにしない週刊誌的なスピリットは編集部の強みです。宗教2世問題を扱った『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』(菊池真理子)はWEB掲載時、大きな話題を呼びました。

——読者層はどんな方が多いですか?

受賞作品を掲載する予定のコミックサイト「BUNCOMI」の母体は、月間4億PVを超える「文春オンライン」です。男女半々、10~50代まで幅広い世代に読んでいただいています。

「BUNCOMI」はニュースサイト「文春オンライン」内にあるという媒体の特性上、社会性がある物語は読まれやすい傾向にありました。一方で、「文春オンライン」は女性読者も多い媒体です。そこで、女性向け作品をふやしたところ、それに気づいた読者が定期的に訪れてくれるようになりました。

——なぜ創作大賞にご参加いただいたのでしょうか?

いままでは商業掲載の経験を持つ漫画家さんを中心に執筆のオファーをしてきましたが、これから連載作品がふえていくなかで、編集部に新しい風を吹かせる新人の発掘は必要不可欠だと考えています。世の中をあっと言わせる作品を一緒につくっていく才能との出会いを期待して、昨年に引き続き参加しました。

——今回参加いただいた部門を選んだ理由は?

コミック編集部が立ち上がって日が浅く、まだ自前の新人賞がありません。そのため、フレッシュな作家さんの新しい作品との出会いを期待して、「#創作漫画部門」に参加しました。

——創作大賞では、具体的にどのような作品を期待していますか?

編集部では大きく分けて2種類の作品を中心に読みたいと思っています。

①<オトナ女性>を主人公にした作品
仕事、食、性、趣味…女性たちが明日の社会をサバイブする活力となる物語をぜひお寄せください。

②WEB上で目を惹くような刺激的な作品
タブーがない編集部だからこそ描ける内容も大歓迎です。

——期待する作品のイメージに近い、すでに世に出ている作品例があれば教えてください。

①<オトナ女性>を主人公にした作品
BUNCOMIで連載している『旅は愛いもの甘いもの』(原作:ももしろ 漫画:三月トモコ)や『逃げるA』(坂井恵理)のような作品を期待しています。

雰囲気は違いますが、どちらの作品も現代の女性をとりまく現実と、女性のリアルな感情を描いている作品です。

②WEB上で目を惹くような刺激的な作品
BUNCOMIで連載が終わった後も長く読まれている作品として、少女売春を描いた『アンダーズ<里奈の物語>』(原作:鈴木大介 作画:山崎紗也夏)そして、田舎で起きた若者の暴動を描いた『鵜頭川村事件うずかわむらじけん』(原作:櫛木理宇 漫画:河野那歩也)が挙げられます。

読まれ続ける理由としては、人目を引きやすいショッキングな内容だった、ということもあると思います。ただ、どちらの作品も現代を生きる私たちの「生きづらさ」に共通するものが描かれていました。だからこそ、多くの読者の共感を得ることができたのだと思います。

——そのような作品を書くときのポイントはありますか?

①<オトナ女性>を主人公にした作品

物語の導入と、主人公像に強い引きをつくることを意識してみてください。

例に挙げた『旅は愛いもの甘いもの』は、30歳を目前に、実は二股をかけられていたことを知った主人公が、傷心の旅に出ます。そこで出会った小説家の男性と行動をともにすることで、元カレの言動がモラハラづくしだったことに気づいていきます。

このように、思わず共感してしまうような状況や、応援したくなるキャラクター像を考えてみてください。

②WEB上で目を惹くような刺激的な作品
このような社会的なテーマを描きたい場合は、時代に合ったテーマを選び、深掘りしていくことが重要です。

『アンダーズ<里奈の物語>』は10代の少女たちが独立したデリヘル部隊を組織して、経済的な自立を目指すというストーリーです。一見、「成り上がり物語」のようですが、劣悪な家庭環境や十分な教育を受けられなかったために身体を売るしかない、リアルで過酷な「若者の貧困」を描いています。

トー横キッズ(※)が社会問題として注目を集めていた時期に連載をしていたこともあり、似たような少女たちの物語は、つくり物ではないリアルさをともなって受け入れられたのだと思います。いままさに問題になっている出来事を見つけ、そういった事象のなかで、当事者たちにはどういったドラマがあるのかを自分なりに「解釈」してみてください。

※トー横キッズ:新宿歌舞伎町の大型商業施設「新宿東宝ビル」周辺に集まる少年少女たち。

——応募者へのエールや期待のメッセージをお願いします。

世間をあっと言わせる作品というのは創作者の熱意が突き抜けたものだ、というような言説を時たま耳にします。もちろん、間違いない事実だとは思いますが、初めて作品をつくるときは「読者との接点」を意識していただくことも重要です。

ぜひ「読者にたのしんでもらおう」というサービス精神を持って創作にチャレンジしてみてください!

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日本最大級の創作コンテスト「#創作大賞2024」募集中

出版社やテレビ局を合わせて過去最多の21メディアに協力いただき、「創作大賞2024(第3回)」を開催します。応募締め切りは、7月23日(火)まで。奮ってご応募ください!

文藝春秋コミック編集部の参加部門「#創作漫画部門」の詳細は、
下記よりご覧いただけます。

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