虎を飼っています

書くンジャーズ１月３週目のお題は【わたしの中の虎】

私は穏やかな人間に見られることが多い。
子どもにも犬猫にも好かれることが多いし、よく道も聞かれる。
２０代に訪れたスイスで、白人女性に道を聞かれた時はびっくりした。

わりかし安心できる人間の見かけをしているようだ。
でも心の中には虎がいる。牙を剥いてる時間も長い。
人は表面からはわからない。

自分がそうだということは他人もそうかもしれない。
という想像力は必要だ。
見た目と中身が完全に一致している人間は、おそらくいない。

そのズレの大きさは人による。
だから人間は予想外で面白いんだろう。
でも実は、私が目指しているのは見た目と中身が一致している人間だ。

中身も外見同様に穏やかになりたい。
穏やかになることを目指している。
目標は僕の祖父だ。

１０２歳まで生きた祖父は、何事にも動じず悠々と余生を過ごしていた。
いや、過ごしているように見えた。
僕にとって祖父は、老境に至って外見と中身が一致した仙人のような存在だ。

寅年４周目の年男。あと何周で仙人になれるだろう。