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グラフィックレコーディングを使った「地べたで飲み会議」が最高に盛り上がったレポート

こんにちは。イラストレーター/グラフィックデザイナー/グラフィックレコーダーの久保田ナオです。埼玉県比企(ひき)エリアでまちづくり活動をしています。

まちづくり活動にグラフィックレコーディングを取り入れるには、どんな関わり方がいいのか、日々実験と試行錯誤をしています。

その中で過去最高の組み合わせを見つけました。それが
[グラフィクレコーディング×座卓宅飲み×アイデア創発]
です。
長いので今回は「地べたで飲み会議」とでも呼びましょうか。(飲み会議というネーミングは、同じ比企で活動している ときがわカンパニー関根雅泰さんの発案です)

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同じ地域で活動する人たちの飲み会は楽しく、自由な意見が活発に飛び交い、笑いが絶えない空間でした。
例えば、ネギの新しいレシピ案を聞いているのに「ネギネクタイ」「ネギで叩くと痛いから、ランドセルにつけて防犯グッズにしようよ」というアイデアが出てくるくらい脳が解放されています(笑)

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翌日には話したことを忘れている(に違いない)アイデアですが、今回は紙の上に残っています。いつかこのおちゃめなアイデアが役に立つかもしれませんね。

どんな時に活用できる?

アイデア創発の会議は「発散→収束」のループを繰り返します。地べたで飲み会議は感覚が要求される「発散」のフェーズに向いています。逆に論理的思考力の求められる「収束」のフェーズには向いていません。
またはプロジェクトの「初回ミートアップ」に用いてもぴったりだと思います。


「地べたで飲み会議」の作り方

「私の町でもやってみたい!」という方のために記録を残します。


会場
座れる床と、紙を貼れる壁のある場所がいいです。会議室や居酒屋でもいいのですが、家のほうが初対面の人とも距離が近づきやすいように思います。
今回は個人宅。14畳に13人でした。広すぎるよりはぎゅっとしているほうがグラレコをみんなで見やすいです。

参加者
・地元の経営者や起業家 11名 + 運営 2名
人数は5人〜30人くらいまで行けそうな気がします。レコーダーは複数居てもいいですね。

テーマ
課題解決系よりは、アイデア創発が向いています。
今回は「自分のビジネスアイデアをふくらませてみよう」でした。

準備するもの
・ローテーブル
・食べ物、お酒(今回は一品持ち寄り形式)
・筆記用具(プロッキーなど)
・A3コピー用紙
・マスキングテープ

プログラム(片付けを除き、2時間)
・乾杯
・今日の目的の共有
・1人30秒の自己紹介
・歓談タイム
・まとめ
・会場片付け(グラフィックレコードはプレゼント)
・解散


可視化の方法
飲食しながらの歓談タイムに可視化します。今回は10名いたので自然に2〜4人の4グループが産まれました。順番に回りながら議論を可視化します。
レコーダーはアイデアを考える役になるのではなく、「それ面白いですね!」と盛り上げ役になると上手く行きます。

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紙について
住宅は会議室と違い、襖や戸棚があるので模造紙を貼れるフラットな壁があまりないです。
床でA3コピー用紙に描きました。壁から遠い位置にいるグループにも混ざりやすかったほか、紙を見ながら話す&話者にペンを渡して書きながら話してもらうという流れが生まれやすく、よい結果になりました。
後で当事者に紙をプレゼントできるよう、別の方の話題に移ったら新しい紙にするといいですね(仮に混ざっちゃってもハサミで切ればOKなので、気にしすぎず)

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人の動き
飲み会らしく人の移動は自由です。出たり入ったりくっついたり。有機的に皆さん動きます。他のグループがどんな話をしているのか気になるのか、壁に貼ってあるグラフィックレコードを読み取る動きもみられました。

参加者の感想

終了後の皆さんはとても満足そうで「笑いすぎて顎が痛い」という声すらありました。いくつか抜粋してご紹介します。


・異業種交流という面でおおいに刺激を受けた
・自分の方向性を確認できた
・ざっくばらんな雰囲気もgood
・ふりかえり・議論・懇談・アイディア出し等、様々なコミュニケーションが見られた時間でした。
・会場のレイアウト含め、実験的な要素が強かったと思うので不満はありません。今回はあのくらいのラフさが良い方向に作用した印象です。


今後の課題

私も感じていた課題を、アンケートに見つけました

目的に応じて、話しやすさや席移動のしやすさ等を調整すれば、色々な集まりに応用できる気がします。例えば地域活性のアイディア出しの集まりがあるとして、昨夜のような形を最初に行うことでアイスブレークとブレーンストーミング的に意見を出し合い、次には改まった形での議論を経て結論を出すような。理想はこれを泊まりがけでやることですかね』

①飲み会という「ラフで自由な空間」
②ワークショップや会議のような「目的や方向性のある空間」
この両者のバランス(配合比率)は、非常にデリケートで感覚的なものです。
これからも手探りとトライアンドエラーが必要ですね。


これからも「まちづくり」に活きるグラフィックレコーディングを実験し、レポートしますね。ご覧いただきありがとうございました!


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