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【4日間ネット禁止】デジタルデトックス合宿(ソロ)したら中年男性の孤独問題の実態を知ることになった

ポータブルスキルという概念がある。

大雑把に言うと「持ち運び可能なスキル」で、私たちの能力や実力と呼ばれているものが、会社や学校のような今所属している集団から離れた途端に通じなくなるなんてことはしばしばある。

生活や仕事に関して、私たちはインターネットに大いに下駄を履かせてもらっていることを忘れてしまう。

「タイパ」という言葉が流行するように、Netflixをはじめとして、インターネットとスマホのおかげで私たちの中の「なにもない時間」は絶滅危惧種となりつつある。

そんな無限に娯楽を供給し、私たちの時間を奪っていくツールであるデジタルデバイスから数日間ほど距離を置き、自分本来の時間について見つめ直す。それがデジタルデトックス合宿だ。

今回は過去最長となる4日間。しかも初の1人での開催

結論から言うと、この4日間はネットだらけの無気力な日々とは大いに違い、活力に富み、新しい遊びも開拓でき、読書も大いに捗る非常に充実した日々となったが、同時に自分の生活環境におけるコミュニティ問題にも直面することになった。

そんなデジタルデトックス合宿について、1日ずつ振り返っていこうと思う。

デジタルデトックス合宿のルール
・デジタルを「自分の望まない情報が流れてくるもの(主にネット広告など)」と定義し、それらから離れるためにスマホ・パソコン・テレビ・雑誌を封印し、期間中の利用を一切行わない。
・事前準備は食材の買い出し以外ほぼしない。

0日目夜 楽しみすぎて早めのログアウト

実はここ数日リアルに人と会うことが少なかった。

最後にリアルに人に会ったのは1週間前くらいで、とある仕事で大学生たちとたくさん会ったり、ひたすら観光しまくったりをやっていた。

その疲労が溜まったのか、ボチボチ普段の仕事をやりながらダラダラスマホコンテンツを消費する日々となった。

自分の時間がスマホにどんどん溶かされていくのにいよいよ嫌気を感じ、その前々日にあった令和市のお話会においても「今からデジタルデトックス合宿が楽しみで仕方がない!!!」と嬉々と語っていた。

 スマホ脳によると、スマホは無料で回し続けられるガチャみたいなもので、面白いものが見つかったときに大量のドーパミンが出てくるため、「何か面白いものが見つかるかもしれない」というぼんやりとした希望で触れ始め、面白いものが見つかるまではやめられないし、見つかったとしても次の面白いものを探し続けてしまうものらしい。

前回のデジタルデトックスの記事より
https://note.com/north0318/n/nf4579085b952

そんな状態だったので、夜になったら早めにインターネット世界からログアウト。

ルーターのsimを切り替え、アレクサだけは使えるようにしてそれ以外を封印。デジタルデバイスの存在を認知できないように別室の押入れの箱の中にしまっておく。

 また、スマホが目にうつったり、体に接触しているだけでスマホのことを意識し、スマホを触りたくなってしまう。CMで見た食べ物を食べたくなるようなものだ。
 そこで、スマホ脳の著者・ハンセン氏はスマホから物理的な距離をおくことを推奨していた。目に入らなかったり、体に触れさえしていなければ、なんだったらスマホが入っているバッグすら遠くに置いてあればスマホへの意識を各段に減らすことができるのだ。
 さらに、私たちはスマホに連絡の全てを託している都合上、「何か緊急の用事があった場合に対応しなければならない」という強迫観念に常に駆られている。

前回のデジタルデトックスの記事より
https://note.com/north0318/n/nf4579085b952


実を言うと、あまりにワクワクがすぎて若干寝つきが悪かった。どんだけ楽しみなんだよ。俺。

1日目 「君は今日という日に満足したか?」

今回はその日その日でやりたいことをやる….という方針にしていた。

しかし、なんやかんや前日のワクワクが引き継がれた状態で1日を迎えることになったため、前日までに考えていたやりたいことを実行するに至った。

やはりデジタルデトックス合宿の醍醐味は受動的な情報が全くないこと。

Twitterのように毎日誰かが面白いことをつぶやいてくれるわけでもなく、youtuberが僕たちを喜ばせる見せ物をしてくれるわけでもない。

そうなると、自分の足で面白いことを探したり、やったりする以外他ない

1日目は図書館に行ってひたすら気になった本を借りる。
本当は流行りの「世界のエリートが学んでいる-教養書必読100冊を1冊にまとめてみた」を読みたかったけれども、なかったので地政学の本や橘玲氏の本などを借りる。


C:「陰謀論」の本と情報分断についての本も読む。混ぜるな危険。

嘘みたいに読書が捗るので、なんやかんやこの期間でほとんどの本を読み終えてしまった。

また、天気も良かったのでインフィニティチェアとテーブルを出して基本的んキャンプ気分で庭にいることが多かった。

ただ、夜になるとすぐに寝ようと思えなかった。

人はなぜ、よふかしをすると思う?
 ー 今日という日に満足していないからだ。

「よふかしのうた」1話より

前日に「よふかしのうた」を見たせいでそんな言葉が頭によぎる。

BARに行こう。夜更かしをしたいがために!!!!

古民家BAR Viasta
引用:https://hitosara.com/0006116043/

前々から通りかかる度に気になっていた店があった。弊町唯一の古民家Bar。ここはなんとなく何かがありそうだと思い、足を運んだ。

昔、父親に中洲のBARに連れていってもらったときにバーテンダーさんに教えてもらった「そのお店のことを知るカクテル」が思い出せなかったので、適当にメニューを見てそれっぽいものを頼む。

選ばれたのはジンリッキー。どうやら、ヒトサラでもジンリッキーがお勧めされていたから正解だったようだ。

最初はカップル。しばらくしてカップルが去り、常連の若いお兄ちゃんやおじさん夫婦がやってきた。最初のカップルがいるときはいかにも「いい雰囲気のお店」だったけれど、常連の人たちが集まった後は地方のスナック感が漂っていた。

常連のおじさんに他のおすすめのスナックを教えてもらう。明日行こうかなと思ったが、とある発明をしたことで行くことはなかった(機会があれば行きたいが)

ある程度人と話して、お酒も飲んで満足したので帰宅する。

何もないってときに、飛び出す場所としての飲み屋。アヤノヤに行く度になぜか馴染みの顔の人たちがたくさんいたのはそれが原因だったのか….ということを5年越しに知る。

アヤノヤ:東京の中延にかつて存在していた宅飲み酒場。クラファンをやったときやホームレス時代に大変にお世話になった。

2日目:お隣さんとバーベキュー

ご近所づきあいをやってみたかった。

どうやらゴールデンウィークの期間に子供たちの試合のため特に用事がないと言っていたので、「バーベキューやらない??」とお隣さんを誘ってバーベキューをすることになった。

突然の申し出にもかかわらず、快くOKしてもらえた。

もともと、庭で焼き肉は1人でもやりたかったことだったので、やるつもりではあったものの、お隣さんが来てくれたことで賑やかさと黒毛和牛がやってくることになった。

本当にもうしわけないことに、身体と黒毛和牛の相性があまり良くないのでたくさん食べることはしなかったが、その気持ちがとても嬉しかった。

ご近所らしく、ご近所の話題とか仕事の話とかで盛り上がる。

晴天だったこともあって、非常にゴールデンウィークらしいことをやれたと感じたせいか、この日は1日に満足していた。

そして、この日デジタルデトックス期間最大の発明をすることになる。

それはロウソクスナック

電気を全て消して、ロウソクの灯りだけで過ごす。ここに昭和歌謡を流せば一気に雰囲気がスナックになる。

ちょうど昨日の古民家バーの明るさに似た感じになった上に、ただ音楽を聞くことが大変に楽しいため、これだけで充実した夜を過ごせるようになった。

以降、晩御飯を食べたら電気を消してキャンドルに火を灯して音楽を聞くことが日課になる。

3日目:孤独成人男性、病床に伏す

黒毛和牛を食べると体調を崩すジンクスは健在だったようで、なぜか喉が痛くなり、回復のためこの日は病人をやることになった。

インターネットがあれば、病床に伏している間もささやかな娯楽を楽しむことができるものの、こうなってしまっては本当にやることがない。

薬を飲んだら、横になってひたすら瞑想をし身体に気を巡らせることしかできない。

この日は天気予報によれば最後の晴れの日。本当は難波までチャリで行って帰ってこようかと思っていただけに、とても残念であった。

この日は最も「暇」を体感した1日であった。

たまに起きて本を読みつつ、次回のデジタルデトックス合宿のプランを練ったりしてみる。

今回、結構な人から「興味ある!!!」と言われていたものの、なんやかんや仕事が終わらなかったりとかでキャンセルをいただいたので、たぶん4日間ってめっちゃ長かったんだろうなと思う。次は土日だけで完結とかにしよう。

さらに、自分の今後の人生のあり方とかについても考えることになった。
シェア実家という概念についてはライフアズワークとしてこれからもやっていければいいなと。

飯がある、ある程度放っておかれる、何よりも「生活」がある。

それが実家なのだろう。

4日目:街へ。天王寺から難波は歩ける。

ちゃんと病人をやったおかげで、この日かなり体調は回復していた。

しかし、天気は若干の曇り模様で雨予報もあったので、電車で天王寺まで行くことにする。

今日のやりたいことは髪を切ること、難波で二郎系ラーメンを食べること。

どれもこれもわかりづらい場所にあるため、曖昧な記憶をたどり、道ゆく人に場所を聞きながら目的地に向かっていく。

「ああ、それなら成城石井の近くにあるらしいよ」と言われたので、成城石井があるハルカスの近鉄百貨店でオープン前待機。

オープン前、謎に人だかりができていて、なんだか休日って感じがした(成城石井に向かったのは僕1人だったけど)

ただ、残念なことに目的の場所はそこじゃなかった。改めて、場所を聞き床屋に向かうがやはりゴールデンウィークなこともあってたくさんの人が待っていたため、散髪は諦めることにした。

次に天王寺から通天閣を目印に歩いて新世界に向かう。以前Twitterで見かけた観光地にローマ兵の格好をしてお金をもらうなんてことをやっていたので、同じようなことをやろうと思って準備をしていたが、そもそも外国人が少なかった。なんで????

新世界を抜けて恵比寿町に出れば難波までもう少しとのこと。恵比寿町の地下鉄構内図を見たときにかなり近い位置に難波があったのでそのことに気づく。

わずかな記憶を頼りに恵比寿町から難波に向かう道中にある二郎系ラーメン屋を探す。道を聞いて「断られる」なんてことをやりながら彷徨っているとついに目的のラーメン屋に辿り着く。すごい。

その後はいつも通り難波を散策し、800円くらいでwiiを購入し、300円のジャンクwiiリモコンを購入。さらにカードショップなんかも巡って満足したので帰宅。

早速家に帰ってwiiを起動したが、コントローラーが壊れていたためwiiで遊ぶことはできなかった。そんなところでコントローラーの治し方を調べるためにインターネットを起動。wiiを起動した時点でデジタルデトックスが終了した気もしたが、このタイミングをもってデジタルデトックス合宿を終了。

wiiリモコンを分解し、電池の液漏れに侵食された金属と裏面カバーをクエン酸の液に突っ込んで放置することでwiiリモコンが使えるようになったのはかなりの感動を覚えた。インターネット最高!!!!!!


まとめ

人生は暇つぶしのためにあるのかもしれないと感じた。

思えば、日々を何かの楽しみで埋める行為は暇つぶしそのもので、仕事も遊びも何もかも孤独を紛らわすためにやっているようだった。

インターネットや仕事で頭がいっぱいになっていると、これがなかなかわからないもので、仕事と気力回復に全てのリソースをもっていかれることになる。そうなると、自分で何か行動を起こすことが難しくなり、スマホや近所の飲み屋のような安易な娯楽に手を出しがちになってしまう。

同時に孤独を解消するための場所が飲み屋とかだけになると、かなり大変だなとも思った。幸い、ロウソクスナックのおかげで夜は一切退屈しなかったが、飲み屋通いが常態化すると金銭的な負担がすごい。

今回行った古民家バーはチャージ無料と非常に良心的な価格設定で、さらにアルコール耐性があまりないおかげで一杯と非常に良心的な価格設定だったからあまりお金は使わなかったけど。

この辺りの問題はシンプルに友達がいればいいし、友達を自分で誘うことができれば、「出会い」というガチャを求めて街に繰り出す必要もない

大人になると、だんだん友達を誘いづらくなってくるようだ。たくさん友達を誘おう。それが僕のような暇な人の役割だと思いながら





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