ショートショート 独り
ピーーー
ピィーーー
僕の部屋には雛がいるようだ。
いつからいるのか、どこから入ったかも知らぬが、確かに鳴き声が聞こえる。
鳴き声のする方向はすぐ近くなのだが、中々見つけることができない。
「出ておいで〜」
独身男性の大きな独言が部屋の中で虚しく響き渡る。先ほどの鳴き声もなくなってしまった。
ピィーーー
しばらくするとまた鳴き始めた。
よかった。これで寂しさが薄まる。
もう一度鳴き声の方を探してみる。
そこには、出しっぱなしの冷水ボトルがいた。
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