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A型を疑われない私は靴が揃えられない

「いや大丈夫、ayanoさんは聞かなくても分かるから。絶対に、A!!!」

これを覆したいのだが、残念ながら私はA型だ。
でもちょっと待ってよ。
母親がO型、父親がAB型のAO型のAなわけ。
だからA要素は薄いわけよ。まごうことなきA!みたいなのヤメて?
と一応は言ってみるが、そんなに効果はない。

特に学生時代と会社員時代の知り合いには疑われたことはない。
(ここ最近出会った方かたはどうだろう。今度聞いてみよう。)

私はTHE!A型!という感じ=真面目・優等生キャラなんだそうだ。
頭がいい感じ、時間や期日に遅れない、忘れ物しない、ちゃんとしてそう。
おまけに両親は教師。
「ちゃんと」育てられた「ちゃんと」した人間っぽいらしいのだ。
魚を綺麗に食べられそうとか、ボタンを繕えそうとか、生活リズムが整ってそうとか、そういうこと。
そして、それらの期待に反する裏切りはしない程度の実態も伴っている。
だから、自分でもA型っぽいA型の人間であると自負していた。慢心といってもいい。

そんな「ちゃんとしてる」私は、靴が揃えられない。

自分で気が付いたのは半年前ほど。
まあー、ショックでしたね。そして衝撃だった。
私は「ちゃんとしている」ので、そういったことはすべて完璧にできているはずでは??
靴はよく汚れるなとは思っていたが、ただよく歩くので靴が摩耗しているのだとばかり。

気づけたのは、これまた4歳長女のおかげ。
親の手伝い無しに靴を履けるようになった長女は、ただいまーと言いながら靴を脱ぎ、玄関を振り返ることなく居間へと進む。
玄関のタタキには、よくもまあ…というくらいに脱ぎ散らかされた靴。
あぁもう、と思い私が玄関先で長女の靴を揃える。
どうやって教えようかなあ、と記憶を辿るのだが、
私の記憶のなかに
・親から靴を揃えるように言われたシーン
・自分が靴を揃えなくちゃ、と思って揃えているシーン
が全くないのだ。
どこを探してもその記憶がない。
えぇ、そんな。
そんなバカな。
いや、私はちゃんとしてるはずだから、きっと敢えて揃えてないだけで脱いだ靴がもう揃っているのでは?
と振り返る目線の先には、お世辞にも揃っているとは言えない「脱いだまま」の私の靴。

「ちゃんとしてる」私が、今の今まで靴を揃えてこなかった…?
ショックを受けながら再度記憶を辿ってみるが、自宅に帰宅したときはもちろん、これまでお邪魔してきたどのご家庭でも靴を揃えてこなかった気がする。
途端にすごく恥ずかしい。なんということだ。


私が実家で履くべき靴がきちんと履きやすい向きで玄関に揃って置いてあったのは、母親がそうしてくれていたからなのだ。
一度も「靴を揃えなさい」と言われなかったのは、ただ言われなかっただけなのだ。
あぁもう、と親をなじりたくなる。
「ちゃんと」育てるなら「ちゃんと」教育してよ!!
という気持ちが思わず沸いてしまってから、この年になってから「だって教えられてないんだもん」という言い訳を盾に自分を守ろうとしていることに気づく。さらに恥ずかしい。
なんて甘えた考え方なのだ。

それにしてもみんなどうやって靴を揃えるようになったんだろう?
全員が親から靴を揃えるように、と言われているの?
我が家以外はそうなの?
そうなのパトラッシュ?🐶

そうではないよね。もちろん。
人前で鼻くそをほじらないの!なんて物心ついて以降言われていない。が、やっていない。
それをやってるところを人に見られたくないし、やってる同級生を見てうわぁ…って思ったし。
やたらトイレットペーパーを三角に折ることこそがマナーだと思って家でもやっていた時期もあるが、これだって親に言われた訳ではない。

美は細部に宿る。
とはよく言ったものである。
美とはすなわちケアをしていることであり、ケアをするということはそこに意識を向けるということだ。

つまり、私が靴を脱ぐこと・脱いだあとの靴がどうなっているか、ということに30年以上も無意識だった、ということ。

靴を揃えるタイミングも分からないし、どうすればいいのか分からない。
動作にすれば1、2秒のことだと思う。
でもやったことが無いから分からないのだ。
無意識だから、他の人がどうやって靴を揃えているかを目にとめたことも無い。
そもそも、靴を脱ぐという動作すらほぼ無意識だ。
なんなら靴にすら興味が無かったのだから、仕方がないことなのだろうか。

風水・お掃除的なアレで最近はタタキに靴を出しっぱなしにしないようにしているので、ひと段落したときに娘たちの靴と一緒にしまってしまう。
つまり、今でも靴を揃える習慣はない。

どうすればいいんだろう。
というか、そもそも私は靴を揃えたいのだろうか。
いやそれよりも娘に靴を揃えてほしい。という思いが先立つ。
でも自分ができてないことを娘にやれというのは暴論。

ということは、たぶん、一緒にやるのが早い。
お母さんも靴を揃えたいんだけどさ、とリハーサルしてみる。
「なんで?」
って聞かれそう。
えー、なんでだろう。

え、なんで靴って揃えるといいんですか???

綺麗だから?
ちゃんとしてそうに見られるから?
あ、次履くときに履きやすいからかな?(これ説得力あるね)
いや、それよりも「長女ちゃんが靴さんだったらどうしてほしいかな?」かしら。
これじゃない?

そうだよね、いろんな道を歩いていろんなところへ私を連れて行ってくれてる靴に対して何のケアもなく放り出してるってよく考えたらひどい話だ。
すぐ汚れるから消耗品、って思ってたけど、先に私の方が消耗品みたいな扱いをしてたんではないか。

こんまりさんが帰宅後に靴の裏まで拭くっていう話を急に思い出したわ。
これか。
これだわ。

靴さん今日もありがとうプロジェクト。
娘たちと明日から始動です。


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