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無口な歌詞

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あの日から、やめられない作詞。 歌い出してくれたら嬉しいのに。
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うるさい瞳

うるさい瞳

涙を見て
同じように
溢れてくるのならば
それはどうして
.
考えなくても
もういいくらいに
二つは近い
.
一緒に行けたら
そう何度
願ったことか
空の青さの変わらないこと
たったそれだけなのに
思い出してしまう
これ見よがしに
黙ったまま
うるさい瞳で何を乞う
.
.
涙が出て
同じように
沈んでゆくのならば
それはどうして
.
考えたくても
尽きないくらいに
一つが深い
.
遠くへ行けたら

もっとみる
見る影もない

見る影もない

正しくない
そうなれない
忘れられた途端に
輝かん
.
弾ける声
聴き逃すまいと
追いかける
.
背中には刺さらない
その刃に限って
奪い取れない
大事なものは一体何か
ここに来て
知る羽目になるの
痛いだけ
そんな愛など
強いてくれるな
.
.
優しくない
そうできない
信じられる程度に
傾かん
.
砕ける音
繰り返すまいと
立ち止まる
.
いつまでも遺らない
その形を保って
思い出せない
迂闊

もっとみる
ちょうどいい

ちょうどいい

長かった
一日の終わりのような
深い溜め息を
味わいながら落とす
.
幸せにしては
少し重たく
浮かんだりはしなくても
.
相応の思い遣りは
双方の思い違いから
生まれた途端
絡まったり
混ざって滲んで
ちょうどいい加減を知る
肩まで浸かった湯船の中で
ふとそんなことを
思い出す
.
.
好きだった
憧れのつもりのような
甘い眼差しを
確かめながら向ける
.
優しさにしては
どこか鋭く
刺さったり

もっとみる
となり

となり

半分しか見えない
肩の向こうで
沈む夕陽に
正しく微笑みたかった
.
季節は滲んで
境目を曖昧にする
いつまでも
.
誰かのことを
忘れてしまうなんて
淋し過ぎて
挫けそうになる
ひと握り
掴んだ砂のように
ふとした時に
ポケットから出てきては
また僕をからかってよ
.
.
簡単には消えない
熱の終わりに
落ちる泪を
優しく取り留めたかった
.
希望は黙って
憧れを膨張させる
いつの間に
.
何か

もっとみる
地層

地層

これっぽっち
世界は狭い
振り返ったらまた
同じ街
.
足跡の上に足跡
消える間も無くすぐ
沈む記憶
.
折り重なったり
ある時は
積み重なって
歩くための道は延びる
その一歩が
いつかの運命へと
どう転がってか
向かうこともあるんだな
.
.
ひとりぽっち
水面は深い
透き通ったらまた
写る星
.
輝きの傍に輝き
絶える間も無くすぐ
滑る予感
.
踏みとどまったり
ある時は
踏みそこなって
歩く

もっとみる
複合的な嘘

複合的な嘘

何かじゃなくても
伝えられるけれども
やっぱり
これじゃなきゃ
そう思うに至ったサムシング
.
通り雨
傘を捜している間に
虹が出たって気づけない
.
行けばいい
理由は要らない
そもそも
相応しい答えなんて
きっとありもしないから
目が向いてしまったのならば
迷うことも忘れて
まずはその方へ
体を向ける
それから
.
.
誰かじゃなくても
信じられるけれども
はっきり
これじゃなきゃ
そう言うし

もっとみる
walk

walk

愛に苦しく
泣かせてくる
迫る夜
駆け抜けて遠く
.
見つめているだけでも
胃がもたれるような
気になって
.
知っているからって
それはそれで
どうもこうもない
夢でしたと
ふと幕が下りたところで
変わらないもの
瞬きに罪はないこと
それだって
いつか
.
.
常に乏しく
抱かせている
黙る街
振り向いて笑う
.
捜している中でも
腑に落ちないような
気をつけて
.
間違えたからって
それはそれ

もっとみる
君が雨上がりの時には

君が雨上がりの時には

言葉を尽くしても
変わらない
だからといって
黙ってもいられない
.
星の頃
数多の中から
見つけたい
.
莫迦莫迦しいはず
それでも
君が雨上がりの時には
傘ではなくて
隣りに居たかった
雨宿りかな
一人で行くより
一緒に待ちたかった
信じていると
信じてほしくて
.
.
言葉を失くしても
止まらない
だからといって
笑ってもいられない
.
星の影
誰かのことまで
願いたい
.
恭しいはず
それ

もっとみる
遠吠え

遠吠え

追いかけたい訳ではない
かと言って
知らないふりもしたくはない
だからってね
.
捨て台詞にしては
気障だったかな
今さら
.
後悔したって
泣いたりはしない
落ち着いた頃に
見上げた静かな空へと
独り吠える
響かない
僕の淋しさを
食べてくれたらしい
また
.
.
逃げ出したい訳ではない
かと言って
勝てないふりもしたくはない
だからってね
.
勘違いにしては
雑だったかな
尚さら
.
降参した

もっとみる
絶対

絶対

何度も書き直していたら
破れてしまった
自由帳の1ページを
くしゃくしゃに丸めて投げた
.
描いた放物線
予測した落下地点から
大きく外れても
.
関係ない
全く問題ない
世界が終わる訳でもない
4コマにも満たない
かりそめの序破急
隙間風に乗って
転がれば
また違った結末を招く
やっぱりさ
決められるはずがなかった
.
.
独りで書き続けていたら
見つけてしまった
覚え書きの青写真を
ぐちゃぐち

もっとみる
瞬き

瞬き

消えたりしない
そう思っているから
美しいなんて
感じてしまったのかな
.
何度目かの
その瞬きの間に
幾つかは
.
どれだけ見つめていても
どれだけ願っていても
輝きの隙間に
確かに存在する
まっくらな世界のことだって
忘れてはならない
絶えず光る
然れどその全てまで
掴まえることは
きっとできないからこそ
.
.
止めたりしない
そう判っているから
頼もしいなんて
信じてしまったのかな
.

もっとみる
ひび

ひび

少しの頭痛で
泣いてしまった
いつだって
誰も居ないところで
.
一人分
広げた沈黙は
うるさい
.
そろそろだろう
知っている
だから
もう何も言わないで
並んだ影の中から
ちゃんと選ぶ
きっと帰る
ほっとできる瞬間のための
あたたかい場所
.
.
些細な言葉に
折れてしまった
どれだって
何でもないところで
.
一度きり
壊れた半分は
重たい
.
そもそもだろう
待っている
だから
もう他に足

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ノクターン

ノクターン

忘れられるのならば
そんな奇跡でも
縋りたくなるのだろうか
たった一度の夢で
.
夜明けの短さ
足を止め
吸い込んで冷ます熱
.
潔く散った
花は美しかった
示し合わせたかのような
群像が眩しかった
約束もせずに
どうやって
そう訊く人もなくて
声は濡れたまま
同じアスファルトの上へと
堕ちて転がる
.
.
演じられるのならば
どんな悲劇でも
信じたくなるのだろうか
やっと独りの筈が
.
終わりの

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ラスタ

ラスタ

ありきたりでいいから
そのありのままを
見せてくれないかな
たった一度でも
.
どう転ぼうが
擦り剥いた傷くらいならば
ちゃんと治ってしまう
.
生まれた通りの姿形
似合わなくても
関係ない
羞恥心だけは
否めないけれども
思い出せば
ここから
それから
染みては広がる
.
.
ありきたりでいいから
またありがとうと
言わせてほしいんだ
たった一つでも
.
どう進もうが
うつむいた顔くらいならば

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