知財を活用して企業価値を上げる方法
【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
今回は、「知財を活用して企業価値を上げる方法」をお伝えします。
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1.特許がある中小企業とない中小企業との利益率の差
これは過去にも説明していることですが、特許がある中小企業とない中小企業とでは、特に製造業において利益率にかなりの差があります。
下図にみられるように、3年平均で特許ありが約5.6%、特許なしが約2.8%と2倍の開きがあります。
これは、知財を上手に活用することで利益を向上させ、企業価値を高めることができるということだと思われます。
特許庁のホームページや中小企業白書などを見てみると、特許だけでなく、意匠、商標でも同様の傾向があるようです。
ということで、どうやって知財を活用するのかを説明して参ります。
但し、ここでは各論をかいつまんで説明するだけです。
今後(の予定では)、各論についてさらに詳しく説明するつもりです。
2.知財を活用して企業価値を上げる方法
(1)課題探し
先ずは課題探しが必要と考えます。
これは、起業においても同様です。
従来、このような課題があった、業界ではこのような問題があった、ユーザーはこのような商品やサービスを期待していた、という具合です。
(2)従業員全体から課題を吸い上げる工夫
社長1人が課題探しをしていても効率は悪いです。
授業員全員で課題探しをしましょう。
そのためには、改善提案制度、創案提案制度を作りましょう。
(3)効果の高い改善提案を選別
改善提案を集めたら、その中から効果の高いものを選別しましょう。
基本的に金銭的な効果のあるものが良いと思います。
勿論、時間短縮や高品質化による売上向上見込みなども金銭的価値に換算できます。
(4)先行技術調査
これは、選別した改善提案を実施しようとするときに、他社の特許権等の権利を侵害してないかどうかを見るためです。
先行技術調査をしないと、知らない間に他社の権利を侵害する可能性があります。
(5)抽出した先行技術文献を模倣する
効果の高い改善提案を実施しようとして、無から開発するのは無駄です。
せっかく先行技術調査をして類似の文献があるのですから、それを参考にしましょう。
ちなみに、法に則って行う限り模倣は合法です。
(6)先行文献をさらに改良する
先行文献を参考にして、そこからさらに良い製品を作りましょう。
人間、無から作るのは大変ですが、今あるものを改良することは比較的容易にできます。
(7)特許出願の可否を検討する
特許出願に値するものであれば、特許出願しましょう。
中小企業の場合、出願しなかったことによる失敗がけっこう多いものです。
3.企業価値が向上すると
上記の活動の結果、企業価値が向上すると良いことだらけです。
ブランド力がついて高値でも取引できるとか、銀行融資が受けやすくなるとか、利益率が改善して従業員の給与が向上し士気も向上するとか、離職率が下がるとか、いろいろあります。
事業売却にも有利になります。
中小企業では、特に3K職場では日本人が入社してこず、事業が順調なのにもかかわらず後継者不在の会社があります。
そんな会社でも、企業価値を高めることで高く売却することも可能ではないでしょうか。
この記事が御社の発展に寄与することを願っております。
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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