発達障害と元恋人たち。

私は過去にADHDやASDといった

発達障害


を持つ相手と付き合ったことがある。

ADHDの彼は自己申告
ASDの彼については私がもがき苦しんだ末に気づいた
という2パターンだった。

そもそも彼らと付き合うまで
発達障害がこんなにも身近な存在だと解らなかった。

とても端的な言い方をすると
どちらも”脳の機能障害“によって引き起こされる障害だ。


【ADHD】は注意欠如・多動症と言い
物忘れやミスが多かったり、落ち着きがないといった特性が
世間一般的には良く知られている。

【ASD】はもっと複雑で
自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群と呼ばれ
人とのコミュニケーションが難しく
興味関心が偏るといった特性が特徴的だ。


一見どちらも誰にでもありそうな特徴だが
実際彼らと時間をともにすると、それはそれは大変だった。

さらに、それぞれの障害の特性に加え
二次障害としてうつ病や精神疾患を発症するのも特徴的で
現にADHDの彼はうつ病を発症していた。

気分の浮き沈みも激しく日々言ってることもコロコロ変わるため
パートナーとなる人(私)はその特性に疲れ切ってしまう。

ASDともなると
そもそもコミュニケーションや対人関係が構築できないので
なぜこうも意思疎通が困難なのか?
と毎日のように悩んでばかりだった。

ちなみにこのような発達障害
特にもASDのパートナーを持つ方が陥る状態を


カサンドラ症候群

という。

この言葉にたどり着くのもやっとだった。


さて、ここからが本題だ。

既に発達障害のパートナーである方たちは
日々の努力と理解に本当に頭が下がる。

と同時に
これからもしかしたら相手から申告されるかもしれない
もしくは未来のパートナーが

発達障害だったら?

その時は
決して“愛の力”で乗り越えられると安易に考えないで欲しい。

発達障害はそんなに簡単なものではない。

診断と治療が必要な脳機能障害であり
医療の力が必要であることを理解しなくてはいけない。

さらには先天性で遺伝率が頗る高いこと
まずはこれらの事実を自分自身が受け止めた上で

“この先どうするか?”

を考えるべきだと思っている。

現代では40人に1人がADHD、100人に1人がASDとされる。
また判断が難しいグレーゾーンと呼ばれる人は
なんと13人に1人と、そのような時代なのだ。

友人、恋人、上司や部下と
もしかしたら気づいてないだけで
発達障害を持つ人は身近にいるのかもしれない。

「彼(彼女)はいつも落ち着きがないな」
「彼(彼女)とはなぜか心の距離が縮まらない」

そんな何気ない日常の違和感が続くようなら
その気になる項目を書き留め

直接踏み込んだ話をしてみてもいいと思う。


私も当時付き合っていた彼から

「俺、人とは違うから」

とずっと言われていた。
考え方や価値観の違いだと思い私は何度も歩み寄ったが
彼は歩み寄るどころかどんどん離れて行った。

これがASDなのだ。

かと思えば
愛情表現はストレートすぎるぐらい直球だ。
私は彼のこの点が大好きだったが
相反して自分がどんどん衰弱していることにも気づいていた。

恐らくカサンドラ症候群になりかけていたのだと思う。
そんな私から伝えたいことは

“何より自分自身の心身の健康と安全を第一に考えて欲しい”

ということだ。

何度も言うが
発達障害は脳の障害だ。

先天性が強く治療も難しいし長期に渡る。


愛の力でどうにかなることではない。
しかも
結婚後に発覚する可能性も高いので
交際の時点で違和感を感じたなら一旦立ち止まって欲しい。

私も彼を理解したい助けたい支えになりたいと
関連書籍や文献を読み漁ったしそれなりに勉強もした。
パートナーとしてカウンセリングを受けたい!!
そう思ったこともあった。

しかし彼を理解することは不可能だったし
そもそも私がそういう努力をしたところで
相手にに伝わるかと言えば
伝わらないことのほうが圧倒的に多いのだ。

ただ一言にADHD、ASDと言えど
特性は千差万別であり、両方を持ち合わせてることも少なくない。


上手く言えないが
彼らと時間を共にして学んだことは

「理解はしてもいいが、理解はできない」

だと思っている。


ここでは
まだまだ書ききれない出来事も沢山あるが

ただ一つ
発達障害が身近にあること
また定型発達の私たちも彼らの存在を受け入れることが重要だと
これだけは強く言える。

このことは
どうしてもいつか文章で伝えたかったので
本記事に綴ることにした。

またいつか
この話題については触れたいと思っている。

Leon

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