潜水

夢であれば
せめて
目覚めの悪さくらいで
諦めもついたのか
.
遠ざかる光まで
追いかけようとは
思えない
.
いつになく
深く潜る
もうこのまま
止まった息の中で
叫ぶ声
響くこともなく
泡になって飛んでゆく
割れる頃には
もうきっと
そこに居なくたって
.
.
夢があれば
たぶん
見た目の悪さくらいで
淋しさも尽きたのか
.
暮れなずむ涙まで
掴まえようとは
思わない
.
それとなく
長く黙る
まだこのまま
曇った部屋の中で
睨む窓
笑うこともなく
塵に混ざり舞っている
帰る頃には
もうちょっと
そこに居たくなった
.
.
それが最後と
知っていたくせに
ああ
.
いつになく
深く潜る
もうこのまま
止まった息の中で
叫ぶ声
響くこともなく
泡になって飛んでゆく
割れる頃には
もうきっと
そこに居なくたって
.
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雨を読む。