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グローバル経営の極北 @note

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ブログ「グローバル経営の極北」の人気記事を再編集してまとめています
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2019年5月の記事一覧

「データ経営」の前にまずマネーボールを観よう

映画「マネーボール」はデータ経営を考える上でとても良い教材。いまや、猫も杓子も、という感じで「データを経営に活用すべきだ」とみんな大騒ぎしている。ただ、経営にデータを活用する上では、優れたデータ分析家を揃えるだけでは不十分。いくら高度で有益な分析ができたとしても、それが「現場」を納得させ、彼等が自律的に動くように仕掛けなければ成果は出ない。この課題とその解決策の示唆をマネーボールを与えてくれる。 アスレチックスのGMビリーは、エール大卒のピートを雇い入れ、セイバーメトリクス

「決められない」シャープの迷走を笑えない理由

注)この記事は2016年2月21日の別のブログの記事を加筆・修正したものです シャープの経営が迷走している。産業革新機構による支援でほぼ決まりとなっていた状況から、鴻海が7,000億円と機構案を大きく上回る金額を提示し、一点鴻海案が有力と噂されている。こうした事態に対して多くの人がシャープの経営の「稚拙」さを指摘(揶揄)し、決断できない経営陣を批判している。 しかし、このシャープのケースは、個別企業の経営陣の稚拙さ、という観点でなく、日本企業がはまりがちな構造的な観点から