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一人旅をしない(長野について)

かつてこだわりをもって好んでいた一人旅を全然しなくなった。人と分かち合えないマニアックなところにあまり行かなくなったのもあるし、非日常を味わうような目的を身近で済ませるようになったのもあるし、寂しくなって旅行に人を誘うようになったのもある。

ほぼインバウンド

僕は一人旅をすると全然外に出ない。アクティブに思われることがあるけどそんなことはない。旅の目的があって、それは食や宿や建物だったりするけれど、その目的さえ満たされればあとはもうなにもしない。なにかしていないと落ち着かないのでどちらかといえば活発なタイプであるのかもしれないが、同時になにかできればそれで満足してしまうのだ。例えば実家に帰る、すると「実家への旅路」が行動になるのでそれ以上はなにもしなくていい。なにもしたくない時すらある。旅する出不精。天邪鬼旅。穏和な活動家。

今回の一宿目、1166backpackers

旅も同じ。宿に着く、そこに泊まることが目的である、するとそれで行動は完了する。あとは宿でまったりしたい。こうなるので、僕にとって「素敵な宿」とは、早めからいれてまったりできる要素(空間、本、音楽など)があり、なによりもそれを良しとする雰囲気がある宿になる。グループ旅行で旅館に行く時なんかは、「チェックイン時刻には入りたいそしてもう外には出たくない」となるのでひどい時にはケンカが起こる。

夜もいいけれど

ひさしぶりに一人旅をしてみるとこんなどうしようもなさを思い出す。
それだけではない。旅をしている時に感じる「なにものでもない」感覚も思い出す。少しずつその感覚を嫌がって、実は避けていることを知る。

衣食住はどれも目に見える具体的なものだ。一方で役割や繋がりといったものは形を取らない。だからそこから離れた時に、はじめてその有り難みを実感する。一人旅をすると「なにものかでありたい」自分とぶつかる。

今回の二宿目、ゲストハウス蔵

僕はゲストハウスを開業したくて、そのために各地のゲストハウスに泊まってみている。けれどたぶん「素敵な宿をやりたい」のではなく、「素敵な宿をやっている人」でありたいのだと思う。この二つは似ているようで違う。今回の収穫である。

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