見出し画像

~最高裁判決の思い出②~

 神奈川県横浜市戸塚区の女性ライダー弁護士西村紀子です。
 一人の弁護士として、一人のライダーとして、そして、一人の人間として、日々感じたり観察したりしたことで、皆様のお役に立つと思えることを、つぶやき発信していきます。

 今回は、一人の弁護士としてのキャリアの紹介もかねて、“最高裁判決の思い出②”をつぶやきたいと想います。
 第1回目は、以下のとおりです。

 私は、弁護士として、19年に亘り、労働法関連の訴訟に取り組んできました。
 その中で、最高裁に上告することにまでなった事件があります。
 それが、平成24年3月8日の最高裁逆転勝訴判決「テックジャパン事件」です。
 私は、この事件の原告側の訴訟代理人でした。

 この事件は、固定残業代、ないし、残業代の定額払い(いずれも、一定の時間分の残業代を固定で定額で支払う制度)が認められるための要件についての重要判例となり、その後の残業代の実務に大きな影響を与えました。
 このため、上記の第1回目で取り上げたとおり、多数の判例評釈等がなされることとなったのです。

 このような実務にも大きな影響を与える重要な最高裁判決を取得できたことは、弁護士としては、とても有り難い名誉なことであったと思います。

 とはいえ、この訴訟をやっているときは、そんなことは予想できるわけもありません。
 ただただ、依頼者の方に役立つとともに、世の中に貢献できる弁護士でありたい、理不尽な高等裁判所判決を残したくない、という気持ちで、上告にあたって提出する“上告理由書”と“上告受理申立書”という書面を書き上げて、裁判所に提出したことを覚えています。

 実際のところ、最高裁への上告というのは、なかなか受理してもらえないのが現状です。
 ですから、上告後、2年以上も経過してから、上告が受理され、最高裁で弁論が開かれると連絡を受けたときには、本当に衝撃的に嬉しい驚きであったことを、今でも覚えています。
(続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?