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幸せになりたい、と思うことはない。

幸せになりたい、と思うことはない。
日々折々に、幸せだから。

100%いつも幸せな状態で生きることは出来ない。
将棋の駒が裏返って「成る」ように、不幸な存在から幸せな存在へと自分がまるごと変身するなんてことはない。実際、毎日さまざまな苦悩やストレスに揉まれて生きているのだけれど。

それでも、幸せのタネは日常のそこかしこにある。

望みは幸せ「になる」ことではなく、今この瞬間に幸せ「である」こと。自己の内面に幸せへの感性を育み、センサーを鍛えることも大切。

一方で、人生は有限であり、いつまで続くのかも、どのように終えるのかも、自分の人生なのに分からないし、コントロール出来ないという事実。
無為に過ごした膨大な時間への悔恨、予測不能な未来への不安と恐怖。
ひとたび真実と向き合えば、虚しさに打ちのめされ、暗澹たる失意の淵に呆然と立ち尽くすしかない。

むしろその絶望が、人間本来のあたりまえの状態とも言える。
それでもなお生きていくための秘薬として、日々の幸せはあるのかもしれない。

そもそも常時いつでも幸せだったら、幸せと感じることすらないはずで。
すべてが無に帰する残酷な運命に生きるからこそ、日々の幸せはあるのかもしれない。

淋しさも哀しみも、あって当然。
だからこそ喜ばしい、幸せの瞬間。
今年も友との対話や音楽を通じて、たくさんの幸せを味わったことに感謝。
ただただ、感謝。

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