幼い頃の憧れだった夢を過去に叶えたというお話。
どうも、衣替えを終えたものの分厚い布団を替える勇気はなく毎朝汗だくになって目覚めているHanaki.です。
すっかり暖かくなりましたね。
分厚いパジャマもそろそろ変えなくちゃ。。
さてさてと皆さんはペットと暮らした経験、あるいは今も一緒に暮らしていますか?
私は昔から動物が好きでした。
小さい頃の将来の夢は獣医さんでしたが、自分の頭の悪さに気付き、即座にその夢を手放しました。(諦めの速さは母譲り)
そして私は小さい頃からペットと一緒に暮らすということに憧れていました。
しかし当時同居している祖母は、大の動物嫌い。
何度も母に「犬がほしい!」と懇願していましたが、「おばぁちゃんが嫌いだからだめ!」とぴしゃりと言われていました。
我が家の女王は祖母だったので、祖母の言うことは絶対なのです。
だけどどうしても諦めがつかず懇願していると、そんな私に嫌気が差したのか、母から「おじいちゃんにお願いしてみれば?」と提案されました。
「その手があったか!!」
祖母は我が家の女王とはいえ、そのさらに上は祖父なのです。
わがままな祖母ですが、祖父のいうことであれば従わないことはありません。
祖父は年老いても変わらない大柄な体格で寡黙だったことから、幼い私にとっては「苦手な大人」ではありました。
だけど冷静に考えると、私からしたら血のつながったおじいちゃん。
思い切ってお願いしてもいいかもしれないと思いました。
そして母に提案されたその晩のこと。
夕食のタイミングで私は思い切って祖父に対して人生ではじめてのお願いを試みました。
だけど、自分から話しかけることなんて人生で数回しかない相手。
どう切り出せばいいか分からないところに
「お義父さん、Hanaki.がお願いがあるんですって。」
とナイスアシストを母はかましてくれました。
私はすぐに「私ね、ワンちゃんがほしい!」と鼻息荒めに訴えました。
祖母の「こいつ。。。!」という顔を横目に、私はまっすぐ祖父を見つめます。
そして祖父の返答は、
「いいよ。」
!!!!!!!
なんとあっさり了承を得られたのです。
「やったぜやったぜ!!」と内心で私は飛び跳ねました。
どんなワンちゃんを迎え入れよう、お散歩はどのルートにしようと一気に湧き上がる妄想をおさえつつ喜んでいると祖父から、
「こっちにいるからおいで。」
と声をかけてきたのです。
「???」
リビングから玄関に向かう祖父。
「えぇっ今からペットショップ行っちゃうの?心の準備がっ(はぁと)」
と思っていると
「ほら、ワンちゃんだよ」
と差し出してきたのは玄関のドアを開けた時に止めておく留め具。
手のひらサイズの『犬の形』をした重りでした。
「このワンちゃんを2階に連れて行ったらいいよ。」
とニコニコと渡してくれました。
「これじゃねぇぇぇぇぇぇぇええええええ!」
とは言えず、
「わーうれしい、これこれ、ありがとう。」
と受け取り2階の自室に持って上がることになったのでした。
「Hanaki.、よかったわねぇ~~」
という祖母と母の言葉を背中でうけながら、ずっしりと重いそのわんちゃん(?)を抱え2階にあがったことを今でも覚えています。
おじいちゃん、あれはなんだったの??
私は、今でもこのことに納得がいっていません。
ショックを感じつつも、私は犬の形をしたその『重り』のために厚紙で漫画でみる犬小屋なるものをつくって住ませてみたりもしました。
『ジョン』という名前もつけてみたりしました。
どうにか「これは本物のわんちゃんである」と自分に言い聞かせていたのです。
だけど動物好きな私は、このジョン以外にもすでに愛着のあるわんこのぬいぐるみがあります。
そんな仲間と比べるとどうしてもジョンには愛情は沸きません。
ジョンには申し訳ないけれど。
ぬいぐるみと比べて持ち運べるような手軽さもなく、ジョンはいつしか玄関の定位置に戻っていったのでした。
・
・
・
実家に帰り玄関に長年いる『ジョン』を見ると、未だにこの時のことを思い出します。
あれはなんだったんだろう、と。
祖父は「うまくごまかせたぜ」と思っていたのでしょうか。
幼い私が心底あれを本物のワンちゃんと思うと思ったのでしょうか。
初めての孫のお願いに「だめだよ」とストレートに言う勇気がなかったのでしょうか。
これは少ない思い出の中にある、唯一祖父の謎でもあります。
そして祖父はどうやらこれをきっかけに、「Hanaki.は犬が好き」と認識したようでした。
一緒にお出かけした時も、「Hanaki.おいで!好きなものを買っていいよ!」とファンシーショップのようなところにある犬の置物コーナーに連れて行ってくれたりもしました。
「だからこれじゃないんだよ。。」
と思いつつ、いろいろな置き物の中から新聞紙の上に座っている陶器でリアルにつくられた犬の置物を買ってもらったこともありました。
ちなみにそれは犬が座っている新聞紙もつくりもので、その端にはその犬のものであろうリアルな糞もご丁寧に添えられているものでした。(なぜそれを選んだ)
そんな我が家にやってきた天使
そんなことから数年経ち、私も中学生になったころ。
祖父母が2人で旅行に行っていて、留守をしている時でした。
家の玄関をでるとなんだか猫の鳴き声がする。
隣の家と我が家の物置の隙間をのぞくと、そこには真っ黒な子猫がいたのです。
狭いところに落ちてしまったようですぐに母を呼び、どうにか拾い上げ動物病院に連れて行きました。
母猫に返さなければと思っていると獣医さんから「一度人間のにおいがついた子猫は母猫の元には戻れないよ。」と言われたのです。
内心ガッツポーズをかました私は「それじゃあお迎えするしかないねぇぇ。」と母を覗き見ると母は顔面蒼白。
子猫を迎え入れた報告を旅行帰りの祖父母、というか祖母に伝える自分の姿を想像したのでしょう。
母は腹を決めたのか帰りに猫グッズを購入し、私たち家族が住む2階で子猫のお世話をすることに。
そして後日旅行から帰ってきて、「なにか変わったことなかった?」と聞いてきた女王に白状し、「なにやってんのぉぉぉおおお」と母はこっぴどく叱られたのでした。
わんちゃんではありませんでしたが、私は小さい頃から夢でもあった「動物と暮らす」ということを叶えたのです。
数年前にその子は天国にいってしましましたが、本当に幸せな時間を与えてくれました。
私に懐くことは生涯なかったけれども。
ちなみに稀に2階へ来る祖母のことは好きだったようで、足にすり寄っては祖母にぶち切られていました。
ペットと暮らす夢を叶えたその後
一度夢が叶ったものの、かわいい天使とお別れしてから、また新しい家族を迎え入れようとは思いませんでした。
たくさん幸せを与えてくれた時間はかけがえもないものでしたが、その時間が長ければ長いほどやっぱりお別れは辛い。
今となっては、昔ワンちゃんと暮らしていた母はそれを知っていたから拒み続けていたのかな、とも思います。
だけども。
祖父とのあの出来事はやっぱり納得がいかないぞ、と思うのでした。(しつこい)
みなさんは私の祖父の行動をどう思いますか?(何も思わない)
本日もありがとうございました。
Hanaki.
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