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『空の色、水の色。』

この記事でも書いたんですが、心地よいグラデーションってひとの目を引くんですよね。

Illustratorがあれば簡単につくれるんですが、その環境がないとか、毎回つくるのがめんどくさいということもあるので、いろいろなバリエーションをつくって画像化したものを、BOOTHで販売しています。

Illustratorでは裁ち落としつきのハガキサイズでつくっていたのですが、600ppiで書き出せばB5くらいまで耐えられそうなピクセル数になったので、そうしました。なだらかな色変化なので、そんなに重くならなかったのもあって。
ちょっとした宣伝でも、色付きの画像をつけると目につきやすいので、白地でタイトルだけ入れてツイートにつける、といった使いみちもありそうです。



方向性のないグラデーションのつくりかた

こういうグラデーションは最近のIllustratorを使うと、簡単につくれます。

深夜から明け方、快晴の昼間、曇りの日、その他の色相(空にあまりない色)、という感じで、分類しながらつくっています。縦型と横型がありますが、単純に回転したものではないです。

グラデーションパネルフリーグラデーションのアイコンがあったら使えます。現時点でAdobeが提供しているものなら、たぶん入ってます。

ポイント型とライン型があります。

混ざり合うときに色に含まれる色みがでてくるので、黄みが入っている水色と、赤みが入っている水色では、全体の印象がだいぶ違います。サムネールだけ見ると、これとこれ、同じじゃない?と思うのですが、広げてみると違うものだというのがわかります。
本当は自分で調整したほうが、思い通りのグラデーションになるんですが、Illustrator持ってないとか、色の組み合わせで悩むとか、そういうときはすでにリストアップされてるものを使うと、簡単に取り入れられると思います。かたちがないので、回転したりトリミングしても使えるし。

ポイント型は色の点を置いていく感じ。2、3色くらいが扱いやすいと思います。位置も色に影響します。
色をひとつ入れ替えるだけで、別物になります。
微妙に色みの違う色がたくさん必要になるのですが、見分けがつかなくて混乱するので、時間帯や季節のイメージで名前をつけました。
ライン型は、夜明けや夕空など、地平線イメージのグラデーションに使っています。
空の色って鉄板で引かれやすいので、参考にするといいです。青ベースで、夕暮れの紫やピンク、太陽の赤、曙の黄色やオレンジ、雲の白を混ぜていくとつくれます。曇り空の青みがかったグレーも素敵。


色調補正や合成で色みを変える

サンプル画像にも入れているのですが、グラデーションを重ねて合成すると、新しいグラデーションをつくれます。

組み合わせるだけで、無限にいろいろつくれます。

こういうことにも使えそうだな、と実験してみたらうまくいったのがこれ。滲みがきれいにでますね。

水彩のテクスチャは、絵の具を画用紙に適当に塗るとつくれます。PCでつくるより、アナログでつくったほうが簡単です。画用紙で滲み具合が変わるので、いろいろな紙で試すといいと思います。

自然をテーマにつくったので、基本的にビビッドな色は使っていないのですが、色調補正で彩度強めに調整すると、派手な場面にも合いそうなグラデになります。淡すぎる、薄すぎる、という場合はこの方法で調節してください。濃いめのグラデを淡くすることも可能です。

plusP_06.jpgです。
照明が切り替わってディスコみたいな感じに。


ぼかしてなじませる

パーティクル入りのものは、ぼかしを入れてパーティクルのエッジをグラデとなじませて、雰囲気を調整することもできます。

パーティクル入りのも少し用意してあります。パーティクルのみのデータもあるので、好きなグラデに好きなパーティクルを重ねて合成してください。[描画モード:スクリーン]などで重ねるといいと思います。
「plusP_13.jpg」です。
ちょっとぼかしてみた。
ぼかしを強めにすると、グラデとよくなじみます。

ぼかしたところに、さらにパーティクルを重ねると、奥行きも出ると思います。

パーティクルについている色は、描画モードを変えるといい感じに合成されます。白にしたいときは、色調補正やレイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を使う手があります。
「prc_02.png」あたりを追加したんじゃないかと。手前が鮮明、奥がぼんやりで、奥行き感が出ます。


リボンバナーなどを重ねる

グラデーションは、BOOTHで販売している他の素材の背景としても使いやすいです。素材の色は、1色構成なら、Photoshopのレイヤースタイルや色調補正メニューで簡単に変えられます。Photoshopで色を変える方法、他にもいろいろあるので、使いやすいものを選んでください。

カリグラフィ風のフレームを集めた素材集です。1色構成なので、合わせやすいです。
素材は黒1色なので、これを白にします。ここではレイヤースタイル[カラーオーバーレイ]を使いましたが、[イメージ]→[色調補正]→[階調の反転]でもいけるのではと。
白くしたついでに、[光彩(外側)]でぼうっとした光感も追加してみました。

リボンバナーのほうは、白と黒の2色構成なので、描画モードの特性を利用します。

線が黒、内側が白で構成されています。
描画モードの[スクリーン]は、明度が低い部分、この場合、黒い部分が透明になります。
線部分が透明になりました。背面のフレームが見えている部分が気になるなら、その部分は選択範囲でマスクつくるといいと思います。わたしはあまり気にならないので放置します。
存在感が強すぎるときは、グループ化して[不透明度]を下げると、いい感じになじみます。
レイヤー別々に[不透明度]を下げると、リボンバナーからフレームが透けてしまうので、こういうときはグループが便利です。

この他にも、サンバーストがあります。こちらは1色構成なので、フレームと同じ方法で色を変えられます。サンバーストとリボンバナーも合わせやすいです。


パーティクルのつくりかた

グラデーションやサンバースト、パーティクルなどのつくりかたは、『つくるデザインIllustrator』に具体的に書いてあります。検索でその都度つくりかたを探すより、1冊にまとまったもので練習して頭に入れてしまったほうが、組み合わせていろいろつくれるようになるので、効率よくなるんじゃないかなあと思います。手を動かしながら機能をひととおり覚えられるように設計してあるので、1冊終えるころにはいろいろなものがつくれるようになっていると思います。

細かく説明すると長くなるので、概要だけ書いておきます。
使うのはだいたい、

  • 適当なグラフィックスタイル

  • [ラスタライズ]

  • [モザイクオブジェクトを作成]

  • [オブジェクトを再配色]

  • [個別に変形]

  • [形状に変換]効果

  • [アンカーポイントの追加]

  • シェイプに変換

です。

ライブラリから適当なオブジェクトスタイルを選んで、色がバラけそうなテクスチャをつくり、それをラスタライズしてモザイク化したものをばらまく、という流れです。カラフルじゃなくてよければ、単色の長方形からスタートしてもかまわないです。
正方形から円への変換は[形状に変換]効果、三角形への変換はアンカーポイントを追加して(8角形だよとイラレを騙すことで)シェイプに変換後、角数を3にする方法でいけます。こうすればあとは何角形にも変換可能。色は[オブジェクトを再配色]でビビッドに変えています。
大小さまざまな向きで散りばめるには、[ランダム]にチェックを入れます。値が100%や0などから遠ざかると、派手に変化します。


星のパーティクルをつくる

最近のIllustratorで、やっと星がシェイプの仲間入りしたそうです。『きほんのイラレ』のときに予言してたんですけど、思ってたより時間かかりましたね… 何か技術的なことで無理なのかと思ってました。

スターシェイプも、シェイプの基本がわかっていたら、応用で使いこなせます。
長方形を星に変換することは可能なので、これでパーティクルの粒を星に変えられないかな、とやってみたのですが、うまくいくときといかないときがあります。

凹みのある多角形にすると、スターシェイプに変換できるようです。長方形の場合、[ジグザグ]効果で辺を凹ませてから変換すると、「スターシェイプ」になります(たまにならないことがある)。
星のマークがでたら「スターシェイプ」に変換されているのですが、「多角形シェイプ」になることもあったりします。[ジグザグ]効果の凹みを深めに入れたほうが、星に変換されやすいみたいです。凹みがあればいいというものではなさそう。いまのところ。
スターシェイプに変換しても、第一判型と第二半径の比を揃えることはいまのとこできないみたいなので、星のかたちは揃わないんですよね…
角数は揃えられるのですが、第一半径と第二半径の「比」を揃える項目はいまのところなさそうです。そのうち追加される可能性もありますが。

なのでいまのところは、従来みたいに星を複製して散りばめる方法が手堅いかもしれません。星がシェイプになったことで、角数の変更が簡単になっただけでも便利になったと思います。

星を複製して[個別に変形]で散りばめ、変形パネルで角数変えています。ただし、五芒星を六芒星に変えることはできなそうです。
六芒星にするには、いったん第一半径と第二半径を入力して同じかたち&サイズに揃え(シェイプは一括で同じサイズに揃えることが可能)、[個別に変形]でサイズをランダムに変更する方法をとるしかなさそう。
結局のところ、三角関数使って第一半径と第二半径を計算するか、オブジェクトから計測するしかないので、素直に星描いて散りばめたほうが楽そう。下の空欄にそのうちチェックボックスが用意されるんじゃないかという気もしています。

星がシェイプ化したことで、星のセンターポイントが本来の中心に来てくれたのはだいぶ助かります。もう円をガイドにつけなくていい。

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