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これは私的大渡海 日々のなかで見聞きした言葉が繰り返し思い出される時、それは既にわたし…

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これは私的大渡海 日々のなかで見聞きした言葉が繰り返し思い出される時、それは既にわたしを捉えているでしょう ラッキーカラーは透明 ラッキーナンバーはiでしょう https://sk3zgf31.wixsite.com/miandcan

マガジン

  • 旅と音楽

    これは私が留学していた時の、所々で覚えているつもりの記憶と、その頃聴いていたグッドミュージックを意味なく広大なネットの海に放つ試みです。 週1更新、全12エピソード予定。 https://anchor.fm/musicandjourney

  • 日歌

    日々の短歌をまとめました。

  • 編歌 2023

    2023年に詠んだなかから10の歌を編みました。

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Something Best in 2023

歳の瀬、会う人会う人のベストバイを聞いている。 久しぶりの人でもよく会う人でも、その人の1年の、印象深いいくつかの出来事が垣間見えてたのしい。嬉しい。 私のベストバイは 1. Louis PoulsenのPH5 mini 2. DENONのヘッドホン 3. Barbourのビデイルジャケット です。 あなたのベストバイはなんですか。 さて本題。 今年も沢山のグッドミュージックに出会えた。 悲しみの淵に尚 そこにある音楽がどれだけ心強かったか。 人の手の軌跡を何度もなぞ

    • #12 その地に足をつけるために

      私は1つのところに長く留まるのが苦手だ。 飽き性なので、すぐ新しい酸素がほしくなってしまう。 学生時代のアルバイトは半年から1年程で辞めていたし、 引越しもよくしている方だと思う。 何かを極めることもなく、そのくせ居場所を求めてふらふらしている。 そういう甲斐性のない私が どうして留学に行ったかというと、 大学院にいるのが息苦しくて、あと自分が社会に出ても何の役にも立たなさそうで、 新しい街で、透明になりたかった。 この時の透明というのは、街に溶け込み日常を暮らすという意味

      • #11 記号が意味を帯びる話

        前の話でフランス語しか話せないおじさんと拙いやりとりをしたと言ったけれど、 その国の言葉が分かるようになっていくのは 楽しくて嬉しいという話をする。 少しでいいから、コミュニケーションをしたいという姿勢を見せるのが その町で過ごしやすくなるための近道だ。 こんにちは、ありがとう、またねくらいは、 便利なスマートフォンというものがあるのだから、簡単に分かるはず。 または、友だちに教えてもらえばよい。 フランスの駅で電車を待っていて、かつ腹ぺこだった時、 構内でPAULを見つ

        • #10 フィルミニでミディ(しなかった)話

          フランス、リヨンから電車で小1時間。 フィルミニという町に、建築界の巨匠コルビジェ(Le Corbusier)が設計した文化センターと教会がある。 見に行きたいが、駅から20分ほど歩く必要がある。 辿り着けるだろうか? そこに電波は届くのだろうか。 心配していたけれど、駅に着くと目印があった。 コンポジションされた赤と黄と緑と青の線が一筋、道にプリントされてずっと続いている。 建築学生ならお分かりだろうか、これはコルビジェの色。 これを辿れば絶対の絶対に、文化センターまで

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        Something Best in 2023

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        • 旅と音楽
          12本
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          23本
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          10本

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          窓際に座り仰げば風が吹く 洗いざらしの服の柔さよ

          窓際に座り仰げば風が吹く 洗いざらしの服の柔さよ

          #9 オーフスの図書館にある天国の話

          ドイツの北方ハンブルグから夜、列車でデンマークのオーフスまで向かう。 着いたのは朝。 目当てのArne Jacobsenが設計した市庁舎が開くまでの間、散歩することにした。 海の方へ向かって歩いていくと、4階建てくらいの大きい建物に辿り着いた。 現代的な渦巻きのような形をしている。 双子用ベビーカーを押す若い男の人とすれ違う。 そこは図書館らしく、誰でも入れるみたいだったので入ってみる。 平日の午前中だからか人があまりいない。 天井の高い大空間に本棚や机、椅子が配置され小

          #9 オーフスの図書館にある天国の話

          #8 ポルトガルの修道院ホテルの話

          好きな建築家はソウト・デ・モウラ(Eduardo Souto de Moura) 。 人と自然のスケールの両方に寄り添い、無理をしない。 その切実な空間が好き。 構図がいつも素敵だ。 ほぼ同じ理由で彼の師匠のシザ(Álvaro Siza)も好きだけど、なぜかソウトデモウラの方が好き。 なぜかは分からない。 シザの方がミニマルな気がする。 2人の故郷ポルトガルで、これまたどうしても見たい建築があった。 中心都市ポルトから電車で1時間弱のブラガ、 から更にバスで1時間程のサ

          #8 ポルトガルの修道院ホテルの話

          #7 フリムスにある楕円の橋の話

          好きな橋はありますか? 私には、留学に行く前から、 絶対に自分の目で見るのだと心に決めていた橋があった。 それを建築をテーマにした映像が紹介されているサイトで見かけた。 設計者はスイスの構造家、Jürg Conzett。 彼はスイスのフリムスという地域にある山の中に7つの橋を設計した。 その1つ。 可愛らしい形の橋が大自然にぽつんといる姿を想像して、 これは見たいと思ったのだった。 実はフリムスには3回ほど行く機会があったのに、 2回は辿り着けなかった。 その過程で他の

          #7 フリムスにある楕円の橋の話

          公園のベンチににげる昼休み 馴染みの雀を眺める休み

          公園のベンチににげる昼休み 馴染みの雀を眺める休み

          渋谷駅 大人になるということは 行き交う顔に 面影みること

          渋谷駅 大人になるということは 行き交う顔に 面影みること

          オーディオの外してなかった保護フィルム剥がして最初の指紋をつける

          オーディオの外してなかった保護フィルム剥がして最初の指紋をつける

          口角をわらう重力増す日々の輝きに心侵されていく

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          #6 ベルリンで踏んだ叫びを忘れない話

          ベルリンで出会った人は心なしか皆あまり愛想がよくなかったが、 スイスで友だちになったドイツ出身の彼は陽気でおちゃめな人だったので、 多分思い過ごしだ。 ベルリンはおしゃれシティだけど、きちんと歴史が都市に刻み込まれている。 今回の旅の目的はホロコーストの歴史を伝えるベルリン・ユダヤ博物館だった。 ポーランド系アメリカ人のDaniel Libeskindが設計したその博物館には、 顔を模した無数の丸い鉄板が敷き詰められている場所がある。 そこを通らないと移動できない。 つま

          #6 ベルリンで踏んだ叫びを忘れない話

          私が歌っていたのも、文章を書くのも、話すのも、写真を撮るのも全部、ぜんぶ生きたいからだ。どうしても生きないといけないのなら、生きるためにやっている

          私が歌っていたのも、文章を書くのも、話すのも、写真を撮るのも全部、ぜんぶ生きたいからだ。どうしても生きないといけないのなら、生きるためにやっている

          自転車で野球少年駆け抜ける 日に焼けた風が 夏連れてくる

          自転車で野球少年駆け抜ける 日に焼けた風が 夏連れてくる

          照らされて洗濯物が落とす影 八百屋の顔も季節の変わりめ

          照らされて洗濯物が落とす影 八百屋の顔も季節の変わりめ