いつもと同じでお願いします
通っていたネイルサロンが突然なくなった。
ホットペッパーから掲載情報が消え、電話も繋がらなくなった。予約するすべがないから、もうなくなったことにするしかなかった。
美容院も、ネイルサロンも、初回割引が存在しているのを加味しても、新しいところに行くのはけっこう嫌。いつも同じがいい。
「いつもと同じ前髪でお願いします」みたいなコミュニケーションで成立するのがどれだけ楽なことか。そんなことを考えながら、すこし緊張して店に到着すると、クールでテキパキした印象のネイリストのお姉さんが出てきてくれた。
初回ということでカルテみたいなものを渡されて、書かないといけない。日付が分からなくてそこで手を止めていたら、お姉さんが「今日は10月はたち…あっ20です!にじゅう!はたちって……」とおちゃめな間違いをしながら日付を教えてくれた。
爪を赤くしたらなんかテンション上がりそうだな~ということで、今回は赤のワンカラーを塗ってもらうことに。完成した爪を見たら、やっぱり自分の見立ては正しかった。これは、テンションがあがる。
テクテク歩いて青山ブックセンターへ。やっぱり紙の本を買うとなると、装丁のかわいさなんかも含めて魅力的に見えてくる。2冊買った。
帰って、絵を少し描いたらジムに行く時間になってしまった。ジムから帰ってきて、絵を少し描いたら今度はゴルフレッスンに行く時間に。正直もう今日は歩きたくなくて、絵も全然進んでいなかったから、ゴルフには行きたい気分じゃなかった。
「家から出たくないよ~~~ぅ」みたいなことを大きめな声で呟いてみたりしながら、出発。なんか先生もいつもと違う人だった。私はそもそも「いつもと違う」ことがあまり好きじゃないというのに……
帰ってからもぜんぜん絵が進まず、他人に「ぜんぜんうまく描けない><」みたいな弱音を吐きながらどうにか描き進める。完成したものも気に食わなかったけど、インスタに載せて、眠った。
お風呂は、さぼった。
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