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甦りの地、熊野への旅~② 本宮大社

以前、昨年10月に熊野へ旅した記事を投稿しましたが、今頃になって再び続きを書き始めました。多少季節外れ感があるかもしれませんが、お気になさらずに。それでは、熊野旅日記第二幕の始まり始まり~。

熊野の旅2日目、ホテルで朝食をとってからいざ熊野本宮ほんぐう大社へ!

熊野川沿いに走る国道168号線を山の方へ向かって車を走らせると、穏やかな川の流れや、向こう岸には滝も見え、終始のどかな風景が続いていました。新宮市内から本宮大社まではおよそ40分の道のりです。

熊野本宮大社の参道入り口

参道入り口で大学生らしき男子4人組に「すいませ~ん、写真撮ってもらえますか?」と声をかけられたので、「はい!もちろん!」と答えながら、今でもこういうことあるんだ~とほっこり気分。

道を聞かれる、写真撮影を頼まれる、おっちゃんに話しかけられる、これらは私の特技です。なぜか旅先でも道を聞かれますが、そんな時は一緒に地図を眺めます。(方向感覚と野生の勘はある方)

雨でしっとりとした雰囲気の参道
手水舎にも八咫烏さんが

参道の石段数は158段、那智よりは大分楽ですよ。
登りきった先に現れた総門に、かけられた垂れ幕の文字に目が留まりました。

熊野の山・海より差し昇る
太陽を背にして 新たなる一歩を!

はい!一歩踏み出します!
そのために来ました!

総門の先は写真撮影禁止とあったので、お参りに集中します。
正面の社殿が主祭神の家都御子大神けつみこのおおかみ(スサノオ)、向かって左に速玉大神はやたまのおおかみ(イザナギ)夫須美大神ふすみのおおかみ(イナザミ)、そして向かって右に天照大神と結びの神がそれぞれ祀られています。

参拝もこの順番でするのが正しいと、あとから知りました。

国の重要文化財に指定されている檜皮葺の社殿は厳かな雰囲気で、雨が降っていることも相まってか空気がとても気持ちよく、「あ~、気持ち良い~」と何度も深呼吸をしました。

森と神社は午前中が気持ち良いですね。

肺の中の空気を入れ替えて満足したところで、授与所へ。
こちらでは、本宮と、これからお参りする大斎原おおゆのはらの御朱印、それから熊野牛王神符ごおうしんぷをいただきました。

本宮大社の牛王神符 八十八羽のお烏さんでかかれたカラス文字

熊野牛王神符は古く天武天皇の時代に始まり、鎌倉時代には「誓約書」として使われたそうです。この誓約を破ると、血を吐き地獄におちる・・・という怖い話もありますが、本来は厄除けのお札です。

御利益目的もありますが、単純にデザインがかっこいい!
しかも、本宮、速玉、那智の三社で各々違う絵柄なので、3枚とも買い求めました。きっと力を貸していただけることでしょう。

さて、次は大斎原へてくてく歩いて向かいます。
大斎原おおゆのはら、このフリガナがなければ読めない名前は、本宮大社の旧社地を指します。

遠目にも大きな鳥居
近づくと更に大きい! 高さ34mの大鳥居

驚いたことに、旧社地は3つの川の合流点の中州にあり、明治22年の大洪水で社殿の一部が流出したことにより、現在の小高い場所に遷座されたのだそう。

現代の感覚では、中州なんていつ増水で流されるかわからないような場所に、明治までよくあったな・・・と思ってしまうのですが、水害など全く起きないような穏やかな場所だったのでしょうか。

世界遺産の碑
熊野信仰の原点ともいえる、大斎原の森
雨上がり いまは穏やかな河原

中州に社殿があった時代は、陸と旧社地をつなぐ橋などはなく、お参りするには川を歩いて渡らなければいけなかったそうです。そうして川の水で禊をし、やっとお参りできる。そのくらい神聖な場所だったのですね。

森の中にある石祠にもお参りし、そろそろ次なる目的地の速玉はやたま大社に向かうその前に、トイレ休憩も兼ねて、本宮大社近くにある和歌山県世界遺産センターへ寄り道しました。

ここは熊野だけでなく、高野山や吉野・大峰についての資料も展示されています。

個人的にとても惹かれたのは、熊野古道とおなじく”参詣道”として世界遺産登録されているスペインのサンティアゴ巡礼路のパネル展示です。美しい写真の数々に目を奪われました。

紀伊参詣道の文化や歴史の学びになるので、時間に余裕のある方にはぜひ立ち寄ってほしい場所です。
ちょっとのつもりが長めの寄り道になり、次は熊野速玉大社へ。

_____つづく

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