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過ぎたるは及ばざるが如し2

今日は珍しく4時まで眠れた
涼しくなったからだろう
3時に目が覚めていたのは暑さのせいだったのか?
そして寒い時期が来ると
目が覚めても布団から出ない
仕事をリヤイヤーしたふたり暮らしとはこんなものだろう

昨日より細い月と少し高い位置にある金星が撮りたかったが
撮れていない
スマホがいけないのか 
わたしの腕がわるいのか
この黒い雲が
今雨を降らしている

さて昨日は自分の話をしたが

今日は妹の話をしよう

このエッセイの中に中に出てきた
1つ違いの妹である

遺品整理をしながら
急に泣き出した

いつも冷静な子がどうしたのだろうかと驚いた
「わたしって、両親にとって何やったんやろね」
泣きじゃくりながら言う
「そりゃーあんた自慢の娘やったにきまってるやろ」

「自慢?それはあのひとらの自己満足にすぎん。
お母さんは小さいわたしをばあちゃんに預けて、
いっつも姉ちゃんと一緒に出掛けて夕方まで帰らんかった
おとうさんはわたしらが寝てからじゃないと帰らんかった」
何も言えない。事実そうなのである

「おばあちゃんは。わたしの前でなんて言ったと思う?」
「なんか言われたん?」
「あんたは〇〇〇さんに似とるけんスカン。
お前が跡取りじゃのうて本当によかったわいって言われたんよ」
今でも忘れられん。下唇を噛んでいる。

お気づきの方もいらっしゃるかも知れないが
妹は小・中とほとんんど学年トップの成績で
大阪の旧帝大に入学したのです
高校の先生は東京の旧帝大に行けと言ったのですが
両親がのりが変な男にでも引っかかったらいかんけん
どうかこらえてくれと頼んだそうだ

そしてわたしが叶えられなかった夢などあっさりクリアーし
高校の英語教師になった


しかし、わたしが我をとうして家を出たばかりに
こんどは
妹がお見合い地獄になった
彼女の方が回数が多くて13回
そのうち12回は妹の方がお断りしたのである
13回目ようやく話が決まったのだが
その方は長男だったのです

それを聞きつけた
あの叔母3人は父のいない時間に
示し合わせてやってきて

「いったい、どうなっとんで!下の子に婿を取るから
のりのことを許してくれと言うたのに」

「ほんと顔だけじゃなく、根性も悪いんじゃけん」

「ほやけん言うたやろ!女は地元の女子大にでもやったらええって
わたしらの言うこと聞かんけん、結局こんなことになって」

「この家はどうなるん。里がなくなる気持ちがあんたに分かるで」

「とるもんだけ取って(祖父の遺産)泥棒といっしょやわい」

言いたい放題である
これは誰が聞いてもモアハラ・パワハラである
しかし戦前生まれの叔母たちにそんな感覚はなかったのだろう

それでも妹はその人と結婚し
2人の子どもにも恵まれて、子供のころから
ずっと幸せな人生だったのだと
その日までわたしは思っていたのである

「わたしは、思ってもいな間に出来た子で
ちょうど姉ちゃんのお目付け役にぴったりやたんじゃと思ってた」

「誰が悪いわけでもないけん、今まで言わんかったけど
わたしは両親の愛情をひとり占めしていた姉ちゃんが羨ましくて
振りむかせようと頑張ったけど、最期まで駄目やった」
「なんでそう思うん?」

「おわりころお母さんが認知になった時
わたしが施設に行っても
のり、のりよう来てくれたねって
手握られてわたし泣けてきたわ」
これも初めて聞く話だった

「そやから、よう分からんかったんよ。親の愛っていうもんが。
でも、自分が産んでみたらちょっとだけは分かったわ。
上の娘は放っておいても大丈夫だと思えるけど
下の娘はわたしに似て恋愛も出来ん。ずっとひとりやったら
どうなるんやろかと心配で、心配で、
ちょっと前に上の娘の近くに引っ越しさせたんよ」

おいおい、それじゃあ私たちと同じだよと思ったが言えなかった

「たぶん、うちの両親もそれくらいの感じやたんっやろうね」
「そうやろね」
そこで、その話は終わり
また片付けに来るねと言って妹は帰って行った

わたしはしばらく放心状態だった
妹の頑張りは、両親を振り向かせるためのものだったのか
なんだかとても可哀そうに思えてきたのだ

わたしは親の愛情が鬱陶しかったのに
妹は愛情が欲しかったらしい
半分わけてやりたかった

その日、親の偏った愛情は当事者だけでなく
その兄弟をも苦しめることになるのだと知った


「もう誰も教えてくれないので
歌を入れる試みは諦めることにした
うなだれるのり」

こう書いたらすぐにsanngo様と優谷美和様から
お返事をいただきました
本当にありがたいことです<(_ _)>


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