愛は残酷
「お別れホスピタル」第二話は録画して何回も何回もかじりついて観る
夫の面倒を甲斐甲斐しく五十二年見てきた妻
最期の八年、妻は末期ガンの夫の介護に明け暮れる
夫は入院、妻も夫の介護疲れで夫と同じ部屋に入院させてもらう
妻は夫の看病で、何のための入院か分からなくなる
「わたしは夫の手足ではない」と呟く妻
退院して夫の最期に立ち合うが
近寄りもせず娘に呼ばれる
苦しむ夫に掛ける言葉は
夫の枕を入れ直し、夫の額の汗を拭きながら
「これでもういいでしょう、早く逝って下さい」
と耳元でささやく
その妻のささやきと同時に夫は旅立つ
夫婦にしか分からない想い
なんだか心に沁みいるよう
家族だから当たり前
それが愛で沼という
何だか分かる気がするが
近すぎると分からない
他人だから分かることもある
命の尊さ
二度と還らない日々
「君じゃなきゃダメなんだ」と夫に言われ続けた言葉は妻にとって呪縛なのか愛なのか
職員のカウンセラーさんの最後に必ず
「誰かと話しをしたほうがいいですよ」という誰にでも言う言葉
人間はひとりでは生きられないのか
闇に引きずり込まれるわたしがいる
これが沼落ちか…
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