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所得制限について思うこと

我が家は所得制限がかからない微妙なラインの世帯。
扶養内でwebライターしている私だが、扶養を超えて税金を納めるようになると、世帯収入で所得制限がかかるだろうと思われる。
だから「所得制限反対!」という声を上げる人の気持ちはわかる。

しかし、所得制限は実は闇が深いのだ。
所得制限を受けている人は、受けていない人よりたくさんの税金を納め、それでいて国からの援助がない状態。
そりゃ怒りたくもなるだろう。
なるだろうが…。

所得制限がない世帯が、所得制限がある世帯よりも質の低い仕事をしているわけではなく、不必要な仕事をしているわけでもなく、ましてや努力していないわけでもなく、むしろ経済を支える重要な役割をしているということを忘れているのではないかと思ってしまう。

なぜ、最低時給で働くバイトやパートがいるの?
そこの正社員の年収はいくら?
中小企業のバイトやパートの最低時給を上げると経営が困難になる理由はなに?
中小企業に仕事を出している会社の平均年収はいくら?

日本は「下を買いたたく社会」になってしまった。
必要か不必要か関係なく、工程が上に行けば行くほど利益を貪る。
コストダウンするために安い海外に仕事を放出し、技術を簡単に明け渡した結果、日本の下請け会社を粗末に扱う社会になってしまった。

で、安い海外が経済発展して、海外発注してもコストがかかるようになって、物価高や人件費高騰にあえいでいるのである。

自業自得ではないか。
このようは社会構造を作った責任を背負うために「所得制限」という罰ゲームがあるのではないか?

という、下で働く立場の恨みのような感情も理解できてしまう。

もちろん、大きな組織に属しているのだから、上の指示に従うしかなく「そんなこと言われても知らん」となるだろうし、下の世界を知らなければ酷使される下請けの現状なんぞ理解できないだろう。
簡単に「なぜ所得制限世帯だけが割を食うのか!?」と怒りの感情に包まれるだろう。
「自分の収入が最低時給に等しい人たちに支えられているかもしれない」など、考えも及ばないだろう。

結局、所得制限を撤廃したとしても社会の問題は改善されないのだ。
リスクを恐れて正社員を雇わず、人材を買いたたいて使い捨てしているうちは、日本経済の復活はないと思うし少子化も改善しない。

日本人はなんだかなだ言いつつ義理人情に厚いのだ。
だからこそ「自分を大切にしてくれない職場に義理を果たす必要なし」と判断し、与えられた仕事をとりあえずこなし、辛ければ逃げるような働き方になる。
それを「今の若者は根性がない」と言うのは、あまりにも無理解。
自分を守ってくれない職場に果たす義理も誠意もないのだから。

だから、収入が低い層は所得制限撤廃を心から賛成できないのだ。
「あなたたち、私たちから搾取しておいて、国からも援助を貰おうというの?」となるのだ。
所得制限撤廃するなら、最低時給1500円で回る社会を作るのが先だろう。
それを実現した場合、おそらく今の高収入を保てない人たちが発生するはずだ。
格差是正のためにも、最低時給1500円は達成すべきだと思う。

こんな発言をすると、大抵「上に行きたいなら努力して行けばいい。それができないのはやっぱり努力不足」という意見が出てくる。
確かに、私のような怠け者は上に行けないだろう(私は自業自得)。
が、ここまで格差が広がってしまうと「下の層の家に生まれた子どもが上の層に行くのは非常に困難」になってしまう。
一方、経済力に恵まれた家庭に生まれた子どもは、ごく自然にアビリティが充実して上の世界に行きやすい状態だ。
「国民総貧乏時代」だった昭和初期とは状況が全く違うのだ。

子どもを持ち、学校に通わせるようになって痛感する。
日本の教育って昭和と大して変わらないよな…と。
先生の負担ばかりが増えている感じ?
なんかこう、もっとITを活用して楽しながら学力向上できる改革をしてくれよって思う。
塾に行ったもん勝ちみたいな教育、格差を後押ししているようなもんじゃん。
週1、2時間の塾で娘の学力が向上したことにも疑問を感じる。
たった2時間でここまで向上するなら、そのノウハウを公立学校にも取り入れればいいのにと。

おっと、話が逸れてしまった。
まとめると、上も下も経験してしまうと「所得制限撤廃!」とは素直に思えなくなってしまうのである。
私がひねくれているだけかもしれないが。

今こそ、安く買いたたかれている労働者は怒るべきじゃなかろうか。
「こんな低賃金でやってられっかよバーカ!!!」
と、声を上げていっせーのーせで仕事休んじゃえ。
「君たちが最低時給で働くのは当然の結果」と言うなら、上の人たちは辞められたって困らないはずなんだから。

過激ですまん。
みんな生活があるんだから、そんな簡単にできないよね。
それもわかってる。
ごめんなさい。

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