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ブランディングを任せてほしいので、今日からアートディレクターを名乗ります。

こんにちは、または はじめまして。イラストレーター/グラフィックデザイナー/グラフィックレコーダーの久保田ナオと申します。

とこれまでご挨拶してきましたが、真ん中の「グラフィックデザイナー」を「アートディレクター」へ。肩書きを変えることにしました。


デザイナーの肩書きで不便に感じたこと、アートディレクターという肩書きに期待する役割を(ひょっとしたら同じ不便さを感じている人がいるかもしれないので)書き残しておきます。


デザイナーの肩書きで不便に感じたこと


独立から4年間、埼玉県中央部に位置する比企(ひき)エリアで、地域密着のグラフィックデザイナーとして仕事をしてきました。

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クライアントは地元の小規模事業者さん、自治体・団体さん。
フライヤーやパッケージ、ロゴ等のデザインからスタートし、最近はVI計画やブランディングの仕事も増えてきました。

その中で感じた「不便さ」の説明として、こちらの書籍から引用します。


私たちにとって「デザインする」ということは、
● クライアントをよく観察し
● 課題や問題点や強みを見極め
● オーディエンスや時代、市場を考慮し
● 問題解決する方法を柔軟にクリエイティブに考え出し
● それを可視化して伝わるかたちに落とし込んでいく
ということです。

それに対し日本の「デザインする」ことは、この最後のプロセスの一部である「見た目の良いものをつくること」であると考えられているようでした。


私が感じていた不便さはまさにこの部分。
例えばこんなことがありました。

・商品が出来上がってから(最後に)パッケージデザインを頼まれる
・サービスがテスト稼働をはじめた頃に(最後に)ロゴデザインを頼まれる
・建築が終わってから、(最後に思い出したように)VIを頼まれる

プロジェクト終盤でデザイナーがジョインしても、できることは限られています。
「あぁ、こんなに進んじゃう前に呼んでもらえたら、もっといいサービスor商品にできたのに」と感じることが、年に何度もありました。


また、デザインの打ち合わせで「こんなに突っ込んで聞くんですか?」「まるでコンサルさんみたいですね」と言われることも。

私としてはブランド全体を俯瞰し、ブレがないよう芯を通す作業は、デザインを始める前に必ず行う重要な工程。しかしクライアントの目には「デザイナーの領域を超えた動き」に映るようです。


アートディレクターという肩書きに期待する役割


私が行うデザインのプロセス(=ブランド全体に芯を通す行為)と、クライアントの考えるデザイナーの動き(=最後に見た目を整える行為)の間にある【認識ズレ】

なんとかならないものかとずっと考えてきました。それが今朝突然

「ひょっとしたら、デザイナーという肩書きがいけないのでは?」

「アートディレクターを名乗ったら解決するかも」

「そしてデザインではなく、ブランディングが仕事だと公言しよう」


と思いつきました。
だから、私は今日からアートディレクターです。




アートディレクターを名乗るプレッシャー


アートディレクターは豊富な経験と広い視野、深い思考能力を必要とするデザイナーの上位職です。独立したばかりの4年前は自分がアートディレクターを名乗るなんて考えられませんでした。
美大卒業後、広告業界へは行かず雑貨業界でキャリア形成した私には、アートディレクターを名乗れるような広告経験がなかったからです。

ですがありがたいことに、移住した先の比企で広告やブランディングの仕事をいくつも手掛けさせていただきました。
ブランドが育つ様子を近い距離で見守り、時間をかけて伴走することで、「わたしのやっていることはアートディレクターがしていることと同じだ」と、ようやく今日、ストンと自認できたのです。



【見た目の良いものをつくる人】
 ではなく

【ファンを増やすため or ビジョンを達成するための、ブランディングを行う人】
 と周りの皆さんに認知してもらえるように。

これからも埼玉県比企(ひき)地域で、地域の小規模事業者さんのために、地域の魅力向上のために、コツコツと芯を通して行きたいと思います。



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