渡航準備〜ビザ取得など〜【西アフリカ⓪】
2024年4月に15泊16日でセネガル・コートジボワール・ガーナ・トーゴ・ベナンの西アフリカ5カ国を周遊した。その際の旅程組みの詳細や、ビザ取得といった渡航準備などについて解説する。
ほとんどの西アフリカ諸国ではビザ発行が必須であり、不安定な治安状況に対して観光スポットが少ないからか渡航者が少ない。そのため、インターネット上のかなり限られた情報量で旅行せざるを得なかった。
そんな渡航ハードルの高い西アフリカを回りたいという方にこの記事が届き、役立ててもらうことを祈る。
旅行ルートの選定
僕は旅行ルートを決めるにあたって、「治安レベルが1以下の国」、「ビザの取得が比較的簡単な国」、「国境はなるべく陸路で越える」といった条件をもとにした。
治安レベル
一つ目の条件である「治安レベルが1以下の国」に関しては、外務省による海外安全情報のHPを参照した。
西アフリカの治安状況はご覧の通り非常に不安定である。
マリやニジェール、ブルキナファソ、ナイジェリアといった国々では、イスラム過激派であるボコ・ハラムが幅を利かせており、外務省からは渡航中止勧告が出されている。これらの国々も魅力的な世界遺産を有しており、治安が不安定化する以前は観光客を受け入れていたそうだから残念なことだ。特にマリの泥のモスクにはいつか訪れたい。
一方で、レベル1(黄色)の地域は比較的安定しており、スリや強盗といった犯罪には注意するべきものの、テロや誘拐といった重大犯罪に会う可能性は低いようだ。
ビザについて
日本の世界最強のパスポートを持ってしても、西アフリカ諸国にビザフリーで入国できることは殆どない。厄介なことに、観光地として人気な東アフリカや南部アフリカ諸国の多くがアライバルビザやe-visaを発行しているのに対して、西アフリカでは大使館でしかビザを発行しない国が多い。
2024年4月時点では、ビザ不要の国がセネガルのみ、アライバルビザもしくはe-visaを発行する国がモーリタニア、シエラレオネ、コートジボワール(空路入国の場合のみ)、トーゴ、ベナンとなっている。(必ず公式の情報を確認してください)
以上の情報をもとに選定した旅行ルートは以下の通りだ。
1カ国目はビザ無しで入国できるセネガルだ。首都のダカールに3泊した後、空港からであればe-visaで入国できるコートジボワールへ飛ぶ。首都のアビジャンに3泊し、ガーナのケープコーストで2泊、アクラで2泊、トーゴのロメで2泊、ベナンのコトヌーで3泊と、現地のバスを使って陸路で進んでいく。
このルートであれば、治安レベルが2以上の地域に足を踏み入れる必要がなく、ガーナ以外の国ではe-visaを取得することができる。また、コートジボワール〜コトヌーでは都市間の距離が近く、比較的無理する事なく国家間を移動することができる。
ビザの取得
ビザの取得は複雑で面倒だが非常に重要だ。そこでしくじれば入国することさえできない。それぞれの国のビザ取得方法について説明する。
セネガル
セネガルにはビザ無しで90日間まで滞在できる。
コートジボワール
コートジボワールへはe-visaで入国することができる。下記のサイトから申請しよう。ただし、空港から入国する場合に限るので注意。
厄介なのが、このビザを申請するためには「往復の航空券」が必要なのだ。私は、申請当時まだ航空券を購入していなかったし、出国は陸路なので帰りの航空券はそもそも用意できない。
そこで用意したのがダミーチケットである。すなわち、偽物の存在しないチケットを使ってビザを申請したのだ。ダミーチケットを用意する業者はいくつか存在するようだが、私はTop Onward Ticketというサイトを使った。氏名と日にち、出発地点と到着地点を入力し16ドルを支払えば、本物そっくりのダミーチケットを作ってくれる。初めは半信半疑で金をドブに捨てるつもりで購入したが、無事ビザを取得することができた。ただし、この方法はゴリゴリの不正なので、あくまで自己責任でお願いします!
ホテルの予約データの提出も求められるが、Booking.comでキャンセル無料の宿を予約して、申請後にキャンセルしてしまえば後でゆっくり宿を選ぶことができる。
申請が無事通れば、このような紙をダウンロードできる。
厳密にはこれ自体はビザではなく、これを空港のビザ発行コーナーで提示することで本物のビザをパスポートに貼ってもらえる。忘れずに印刷して持っていこう。
ガーナ
最も取得に苦労したのがガーナのビザだ。ガーナ大使館にパスポートを提出しなければならないのだ。僕はドイツに住んでいるため、ベルリンのガーナ大使館にパスポートを書留で送ったのだが、送付した後にガーナ大使館への恐ろしい口コミを目にしてしまった。実際、大使館への問い合わせは全て無視されたため、本来郵送でパスポートを受け取るはずが、わざわざベルリンまで出向いて取りに行った。
日本でのビザ申請は、以下のサイトが参考になりそうだ。在独ガーナ大使館よりは遥かにいい仕事をしていそうなのでご安心を!
トーゴ
トーゴのe-visa申請は以下のサイトで行う。以前はボーダーで簡単にアライバルビザを発行できたようだが、現在はアライバルビザを一切発行していない。航空券の提出を求められるが、僕は代わりに手書きの旅行計画書を提出し、問題なく申請できた。トーゴの申請サイトは頻繁に不具合を起こすので注意。
ベナン
ベナンのビザ申請は非常に簡単だ。必要な情報を入力し申請すれば、1秒で発行してくれる。
その他の準備
黄熱病ワクチン
西アフリカ諸国を旅行するためには黄熱病ワクチンの接種が必須だ。ワクチンは接種後10日後から有効となるため、早めに打っておこう。
マラリア対策
西アフリカではマラリアの感染リスクが存在する。僕自身は虫除けスプレーも持っていくのにとどまったが、心配であればマラリア予防薬を服用するのも手だろう。
スリ・ひったくり対策
市場などの人が多くあつまる場所ではスリが横行しているようだ。パスポート、財布、スマホは決してポケットやバックパックには入れず、前掛けのショルダーバッグなどで管理しよう。また、基本的に外で堂々とスマホを触ることはお勧めしないが、使わざるを得ないときはストラップを手首にかけることをお勧めする。
荷物
アフリカでの陸路での旅行では、スーツケースはもちろん大きなバックパックを持っていくのもお勧めしない。人がギチギチに詰め込まれたバス車内で、膝上で荷物を抱えていなければいけないことも多いのだ。
僕の場合は、20LのバックパックにTシャツ5枚とその他衣服のみを入れて持っていき、服は手洗いでローテーションを回した。
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