救急車で運ばれて学んだこと
皆さんは救急車にのったことありますか?
私は人生で一度も救急車を呼んだこともなければ、119に電話をかけことも今のところありません。
だけど救急車に運ばれたことは人生で一度だけありまして。
本日はまだ初々しさが残っていた()私の、救急車に乗ってしまったちょびっと恥ずかしいエピソードを聞いてほしいのです。
救急車に運ばれる当日
これは、私が新卒で入社した会社で起こった出来事です。
私は24時間経営の飲食店企業に入社し、入社1年後に研修の一環として店舗配属が決まりとなっていました。
配属先は地元ではあるものの、実家からは少し離れたド田舎。(カエルの声で寝れなかったなぁ)
初めての一人暮らしで、会社から指定されたマンションは職場まで徒歩3分。
そんな好?立地から、私は朝から晩まで、いや、朝から朝まで働いていました。
というのも、当時は人員不足で採用もなかなかできていなかったんです。
1人欠員がでれば副店長である自分が穴を埋める必要があったので、本社からの仕事をこなしながら現場に出ることは日常茶飯事。
ただでさえ自分の仕事を終わらせられないポンコツ社員だったため、穴埋めがなくとも深夜まで働くことは当たり前な毎日でした。
そして、その日も明け方4時にどうにか自宅に帰り、シャワーを浴びようとしたとき。
翌日も9時から出社だったので、数時間は寝られるな、と思っていた時に電話が鳴りました。
電話の相手は店で働いている従業員からで、内容は「早朝の1人が来られないそうなんです。」とのこと。
電話を受けた数時間後の早朝シフトの穴埋め要請でした。(寝れないじゃないか)
その日は土曜日でイベントが近くであったので、朝から人がたくさん来ることは予想できました。
シャワーを浴びたかった私は「ちょっと遅れるけど待ってもらっていい?」と深夜シフトの彼に数分の残業を依頼し、準備を開始。
残業をしてくれるなら、優雅に朝ごはんも食べていこうと卵スープだけいただくことに。
鍋を温めている間、私は数日前に実家から持ってきた荷物を片付けながら、とある写真を飾りました。
そして、その日は睡眠せずにそのまま6時すぎに出勤。
スープを飲んでいる時は眠気もなく、窓から入る太陽光のおかげか、なんだかすがすがしい気持ちでした。
この数時間後に救急車で運ばれるとは知らずに。(ゾクッ)
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仕事場につき、残業をしてくれた従業員と交代して勤務開始。
私はレジ担当となり、昼前にやってくるイベント客の対応をし、結局レジから離れられたのは昼の13時頃。
その頃にはメンバーも変わっていて、欠勤もなかったので休憩をとることにしました。
店の唐揚げを食べながらバックヤードの席でぼーっとしているとなんだかお腹に違和感が。
「ん?おなかが痛いな。」
まぁすぐに治るかとお昼を食べ終え、溜まっていたデスクワークをしていると、どんどんと痛くなるお腹。
「あららら?」
もう座っていることもつらく、床に寝転ぶことにしました。
「冷たくてきもちいい。。」と汚い床にべちょりと寝転んでいるともう立ち上がれない状態。
「うちの店の唐揚げやばいんじゃ。。」という不安と同時に、「誰も来ませんように。。」と願いながら床に突っ伏す私。
そんな願いもむなしく、掃除用具を取りに来た従業員に見つかりました。(終わった)
「副店長!!どうしたんですか!!!」
と持っていたモップを手離しながら近寄る少し年配のベテラン従業員さん。
そりゃ床に寝転んでいたら倒れたと思われるか、と思いつつ、
「あ、なんかおなかが痛くて。でも大丈夫ですよ。寝てるだけなのでしばらくしたら戻ります。」
と言うも、
「救急車よびます!!!!!」
と言う従業員さん。(えぇ!!!!)
「それだけはっ!!そんな大したことないので!!!おねがいぃぃぃ~~~~」
と右腕だけ挙げて抵抗しても(もう起き上がることはできなかった)
「最近の若い子は救急車呼ばないんだから!!」と電話をかけにフロアに出てしまいました。
しばらくすると、街なかでよく聞くあの救急車の音が。
まさか自分の店で自分のために救急車をよばれると思っていませんでした。(しょぼん)
救急隊員の方がバックヤードに入ってきて、「立てますか?」と言われ、
立てないから困ってるんだわ。と言いたいのを抑えて「あっちょっと無理っかもしれないっですねっ。」と言うと、
「担架持ってきて!!!」という指示が。
「まじかよ、やめて、ほんとお願い。」ともう恥ずかしくて恥ずかしくて、だけど抵抗もできずそのまま担架にポイッと載せられ、フロアを通りながら救急車の中まで運ばれました。
救急車の中にいるときにはお腹の痛さから意識も朦朧としていて、隊員さんたちの「〇〇病院はだめらしい、△△病院も。。」という声だけ聞こえました。
「あぁこれがたらい回しというやつか」と自分のことながら医療業界も大変だねぇと思ったあたりで、意識がなくなったのは覚えています。(というか日頃の睡眠不足から寝た)
病院に着き、もろもろ精密検査をすることに。
いかんせん起き上がれないので、看護師さんに着ているものを脱がされるとき、私はハッと思い出します。
時期はまだまだ肌寒い春先。
寒さに弱い私は、タイトなパンツの下に着古していた分厚いタイツとパッチを重ねていたのです。
しかも穴あき。(もういやだ)
「あの、私すごい着こんでいて。。。」と穴あきのことは伏せながら看護師さんに訴えると、
「えっ?あぁ。(ほんとだ)寒いですもんね!」と慰められながら(?)、次々と脱がされたのでした。
まさかの緊急手術
検査途中で「ご家族の連絡先を。。。」と先生に言われます。
私は心配かけたくなく、「それだけは勘弁してください。」と断ったのですが、「だめです。」という先生。
先生:「教えてください。」
私:「いやです。」
先生:「だめです。」
私:「いやです。」
とお腹をおさえながら先生と攻防し、結局母の連絡先を伝えることに。(負けた)
検査を終えてしばらくすると、ちょうど帰省していた2番目の兄と母が病院にやってきました。
「大したことないから来ることなかったのに~」というと横にいた先生からすかさず「本日手術します。」と遮られました。
症状は簡単にいうと、どうやらお腹にあったデキモノが破裂したんだとか。
その破裂した破片が脳なんかに行くと大変なことになるということで、その日中に緊急手術を行うことになったのです。
「あぁそうですか。」というも母に余計な心配かけやがって、と淡々と報告していた先生を少し恨みました。()
土曜日なので手術できる先生がやってくるまで待機し、その後無事に手術も終了。
そして1ヶ月ほどの入院生活を余儀なく言い渡されたのでした。
全身麻酔という大掛かり?な手術ではありましたが、数日後には「あぁ冷やしたポッキーが食べたいなぁ」と思えるくらい首から上は元気。
それくらい私ってポッキーが好きなんだなぁ、と知ることができました。(どうでもいい)
これが今のところ唯一の救急車体験です。
兄からのメッセージ
私は1ヶ月間の入院で久しぶりにゆっくりできました。
当時の店に異動してから、あんな時間をとることはできていなかったと思います。
そして、私はひとつだけ感じたことがあります。
この出来事が起こる前。
早朝シフトの欠勤がでた、と連絡を受けた朝。
出勤前に私はとある写真を飾っていました。
実はそれは私たち兄妹の写真でした。
私には年の離れた兄が2人おり、この数ヶ月前に1番上の兄が病により他界してしまったのです。
どんなに落ち込んでも仕事に戻れば変わらない日常。
そんな中で実家に戻った際に持ち帰った、長男の結婚式で撮った3人兄妹の写真を飾った後の出来事だったのです。
兄との別れを忘れるためにガムシャラに働いていた時期でもありました。
なんとなくですが「いい加減に休めや。」という兄からのメッセージが込められている気がしています。
ちょっと手荒だな、とは思うけども。
自宅で一人だったら救急車を呼ぶことはなかったので、ある意味タイミングは見計らってくれたのかもしれません。
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そんなこんなで退院時に「全身麻酔をしているのであまり無理をしないように」という忠告を受けたものの、
復帰後も働き方は変えられず(むしろ過去イチの忙しさ)また体調を崩し、私は退職を決意したのでした。
この時ほど「自分の身は自分で守らなければならない」と思ったことはありません。
もしこれを読まれてる方の中に、「私、無理をしてるな」と思っている方がいれば、休む勇気を持てますように。
そして、どんなに履きやすくとも穴の空いた下着などがあれば、それはすぐに捨てることをおすすめします。
これが私の救急車で運ばれた体験から学んだことなのでした。(ふふふ)
本日もありがとうございました。
Hanaki.
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