こどもがいつでも光っている
こどもが書いた作文を読みたい。
こどもがつづった詩も読みたい。
こどもが描いた絵を眺めたい。
こどもが唄う歌はいらない。
こどもが踊る舞台もいらない。
炊きあがったばかりのご飯が食べたい。
こどもが考えるクイズに笑う。
こどもが騙す嘘に酔いたい。
こどもが笑う声を聞きたい。
こどもが握るこぶしがかわいい。
くるまがはしる危険な道路。
こどもはよおく気をつけて。
胸に抱えた絵本などを、
こどもは大事に家に持って帰る。
こどもが食べる口元を見たい。
こどもが泣いた涙のしずく。
それがとっても透明なわけを、
おとなはほんとは判っているはず。
金子みすゞは把握をしている。
こどもがとっても可愛いことを。
山下清は理解している。
こどもがいつでも光っているのを。
手塚治虫は導いてくれる。
こどもが正しく生きるってことを。
こどもはみんな神様のともだち。
神様はいつもこどもの味方。
ときどき大事にしすぎてしまって
自分のそばに呼び寄せる。
こどもにお寿司を奢ってやりたい。
ついでに自分もたらふく食べたい。
こどもにおかねをあげたいけれど
あいにく自分は貧乏だから
こどもにおかねをあげられないが
いっしょに夕日を見てあげられる。
そうして歌う帰り道。
こどもが何かを歌ってくれる。
犬が近くに寄ってきたって
こどもの声は変わらない。
むしろ一段おおきくなって。
犬も一緒に歌い出す。
犬とこどもは相性がいいから。
何年たってもおんなじ風景。
まるで焼きまわした映画みたいに。
こどもはずうっと歌っているのさ。
となりでそれを聞いているよ。
いつまでたっても聞いてる心算。
永遠なんて約束できないから
こどもが紡ぐ日々を大事に。
やがて毛布はいつかきっと
自分自身を暖める。
こどもはいつかまあるくなって
生きる勇気を持ち始めるのさ。
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