麻雀業界の炎上と新人プロに気をつけてほしいこと

※このnoteは厚谷個人で書いております。
質問や文句は厚谷に直接お願いします。
文中の内容を削除・変更いたしました。

おはようございます。
先日、他団体の麻雀プロとマーダーミステリーをしていたところ、「厚谷さんって連盟の異端ですよね」と言われました。自覚はあります。
最近は連盟員と遊ぶことがほぼ無く、他団体の方とばかり遊んでいます。
呼ばれたら大体参加するのに連盟員からは呼ばれません。悲しい。


冗談(ではない)はさておき今回の本題に入ります。
2月26日(日)に日本プロ麻雀連盟の29歳以下のみが参加できるタイトル、「若獅子戦」「桜蕾戦」の予選が行われました(若獅子戦は前日の25日からの二日間)。麻雀団体のタイトル戦としてはかなり珍しい、「推薦枠」が存在するタイトルです。
詳細な説明は省きますが、「若獅子戦」は予選上位12名+推薦枠4名、「桜蕾戦」は予選上位14名+推薦枠2名でベスト16以降の対局を行います(ベスト16以降は連盟チャンネルでの放送対局)。

で、今回騒がしくなったというか炎上してしまったのが、「推薦枠の人選」「Twitterでの発信」です。
最近はTwitterが盛り上がるたびにnoteを書きたくなってしまう病気になってまして、今回も勝手に書き始めてしまいました。もちろん、調べられることは調べた上での発信ですが。

★贔屓の推薦枠なのか

上記のように「若獅子戦」と「桜蕾戦」には推薦枠があるわけですが、今回この桜蕾戦の推薦枠に元乃木坂46の中田花奈プロが選ばれたことで、一部のTwitter民が騒がしくなりました(個人名を挙げて申し訳ありません)。「贔屓で選ばれている」「納得いかない」などのリプライ・引用リツイートが目に付きます。
何を根拠にその意見を投げつけているのか疑問です。

確かに中田さんの予選のスコアは大きくマイナスしており、5回戦に進むことなく敗退となっています。
ですが、内容が完璧でもボロ負けすることなど4半荘程度の麻雀では日常茶飯事です。スコアで文句を言っている方々は麻雀歴がとても浅い方ばかりなのでしょうか。

中田さんがデビューしたてで対局した第1期の桜蕾戦や、「RTD Girls Tournament 2021」では、僕レベルの目から見てもまだまだ未熟と言って差し支えありませんでした。
でもこれ2年前ですよ?
この頃を基準に文句言ってるならさすがに馬鹿にし過ぎです。
2年で成長していないはずがないじゃないですか

現在のレベルを一番よく理解しているのは、予選会場で直接後ろから見ていた審査員の方々です。麻雀を見てすらいない人間に、今の時点で文句を言う権利はありません。

甲子園に出場できなかった選手がドラフト1位指名されたら文句を言うのでしょうか?多分言いませんよね。
あなたが見ていないだけでちゃんと評価する人間は存在します。

そもそも推薦した時点で放送対局への進出が決定し、多くの視聴者に麻雀を見られます。ここで未熟な麻雀を打たれたら推薦者もろともで炎上します。推薦した人もされた人も全くいいことがありません。相当な覚悟を持って推薦するのは当たり前じゃないですか。

さらに言えば、「贔屓」とか「エンタメ」とかで推薦するのならば、「推薦されるのは一人一回だけ」のルールがある以上、ラストチャンスのために残しておいた方がいいとは思いませんか?

中田さんは1994年8月6日生まれであり、システムが変わったり都合で参加できなくなったりということがなければ、今回+2回の出場権が残っています。
1度きりの推薦枠を使うのならば、今よりも上達しているだろう次回・次々回の時に使う方が、本人のためになり視聴者を稼ぐためにもなります。
にもかかわらず今回推薦されたということは、贔屓目で選んでいないことの証明の一端になるかと思います。

万が一、本当に万が一で「一人一回」のルールが曲げられて再度推薦された場合は、思う存分気が済むまで炎上させてください。たぶん僕も一緒に燃やします。

★SNSの使い方

今回の「桜蕾戦」で炎上していた二つ目の内容が、「Twitterでの発信」になります。直接の内容については、その場にいた立会人と同じレベルで把握していますが、僕はこれ以上言及するつもりはありません。
伝えたかったことはある程度伝わっているようですし。

このようなSNSでの件があるたびに話題になるのが、「麻雀プロの言論統制」についてです。
理事でもなければ運営にもかかわっていないヒラの連盟員である僕の意見ですが、「ある程度の制限は当然」と思っています。

偉そうに意見を述べていますが、僕自身何度かTwitterの発信で注意を受けています。リーグ戦でモヤっとしたことなどをすぐに書いてしまうことが多々あります。所作とか発声とかめちゃくちゃ気になっちゃうんですわ。

僕自身も常々反省していることなのですが、書いたところで別に得になることがないんですよね。麻雀プロ全体の評価を下げるとか、ただただいいねの数が欲しいとかの目的があれば別なんですけど。
酒の席での愚痴にした方がよほどストレスの解消になると思います。

また、この話題になると必ず出てくるのが、「団体にお金を払って所属しているのだから、プロは客であり何をしても自由だ」という意見です。

「お金を払って所属している」のは紛れもない事実ですし、「何をしても自由」というのも否定しません。
しかしながら麻雀プロには個人事業主である方が多く、自分自身が商品の人気商売をやっているのと同義です。麻雀プロ全体の評価を下げることは、自分自身の商品価値を下げていることに他なりません。自分以外の商品の価値を落としたところで自分の価値が上がるわけでもないです。

団体としても考え方は一緒で、今後価値が上がっていくであろう商品同士がぶつかり合って壊れていくのを見過ごせるはずはありません。
未熟な商品が並んでいたとしてもすぐに廃棄することはしません。
磨くなり、削るなり、加工するなりして商品の価値を少しずつでも上げていきます。
それがダイヤの原石かもしれませんから。
その原石を見つけるためのタイトルが「若獅子戦」と「桜蕾戦」です。

え、僕ですか?
変な感じに加工しすぎて歪な形になってます。もう手遅れですわ。

繰り返しになりますが、Twitterで愚痴を流すのは別にダメなことではないです。本来、Twitterはそういうものですし。
ただ、麻雀プロとして続けていきたい場合、得は別に無いのでやめた方がいいよ、というだけのことです。
それでも「どうしても本アカでTwitterに書きたい!」という時には、Twitterには「サークル機能」という非常に便利な機能があります。ぜひ使いましょう。僕は結構な頻度で使っています。

★麻雀プロのあるべき姿

麻雀プロとして中途半端な僕がこんなことを書くのはおかしすぎるかもしれませんが、新しく団体に所属する新人プロが増える時期なので、気をつけた方がいいと思っていることを3つ述べていきたいと思います。

●点数計算は完璧に

プロテストに合格していても、点数計算がイマイチできていない人もいるのが悲しい現実です。正直なところ合格させちゃうのも問題だとは思いますが、僕は合格者を判定する立場にないので基準についてこれ以上は踏み込みません。

キリンジゲート 1巻

こちらの漫画は、ご存じウヒョ助/塚脇永久先生の「キリンジゲート」です(著作権的なアレがあるので表紙だけ)。

シリーズの旧主人公である桐谷の「チートイツより先に点数覚えちゃう初心者なんていない!」というセリフに対し、キリンジゲートの主人公、杏ちゃんは「それ(点数計算)が最優先だからよ。百点でも点棒が多ければ勝ちのゲームよ」と返しています。点数計算が完璧ではない麻雀プロ全員に音読してほしいです。

「ランナーが二人いる状態でホームランを打って何点入るかわからないプロ野球選手」や、「タッチダウン後にTFPでキックを決めた場合に何点入るかわからないNFL選手」は絶対と言い切れるレベルで存在しません。極端な例ですが、点数計算ができていない麻雀プロはこの次元です。

僕もドラの数え間違いなどで稀に申告を間違えますが、ものすごく頻繁に間違えるプロもいます。
僕が「若獅子戦」に出場した時も何度か他家の申告を修正していますし、親がツモ平和ドラドラを和了して3900オールと申告、両脇が一切疑わずにそのまま払っていた時はマスクに隠れた口が塞がりませんでした。

誤申告は修正するのが基本なので、点数を過少申告されたとしても正確に計算できる人が一人でもいれば正しい点数に修正されます。
ですが普段計算の正しい人が稀に過少申告した場合、誰にも修正されずにスルーされる可能性があります。
過少申告するのが一番悪いのは間違いないですが、ちゃんとできる(できてないけど)人だけ損をするみたいな状態になります(修正されないなら過大申告したらいいじゃんというのは無しで)。

点数を競うゲームなので、点数計算は真っ先に完璧にしてほしいところです。

●無駄な所作をせず、発声ははっきりと

プロ同士の対局で時間制限がある場合でも、ものすごく無駄な時間を使っている人が時々います。
立直をしているのに時間をかけて摸打をしたり、完全理牌をしてから第一打を打ったり、手番で考えるたびに腕組みをしたりと色々います。

時間制限がなければさほど被害はありませんが、時間制限があると害悪でしかありません。勝ってる人間がやるとなおさらです。

僕の所作は綺麗なわけではありませんが、スピードの意識は常に持っています。可能な限りオーラスまで回しましょう。

また、発声がほとんど聞こえない人や、打牌後のリーチ発声をする人なども散見されます。気にしない人も多いですが、明確にルール違反です。
麻雀で発声は重要なのですが、発声をきちんとする人としない人が同卓した場合、発声をしない人の方が有利になることが多いです。発声しないので誤発声が無くなります。

僕の性格によるものですが、ルールを真面目に守っている人間が損をする環境が大嫌いです。すぐに直せることなので、打牌や副露よりも先にはっきりと発声するようにしましょう。

●麻雀用語は正確に

Twitterやnoteを読んでいると、時々正しくない麻雀用語が書かれている場合があります。僕はものすごく気になります。

×面前 ○門前
×上がり ○和了り
×間張 ○嵌張
などなど。

プロを名乗って麻雀用語を書く以上は、正しい漢字を使って間違った知識を広めないように気を付けましょう。

欲を言えば手書きでも正しく書けるといいです。
海底撈月とかサラっと書けるとかっこいいです。あ、そんなことないですか。失礼しました。

僕は麻雀が達者というわけではありませんが、麻雀についての知識は積極的に吸収するようにしています。
麻雀の歴史、特殊なルール、古役などなど、聞かれても大抵のことは答えられるようにしています。僕が持つプロとしての一つの武器です。


今回のnoteは以上です。
まただらだらと感情のままに書き散らしてしまいました。
最初に公開したものも調べられる限りの内容で書いていたのですが、そのまま公開するのが難しく、一部変更しての公開になりました。
単純な話、そこそこ時間をかけて書いたので消すのはもったいなかったです。

麻雀の力量はプロテストに合格してからいくらでも上達できる環境があるけど、プロになった後に点数計算とか基本的なことを勉強する機会はほとんどないです。というか恥ずかしいです。
なので最低限出来なきゃいけないことはプロテストを受ける前に身につけておきましょう。

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