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スマホのカメラは発達したけれど...

今回はスマホの写真に思うこと、ということで、軽く。

【昔は「良いカメラ」=「職業写真家」】

昔は「いいカメラを持っているのは職業写真家」だったんですね。いい写真を撮るには、いい機材がまず必要だったからね。

【今は「良いカメラ」=「職業写真家気取り」】
今は素人でも、カネがあれば、あるいは借金できれば「職業写真家気取り」の「いいカメラ」は持ってるわけです。あるいは、最近はレンタルとかサブスクもあるよね。実はプロもレンタルはよく使います。プロはビジネスなので、機材は借りた方が買って使うよりビジネス的に良い場合がけっこうあるからです。

【さらに今は「いい写真」=「良いスマホ」?】
今は適当に「いい写真」が適当に、スマホで撮ろうと思えばできるんだが、今後は構図とか、シチュエーションとか、そういう「撮る人の能力」が出るわけです。モデルさんを撮るのであれば、そのモデルさんに気持ちよく撮られてもらう、ということで良い表情をしてもらう、というようなスキルのほうが大切になる。こういうのは、実はプロの能力のうちなんだな。コミュ力重要だよ。職業写真で鍛えられた目は、やはりアマチュアのそれとは違う、というのを感じる。だから、同じ機材を使っても、その差は歴然と出る。

【他の趣味でも同じ】
ゴルフとか、ピアノなんかの楽器もそうだと思う。いくらいい機材を持っていても、腕がダメならダメなものしかできない。反対に、アマチュアが持っている機材を使っても、プロはそれなりのものを残す。一方で、アマチュアならでは、というものが評価されることもある。これは表現したものが「評価される価値観が多様になった」ってことだね。

【素人はプロとはやっぱり違う】
だからさ、某スマホの宣伝で「もう一眼レフはいらない」とか言って「これがスマホで撮った写真です。素晴らしいでしょう?」とやるんだが、当然、素人が同じクォリティのものを撮れるわけはない。でも、その宣伝で「自分も素人だけど、このスマホにすると、プロのような写真が撮れるかもしれない」というように騙して、高い商品を買わせようとするわけですね。

商品の高い安いと、できる作品は、関係がある部分もあるけど、けっこう関係ない。この微妙なところで「嘘ついてないでしょ」と広告主は言えるわけですよね。つまり、現代の「欲しがらせて需要を作る」という「資本主義」の本質がここに垣間見えるわけですね。

【評価の軸も増えた】
一方で、写真など表現の評価も、ネットの発達で、大衆化することによって変わってきた。それまでは「質の良い写真・悪い写真」の評価のモノサシが比較的少なかったけれども、今は「この写真は素人のこういう写真だけど、こういうふうに見ると、興味深い(面白い)」というものも増えた。

【ズレがある】
でも、最近思うのは、「プロが思うすばらしい写真」と、新しい世代が思う「面白い写真」は、違うよなぁ、ってことだ。メーカーはスマホの宣伝に前者の写真を使うけれども、スマホを買う側の多くの「写真の素人」は、やはり違う。この「ズレ」に、最近は注目している。時代は変わっているよなぁ、ってことだな。

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