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穴守稲荷神社(羽田)

伊勢神宮に行って以来、人が少ない観光地を引き当てる連続記録を更新中です。
今回も人がいません。
羽田の穴守稲荷神社です。
(他のかたのブログを見ると、人が多すぎて写真が撮りにくい、とか書いてあるので、ふだんはたいへん賑わっているのだろうと思います。インバウンドしてそうだし)

住宅街の中に突然あらわれる。

そもそも稲荷大神は、畏くも伊勢の外宮に斎き祀られる豊受姫命にましまして、衣食住の三要を守り給える最も尊き大神なり。吾等一日たりともこの大神の恩顧を蒙らぬ日はなく、実に神徳広大なり。

https://anamori.jp/yuisho.html#saijin

御祭神は、豊受姫命(とようけひめのみこと)です。伊勢の外宮の神様。
京急で羽田空港へ向かう途中に、「穴守稲荷」という駅があるのですが、穴守稲荷って何?と気になって調べたのがきっかけです。結果、羽田空港の歴史まで追うことに。
どうやっても動かせない大鳥居(実際は祟りとかそういうのではなく、土台が本当に頑丈につくられていた、というオチらしい)があるとか、終戦まもない頃、連合国軍の指令により、この辺の住民が48時間以内に強制退去させられたとか(無理…)、いろいろなエピソードがあります。気になるかたは、羽田空港のWikipedia読んでみてください。B滑走路の下に、旧日本軍の飛行機がいろいろスクラップされて埋め立てられて眠っているらしいです。

デイリーポータルにもいろいろまとまってました。謎がとけた…



鳥居だらけの神社

とにかく鳥居が多い神社です。そこかしこに鳥居が落ちているという感じ。稲荷神社ってふつうこんなだっけ?

人間サイズの鳥居の横に、小さな鳥居がドミノみたいに並ぶ。小さな神様専用…?
吹寄みたいにあちこちに鳥居が集まっていました。お守りと一緒に鳥居も頒布していたので、絵馬みたいに願い事を書いて置いておくシステムなのかも。
奥之宮側から見た千本鳥居。


稲荷山アトラクション

奥のほうに、稲荷山(たぶんコンクリでできた人工の山?)があって、その上にも神社があります。山は階段で登れます。これがアトラクションみたいでとても楽しいです。

サイトのトップページにある稲荷山、どこにあるんだろうと思ってたら、奥のほうにありました。
稲荷山登山口。
登っていくと景色が変わる。
屋根の装飾もしっかり見れるのうれしい。
登り切ったところに稲荷上乃社があります。
横に御嶽神社もあり
ここから拝め、という指示に従うと絶景が見えます。
見下ろすと、岩から張り出した横側に小さな神社があります。一番左側は航空稲荷。千本鳥居の横にも小さな神社がぽこぽこあり、財布の小銭をあらかた持っていかれます。
この風景、かなり面白いです。『シン・ゴジラ』とかにもでてこなかった? ここに移転したのは戦後なので、昭和期のアイデアなのかな。←と思っていたら、稲荷山竣工は令和2年らしい。新しいんですね。


狐もたくさんいる

鳥居と同じくらいたくさんいるのが狐。狐もあちこちに落ちています。

山の麓の洞窟みたいなところにも神社が。手前の鏡のミニチュアもかわいい。

福砂を持ち帰らせてくれます。へー、くらいの感じで持ち帰ったけど、由来を調べてみたらちゃんと昔話がありました。

この砂を持ち帰って撒くといいそうです。撒きかたなどはサイトに書いてあります。

此より後 翁漁に出ずる度大漁なり 魚篭には許多の魚と僅なる湿砂あり 嫗此の砂庭に撒くに忽ち千客萬来す 斯くて翁冨を得る
故 翁に肖り御砂以て招福の徳を得むと 穴守の砂求むる者四方八方より訪れり

https://anamori.jp/yuisho.html#suna

おじいさんが漁から帰るとカゴの中身は砂になっていて、村人に相談したところ、狐の仕業に違いないということで狐を捕まえた。でもおじいさんがその狐を離してあげると、それ以来大漁に恵まれることに。カゴの中には魚と少しの砂があり、その砂を庭にまくと千客万来、という流れのようです。途中の文脈がよくわからないところがあるので、想像でつないでみました。

いたるところに狐がいる。

ここからいい鉱泉も出たらしく、ネタが尽きない神社ですね。
家に帰ってからいただいたパンフレット(御朱印と一緒にもらった)見ると、見逃したポイントがいろいろあったことがわかりました。

水琴窟になってるそうです。ぽぴーんといういい音がしていた。賽銭箱もミニチュアサイズでかわいい。
狐さんをたくさん見たいかたにおすすめ。いろんなデザインの子がいます。


天空橋まで歩いてわたるミッション

このあと流通センターで開催中の文学フリマにも立ち寄ろうと考えていたので、モノレールに乗れる天空橋に向かいます。
穴守稲荷神社から天空橋駅までは1kmもなさそうで、地図の上ではじゅうぶん徒歩圏内に見えます。ただし、人間が歩いて渡れる橋があるかどうかは賭けでした(このへん、車しか通れない橋もあるので…)。
結果、なんだかんだで3本くらい橋はあるので問題なかったですが、そのうち2本(たぶん穴守橋と稲荷橋)は渡ってもその先が封鎖、ということで、天空橋を渡りました。

天空橋の駅まで行くには、どこか橋を渡らなければならないのですが、ここは渡れるけどその先が封鎖されているとのことで、他を探す。
天空橋を渡る途中、遠くに鳥居が見えました。穴守稲荷の結界広すぎ…?
たぶん旧一の大鳥居(移設したもの)なんじゃないかな。機会あったら行ってみたい。

天空橋を渡り切ると、すぐ京急とモノレールの天空橋駅に到達します。わかりやすい。
穴守稲荷神社は京急の穴守稲荷神社駅から近いし、天空橋駅もすぐ近くなので、荷物が少なくて元気があるときなら、飛行機のるついでにも寄れそうな感じでした(気力がないときはやめたほうがいいです)。

湾岸沿いの更地の景色が好き。以前、湾岸の倉庫街みたいなとこに住んでいたんですが、橋を渡ると昔ながらの住宅街に切り替わるところが、『3月のライオン』と同じでした。

誰もいない薄汚れたレトロモダンな駅に、日本語・韓国語・中国語の無機質なアナウンスがひんやりこだましていて、これこそ日本式ディストピアという感じなので、あたらしい観光資源になるのではという気がしました。
駅で、アジア系言語数種類が交錯するアナウンスきいてると、ここどこだ…?という気分になりませんか。

電車が去ったばかりで、誰もいないホーム。

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