不思議でちょっぴりコワイ話
あれは高校時代に遡る。
部活が終わって、そそくさと下駄箱に着いた瞬間「あ、アレを忘れた」と思い出した。今振り返ってもその時の「アレ」は何だったか思い出せないけれども。「アレ」があるのは、いつもそこで勉強に勤しんでいる教室。そうなのだ。目の前には自分の靴を大事に保管してくれている下駄箱があるというのに、わざわざ四階にある教室に戻らなければならないのだ。私は舌打ちをしたくなる衝動を抑えて、仕方なく踵を返すことになった。
階段を登り、ようやく四階にたどり着いて奥のほうにある教室を