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【PIT】Paul SkenesがMLBデビューへ【🔰】

現地5月8日の試合終了後、Pittsburgh Pirates(PIT)はMLB公式ランキングで全体3位のトッププロスペクト・Paul Skenes(ポール・スキーンズ)を5月11日にMLBデビューさせる事を発表しました。

SkenesはUSAFA(空軍士官学校)で大学2年時まで二刀流として活躍した後、LSU(ルイジアナ州立大)へ転校した3年時から投手に専念。WSHから全体2位指名されたDylan Crewsと共にカレッジワールドシリーズ優勝へと導き、2023年ドラフトで全体1位指名された逸材です。

同じく1巡目指名されたNolan Schanuel(LAA)とWyatt Langford(TEX)が既にMLBの舞台に到達していますが、投手では同期一番乗りとなります。

ちなみに、1989年ドラフトでBALに指名されてそのシーズンにMLBで登板した(Skenesの大先輩である)LSU出身のBen McDonald以降だと、全体1位選手としては最速デビューになるそうです。



Skenesは平均99.9mph(160.8キロ)のフォーシーム、平均86.4mph(139.0キロ)のスライダー、平均94.7mph(152.4キロ)のスプリンカーという3球種を軸に、チェンジアップカーブも投げられます。

※スプリンカーとはMINのクローザーであるJhoan Duran(ヨアン・デュラン)が投げる、シンカーとスプリットの中間球

6'6"/235lbs(198cm/106kg)と故障に強そうな立派な体格で、制球も破綻することなくゾーン付近に投げ込む事が出来る、一言で表現するのなら「大エースになるのが約束された投手」です。

今季はここまで3A級で7登板/27.1回を投げて防御率 0.99/FIP 1.69を記録。被安打は17本しか許さずに45個の三振を奪っており、まるで初回からずっと支配的なクローザーが投げ続けている様なもの。

今季のPITといえば開幕ローテ入りしたルーキーのJared Jones(ジャレッド・ジョーンズ)が素晴らしい投球を続けているものの、それすらも遥かに上回る期待をされているのがこのSkenesなのです。



これによってPITのローテは昨季球宴に初選出されて2月に5年契約を結んだエースのMitch Keller(ミッチ・ケラー)、トッププロスペクトコンビのJared Jones&Paul Skenes、今季加入したベテラン左腕コンビのMartin Perez(マーティン・ペレス)&Marco Gonzales(マルコ・ゴンザレス)のコンビという形に。贔屓目を抜きにしても相当魅力的な陣容になりました。

※Gonzalesが現在離脱中なので同じ左腕のBailey Falterが代役を務めています。

今季のPITは開幕5カードで11勝5敗(勝率.688)と見事なスタートダッシュを決めたものの、その後の7カードで6勝16敗と大失速中。ただ、同地区の4チームも足踏みしているので首位から5.5ゲーム差の3位で踏み止まっている状況です。

その大失速の主たる要因は点の取れない打線なので、Skenesがローテに加わる事で問題が解決する訳ではありません。彼の加入でチームの雰囲気が変わる…つまりはチームケミストリーが起こる事を期待しているのでしょう。

開幕して1カ月半足らずで神頼みならぬSkenes頼みになるのは辛いところですけどね。19年オフにマイナー組織強化に定評のあるBen CheringtonをGMに招集して始まった再建が昨季でようやく終了したところですから。

開幕して早々に終戦モードになるのは避けたいですし、チーム内外に戦う姿勢を打ち出すのはそれなりに意味のある事です。彼以上の起爆剤は無いので、何とかチームが好転することを祈ります。


【参考文献】


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