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結果評価 or プロセス評価

「評価制度」に関するちょっと前の日経新聞の記事です。
 頭(考え方)の整理の参考になりそうなので紹介します。

 ・花王、過程重視の新人事制度 21年から
   目標を全社で共有 士気向上へ
  https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ075Y30X01C20A2000000

花王は2021年1月から、社員の評価について業務の過程を重視する新たな人事制度を導入する。目標が達成できなくても、同時に設定した業務プロセスの実現度合いを新たに評価の対象にする。目標は全社員で共有し、他部署との連携強化にもつなげる。

とのことですが、
 「結果評価」と「プロセス評価」の2軸で評価する
という考え方は全くそのとおりですし、明示度やウェイト等の差はあるとしても、ほとんどの企業で(実態としては)行われていたのだと思います。

 ポイントは、
  ・結果評価の面では、「目標設定の妥当性」 ですし、
  ・プロセス評価の面では、「評価基準の具体性」 です。
 どんな評価方式であっても、最も重要なことは、
  “「被評価者(評価対象者)の納得性」をいかに確保するか”
という点です。

 しかしながら、実はこれがものすごく悩ましいのです。

 結果評価といっても、
 その結果(成果)はストップウォッチで測るような「明確な数値化」ができるとは限りませんし、ある結果から「その本人だけの力による成果」を特定することは困難です。
 さらには、成果の評価基準たる「目標(値)」についていえば、(いかにその目標設定に本人が関与していたとしても)「目標値に関する評価される側が抱く疑念」は払拭しきれないでしょう。

 多くの企業の場合、誰が評価しても「まったく同じ結果になるような絶対評価」は現実的にはあり得ないと断言できます。絶対評価の結果を反映できるような企業リソース(財源・ポスト・処遇等)を100%準備することは不可能で、結局のところ最終的には何らかの「相対評価」要素が調整バッファとして組み込まれるからです。

 なので、評価という営みは、
  「複数人の目」を通して、「多面的な観点(結果・プロセス等)」から
  判断する

というやり方が、(Second Best かもしれませんが、)現実的な “最善解” だと思います。
 評価対象者の納得性を少しでも高め、その「納得性」をベースに “人材(財)”という大切な事業基盤を活かしていくのです。

 そして最後に、その営みにおける “最大の肝” は「評価者の資質」です。
 評価する側の「評価能力」が低いことが、最大の不幸の原因です。
 逆に、評価者の評価能力が優れていれば、評価プロセスの不備をカバーし、評価される側の納得感を少しでも高めることができるでしょう。


#日経COMEMO #NIKKEI

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