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奈良旅 2022秋~③ 写真家入江泰吉の春日野

~はじめに~
この記事は、2022年秋に奈良へ旅した際の記録です。今年ではありませんのでお気をつけください。


新薬師寺のとなりに、思わず目を奪われるすてきな建物があります。
写真家入江泰吉の作品を中心に写真芸術を鑑賞できる、入江泰吉いりえたいきち記念奈良市写真美術館です。

奈良に興味を持ち始めてから、本やカレンダーなど色々なところで入江泰吉という名前を目にするようになりました。氏は明治38年奈良市生まれ、平成4年86歳で世を去るまで、生涯をとおして大和路を撮り続けた写真家です。

いまわたしの手元にあるこちらの本、待ち時間がある外出の際にはいつも携帯しています。

万葉集と入江泰吉の写真という
奈良好きにはたまらない本

今回の旅は新薬師寺を目的地にしていたので、時間があればこちらの美術館へもぜひ寄りたいと考えていました。

しかし、新薬師寺をあとにしたとき既に16時過ぎ。
行ける?やめておく?・・・よし、行っちゃおう!と駆け足の鑑賞になることを覚悟で入館することにしました。

とにかく、建物がすてきです。大きな瓦屋根にガラス張りの外壁、周囲の景観とみごとに調和しています。(写真を撮り忘れたのでHPのリンクを貼り付けます。トップページだけでもぜひご覧になってみてください)

あとから知ったことですが、このすてきな建物は建築家黒川紀章氏の設計ということでした。1Fはカフェスペース、受付や展示室は地下という造りです。

今回の展覧会はこちら ↓

展示室に入ると、春日大社界隈のうつくしい四季折々の景色が迎えてくれました。どの作品もやさしく、やわらかく、入江泰吉の奈良に対する愛が感じられます。

わたしはカメラに詳しくないので撮影法などは無知ですが、現代のデジタル写真のパキッとした感じではなく、より自然に近く、すぐそこにあるかのような空気感が伝わってきます。そして歴史の深みも同時に感じられるのが不思議。

撮ってその場ですぐに確認できる、デジタル主流のいまでは想像できないくらい、光や明るさ、そのほかにも色々な条件を計算しながら撮影して、やっとできた作品のはずです。

緑豊かな春日原生林にひっとりと佇む石仏、霧がたちこめる春日山・・・春日大社はもともと好きでしたが、この展示をみて更に美しさを再確認しました。

奈良を知らない人は、すこし奈良がすきになる
奈良をすきな人は、さらに奈良愛が増す

そんな美術館です。
入江泰吉のすべての作品を収蔵し、季節ごとに展示内容も変わるようなので、またゆっくりと訪れたいです。

雨にぬれた参道


偶然、フライヤーと近い場所で撮っていた


雨の紅葉も また良いですね

これが、わたしの春日野。


ー次回へつづく

<奈良旅 2022秋シリーズ>


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