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ショートショート 殺気

博士「そういうことだったか!!!!」
大声が聞こえた。
博士がまた何か閃いたのだろう。
普段から博士の話を小バカにしているが、実は少し楽しみにしていたりするのだ。

助手「今回は、なんですか〜?」
博士「いや〜、殺気ってあるじゃろ?
それの正体がわかったんじゃよ!」
助手「え?誰も博士の命なんて狙わないですよ。
僕が熊でも、博士、美味しくなさそうだし食べたくないです。」
博士「なんで食べる前提なの?」

博士「ゴホン。
とりあえず、殺気の正体を簡単に言うと、攻撃を打ち出す前の事前動作ということじゃ。」

助手「ちょっと何言ってるかわかんない(イケボ」

博士「つまり、殴る、蹴る、刺すなどなど、実際に攻撃する時の行動があるはずであるが、それらの行動の前に、事前準備が必要なのじゃ。
例えば、殴る場合を考えてみよう。
本気でワシを殴ってみなさい。」

ドゥン

博士「痛〜い!えー。えー。え?
殺意マシマシじゃん。」
助手「殺意の正体見つけても、かわせないんすか。」

……。

博士「今、殴る直前に、重心を低く、息を吸って、力を込めた。それらの事前準備が、よく知られている殺気というものじゃろう。」

助手「ん〜。まぁわかりますけど、それで〜。」
博士「それな!
めっちゃ痛いんだけど。」

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