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これからの中小企業の勝ちパターン(2023年のまとめ)

「2023年の記録」を振り返ってみると、今年は、若手社員の離職(裏返してやりがい)に注目したり、価格転嫁(それは価値ある値上げ)に注目したり。日経MJや地元紙・東奥日報を読んだ感想を書いている訳だから、世の中的に、この2つがキーワードだったんだろうなと振り返ってふむふむと想っています。


若手の「もったいない離職」について 

一口に離職と言っても、やむを得ない事情がある人もいれば、ここでは成長できない(やりがいがない)と思う人もいれば、理由はひとそれぞれ。ただ、「ここでは成長できない」と思ったとしても、実は成長できる余地があったのに...そういう「もったいない離職」を防ぐにはどうしたらいいか、考えたのがこの時でした。

もったいない離職を防ぐ、ジョブクラフティングの考え方

もし今、上記の投稿に追記するとしたら、「あなたの仕事は、仲間とあなたの考え方ひとつで、やりがいのあるものにできる」、そういうジョブクラフティングの考え方を伝えたい。
ジョブクラフティングって何よ?の答えは、ミスチルにある。
「僕のした単純作業が
 この世界を回り回って
 まだ出会ったこともない人の
 笑い声をつくってゆく」
「そんな些細な生き甲斐が
 日常に彩りを加える」

あなたの生き甲斐(=やりがい)は、今の仕事にこそあるのかもしれない。

納得できる値上げについて

急激な円安、原材料価格高騰からの、価格転嫁。「苦渋の決断です」の値上げは一方的な会社都合で、消費者は誰一人納得していない。我慢してるだけ。顧客志向はどこにいったの?値上げするなら、価値を上げなきゃ。そういう想いで投稿したのが、これでした。

当社(うち)が当社(うち)であるために勝ち続けなきゃいけない

限界まで値上げした企業、ステルス値上げをした企業の末路は、消費者が離れ、減収につながる負のスパイラルへ。結局、おたくの会社は何がしたいの?に立ち返ってしまう。その行動で、その値上げで、どういう価値を創り出したかったのか。
単純に苦しいから値上げしただけじゃないの?そこにまっとうな理由はあったの?
その答えは、尾崎にある。
「僕が僕であるために
 勝ち続けなきゃいけない
 正しいものはなんなのか
 それがこの胸に解るまで」

御社が御社である理由、ミッション・ビジョン・バリュー、そしてパーパス、つまり経営理念に合致する値上げであれば、皆が納得できるのかもしれない。
単なる価格転嫁ではなく価値を高めて値上げをし、勝ち続けていきたい。御社が御社であるために。

人手不足には「賃上げ」

若手の「やりがい」にばかり着目してきたなか、11月末に地元金融機関の総合コンサルティング会社からこういうレポートが出で、思わず唸ってしまう。

人手不足➡環境悪化(残業とか)➡離職➡人手不足
この負のスパイラルを断ち切るには...
価格転嫁➡原資確保➡賃上げ、が必要。
地方だとそもそも待遇面で首都圏と開きがあるから、成長意欲とかやりがい云々の前に待遇改善なんだよ、という切実な結論でした。

全従業員の物心両面の幸福を追求する

今年は、熱心な旧・盛和塾の経営者の方や、京セラの幹部の方とお会いする機会があり、故・稲盛和夫さんの偉大な功績に触れることができた一年でもありました。
そういう企業には、応接室に飾られています。経営理念がドーンと。その名も「全従業員の物心両面の幸福を追求する」
今この瞬間、改めて想うんです。深いメッセージだなって。やりがい=「心」だけでなく、報酬=「物」の両面を追い求めてこその企業経営だって。

人類、社会の進歩発展に貢献する

ただね。稲盛さんは「それだけじゃむなしい」とも言ったそうで、全従業員の物心両面の追求には、続きがあります。それは、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する」です。
先日、とある地方の運送会社の社長さんとお話しする機会があったのですが、それまで全然新卒採用に応募がなかったのに、「人に、地域に、未来に、仕事を通じて貢献できる!」としただけで、若者の応募が殺到したそうです。単純に「稼げるんだぜ」だけじゃなくて、自分の仕事が社会にどう役立っているのか。思えば若者だけじゃなくて、私たちだって、入社した頃に比べて、強く意識するようになりましたよね。

結びに。これからの中小企業の勝ちパターン。

私たちの仕事は当然、まだ出会ったこともない人(もちろん身近な人も)の笑い顔をつくる仕事=社会課題の解決であり()。
仕事の価値が上がれば、値上げをしても消費者は納得してくれるわけで。それが報酬(物)に直結する。
物心両面が幸福で、社会課題の解決もなっている。一人ひとりの身近な困りごとや地域課題に、きめ細かに、スピード感を持って対応するのは、図体の大きい大企業よりも、小回りの利く中小企業が得意とする領域。
それが、これからの中小企業の勝ちパターンなんだと想いながら、2023年を締めくくります。来年も、「小難しいことを分かりやすく3分で」を心掛けて、自分の想うことを綴っていきたいと思います(おしまい)。

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