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ニートを楽しむ日記 25日目 4/25火 - ニートの効用

蕪ちゃんが休みなので、二人でショッピングモールへ。電車で30分ぐらい。
かなりの大型で、普段こんな場所にはほとんど来ないので新鮮で楽しかった。しかしほとんどが服屋で、服にはそんなに興味がない私にとっては、服を買いに着たのではあるが、良いのか悪いのか食指はほとんど動かなかった。もっと雑貨とか家具とかの店があったら見ていたかもしれない。しかし、こんなに服屋が必要な理由がわからなかった。いくらなんでも多すぎだろ。

いろいろ見て回り、2万円のジャケットを買った。高かったが、いい物が見つかり良かった。4年は着たい。安いものを短いスパンで買い替えるより、高くても良い物を長く着たいと思っている。これは拘りとかというより、ただ買うのが面倒だからである。欲を言えば、一度買ったらずっとそれを着ていたい。なので良い物というのは、私にとっては壊れないものなんだと思う。2万円の服というのは、私にとっては非常に高価な部類で、今手持ちの服の中ではおそらく上から3番目じゃないだろうか。4年着ている冬コートがたしか2万5000、かれこれ10年は着ているレザージャケットは3万ぐらいだったと思う。このレザージャケットは大学の頃から持っているが、まだまだ現役で痛んでいる感じはあまりしない。10年も着ていることを考えたら、毎年5000円でアウターを買うより余程安い。そういう買い物がいい。
なぜ今回2万のジャケットを買ったかと言うと、GW中に蕪ちゃんのご両親と両家の顔合わせをするときに着ていくいい感じの服が必要だったからなので、必要経費とも言える。

ショッピングモールに行っておきながら、私の目当てのジャケット1着だけを探し、ドーナッツを食べて、たくさん歩いて駅まで帰ってきた。我々らしい。ドーナッツ屋にいた女子高校生二人組が、とても楽しそうにドーナッツを(一人6つずつぐらい)食べていて、なんだかとても微笑ましかった。高校生にとっては、このドーナッツショップで友達と話す時間はかけがえのない時間なんだろう。そんな高校生を眺める夫婦の側に自分たちがなっているのもおもしろい。

私が仕事を辞めて、平日出歩けるようになったので、二人で出かける機会が増えた。二人とも人混みが本当に嫌いなので、土日だと出かける気にならないが、平日は空いていてとてもいい。一緒に出かけるのが増えたのも、ニートになってよかったこと、ニートの効用の一つだ。しかも、普段一人の時間が十分にとれているので、蕪ちゃんが休みの時は蕪ちゃんにフォーカスできる。それを楽しめる。なので蕪ちゃんも楽しそう。それを見ると私も楽しいので、最高の連鎖である。ニートとはかくも素晴らしき哉。

夜、23:59までAmazonのGWセールということに気付き、テントを買いたくて色々調べたり比べたりした。
GW明けぐらいから旅をしてもいいかもと先日思いついてから、久々に『ウルトラライトハイキング』を読み返し、ウルトラライトのギアを揃えたいという欲が出てきた。まずはバックパックとテントと寝袋で3kgという目標に近づこうと思い、手持ちのバックパック(中南米を半年一緒に旅したやつ)を調べると、40Lで1.3kg。ウルトラライトではないが、十分ライトの部類。ウルトラライト級のバックパックは、1kgを切るものを言うらしい。
次に寝袋を調べると、これは0.6kgで、ウルトラライト仕様。よく見るとウルトラライトモデルと書いてあった。昔から軽い物を選んで買っていたらしい。夏用なので冬場は使えないし、山も厳しいと思うが、今のところ登山はそんなに考えていないので、これで十分だろう。この寝袋も、確か中南米に行くときにバックパックと一緒に買った物だったと思う。肘から手首ぐらいの縦幅に収まるコンパクトなものなので、国内を旅する時もリュックの下にいれてよく持って行っていた。あまりかさばらないので持って行きやすくてとてもよい。
ということで、バックパックと寝袋で1.9kg。1kg以内のテントが買えれば3kgに収まると思い調べてみると、0.9kの一人用テントがあったので結果的にそれを注文。1万2000円。フロアシートも買って、3000円。クーポンがあったのでそれを使い、あわせて1万4000円ぐらい。1万円台のテントなら、失敗してもそんなに辛くないし、レビューも悪くない。(焦って買ったことを後に後悔する)
これで3大アイテムで合計3kg。本当はここに、スリーピングマットも足すから、少し足が出るが、まぁ最初はこんなもんでよいかと。ハマりそうなら、1.3kgのバックパックをもっと軽いのに買い替えればよい。あとは調理器具とかだけど、これはもう少ししてから考えようと思う。

ウルトラライトハイキングの、身軽に歩こうとする精神、必要充分な物だけを考えて所有する思想、1つのものを多用途に使ったり、常識を疑って本当に必要か考え抜くところなどは、ミニマリスト的(当然だけど)で、自分の好みに合っている。むしろ、ミニマリストの思想は元々はこの世界発なんじゃないかとも思う。生活の中のミニマリズムは主義であり好みだが、旅やハイキングにおけるミニマリズムは実務的だ。自分の足でどこまでも歩くためにはどうすればいいかを考え抜いた末での合理的な方法論だ。今はやりのミニマリズムでは、所有する代わりに借りたり(季節家電のレンタルとか)、自分でする代わりにアウトソーシングしたり(外食生活にして調理器具持たないとか)、サブスクで実物を持たなくなったり(DVDは持たずにAmazonPrimeとか)、データ化したは実物いらないよねだったり(本は捨てて電子書籍とか)、どこか資本主義的というか、ネオリベラリズム的な要素が端々に見られて、そういうのは好きじゃないんだけど、ウルトラライトハイキングのミニマリズムは、「本当に必要な物だけを考え抜いて持つ」の1点なので、真のミニマリズムって感じがしてとてもよい。ただ物(質量をもった実体のある物)を少なくしたらミニマリズム、みたいな風潮があるけど、そうではなくて、欲自体をコントロールする、本当に必要な物だけを持つという。「テレビも電卓もノートもカメラも辞書も本棚も全部ケータイで済むから持ってません。」じゃなくて、「紙とペンがあれば他は生きる上では余計なんじゃないか?」って考えるみたいな感じ。

仕事を辞めてから、これで天井照明まわりとジャケットとテント、大きい買い物を3つした。大きいというのは1万円を超える買い物という定義。あまり買い物をしない私的には、十分大きい買い物だ。ジャケットは必要経費とも言えるが、他の2つ、照明器具とテントは完全に趣味の出費だ。仕事を辞めると、生活・インテリア系とか、趣味とか、今までしたかった・買いたかったけど時間がなくて買うに至らなかったものを手に入れるようになるんだなあ。収入ないのに。ニートの先輩である蕪ちゃんも、ニート時代にはファッション系や家具などをいろいろ買っていた。ニートは、自分が欲しい物=自分の欲=自分自身に向き合える気がする。これもニートの効用。

他に今欲しい物は、抽象表現主義のマーク・ロスコの絵、あとは育てている観葉植物がだいぶ大きくなってきたので植え替え用の鉢、ウルトラライトのバックパック・調理器具・スリーピングマット。こんなもんだろうか。
あ、あと自転車。蕪ちゃんが通勤で使いたいというので貸していたのだが、先日壊れてしまった。この自転車は、大学時代、蕪ちゃんと付き合い始めたときに、歩いて1時間ぐらいの距離にあった蕪ちゃんの一人暮らしの家と私の実家の間を行き来しやすいように購入したもので、かれこれ8年以上乗っていたことになる。壊してしまったと蕪ちゃんは非常に悲しんでいたが、十分長生きしたと思う。今住んでいる場所は駅から近いので、別に自転車がすぐにないと困るわけでは全くないが、蕪ちゃんとサイクリングしたりはしたいので、蕪ちゃんが購入するタイミングで一緒に買おうかなと思っている。蕪ちゃんは私以上に腰が重いので、いつになるかはわからない。他には、読みたい本はたくさんあるが、私の中では本は少し別分けなので、これはカウントしていない。通勤電車の時間がなくなったので、最近は本を読む時間が減っている。意識的に読む時間を設けないと、なかなか本が読めず積読が増えている。もう本棚に本を置く場所がなくなってきている。ちなみに本棚は一人暮らし時代にDIYしたもので、シンプル構造ながら可変性が高くサイズもジャストなのでとても気に入っている。これは、新しくちゃんとしたものを買いたいとは全く思わない。物を買うという行為がそんなに好きじゃないというか、嫌いではないが面倒だと思っている節がある。色々比べるのも面倒だし、買ってイマイチだったときのマイナスの感情も面倒。なので、できることなら作りたい、もしくは一度買ったら一生それを使えればいいと思っている。なのでいろいろ欲しいものがあって、そのために仕事している!という人を見ると、それでいいのか?という気持ちもありつつ、純粋に購買活動を楽しめる感性に一抹の羨ましさを感じなくもない。ただ、そういう欲求がないからこそ、買い物のお金を稼ぐために働くより、お金がなくても生活できる方法を考えた方がいいんじゃないか、という方向に舵を切れたのでいいのだが。

大きい買い物を2つしながら、自分に向き合う時間と他者と向き合う時間、両方を得られるニートの効用についても考えた1日だった。




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