VTuberにおける「RP勢」っていったい何なのさ

ヒャッホ!ノラネコPだ。

VTuberを色々とカテゴリー分けして、それぞれ別のものとして楽しもう、という言説は幾度もの失敗を繰り返していまだ明確な前進を見せていないが、常に多くの人が語り続けるHOTワードの常連であるよな。

そんな訳で、今日はうちが運営するバーチャル美少女「のらきゃっと」が属すると思われる、「RP勢」というやつについてお話しようと思う。

そも、RP勢とは何ぞやというと、「キャラクターに自分とは別の人格をロールプレイ(なりきって演じる)して宿らせている」VTuberたちのこと。
演者の素の人格をそのままバーチャルキャラクターに適用している人々と区別するために産まれた言葉なんだね。

ぶっちゃけ別の人格とか言っても結構多くの人はなかなか理解できないと思う。ただ設定を守り、設定に矛盾した言動をしないのが正しいロールプレイだと思っている人も居るだろう。
だけれど、自分がロールプレイに必須だと思っているのは演者とキャラクターで別の「意思決定」を行う事だと思ってる。
(以下、面倒なので演者を「PL」、キャラクターを「PC」と記述しようか)

例えばゲームなどで選択肢が示されたとき。
「あなたは目の前の女の子を助けますか?助けませんか?」
PLは、自身の論理観に基づいて女の子を助ける選択肢を取ることにした。
ここで、RP勢以外のVTuberはその選択結果をそのまま出力すればよい。PLの決定した意思はPCと常に同一だ。
RP勢は改めて「ではPCの方はどう考えるかな……?」と頭の中で自らのPCにお伺いを立てる。そして剣と魔法の世界に生きていたり、戦争で何人も殺していたりというそれぞれのPCの経験則や性格にあてはめ、PLとは別の意思決定過程を得て助ける・助けないの答えを出す。
これがRP勢だ。
(のらきゃっと含む一部の慣れたRP勢は、PLからPCへの「どう考える?」というお伺いを立てることなく最初からPCの意思決定のみで言葉を発する場合がある。こうなるとレスポンスが早い)

実に面倒なことをしている奴らであろう。
で、なぜRP勢をジャンルとして区別しようという言説が生まれるかと言うと……大抵「Vの中身」とかの話をされると心に怒りの炎を燃やしてしまうのがRP勢だからである。

RP勢のPLにとって自らのPCはお伺いを立てて常にその意思を非常に苦労して読み取らないといけない存在であり、気持ちの上ではどこまでも他人なのだ。
俺なんかは、むしろ「マジのらきゃっとの気持ちが100%知れるならば知りたい……のらちゃんのことなんもわからん……」と常に思っているくらいである。

この、「確かに自ら生み出したキャラクターなんだけど、コイツの考えてることや喋ること、マジわかるなら教えて欲しい」というもどかしい感覚が、RP勢が「○○の中身はオッサン」とか言われて怒る事の理由の一部を形成しているような気がする。
違うのだ……オッサンは美少女の事全然わからんから美少女が何を言いたいのか常に耳を傾けてないといけないのだ……。

そんなこんなで、俺、ノラネコPとバーチャル美少女のらきゃっと
そして世に多く生み出されたRP勢のPLとPC
彼ら彼女らは、その彼ら彼女らこそが最も悲しく自覚して「どこまでも他人でしかない」のである。

今日もどこかでRP勢たちは「自分のキャラの考えることなんもわからん」と、悲しい鳴き声を上げている。

だから可愛いんだけどね、PC。

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