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自己紹介

はじめまして。
形成外科医をしている野田良博(のだよしひろ)です。
この度、地域医療の分野で働く医師を支援するためのサービスを立ち上げるため、curewith株式会社という会社を起業しました。
それにあたって、医療の課題等に対する情報発信の場としてnoteを書き始めようと思います!
今回は初めての投稿となるため、自己紹介です。


生まれ育ち

1987年生まれ、神奈川県出身です。
小・中・高と地元の学校に通ってきましたが、医師という職業に魅力を感じ、医学部を目指しました。

大学時代

大学生の時に部活の仲間と行った神の子池

浪人の末、第一志望だった札幌医科大学(通称「札医」)に入学しました。札医は地域医療に力を入れており、実習でも離島の診療所等で実情を伺う機会に恵まれました。
卒業後は、東京医科歯科大学(2024年度「東京科学大学」)で初期研修を行いました。ここでは信じられないくらい優秀な同期が全国から集まっており、非常に刺激的な毎日でした。その後、日本医科大学形成外科に入局し、形成外科診療に従事するようになりました。

形成外科医になってから

形成外科は「見た目の異常を治す」診療科と紹介されることが多いと思います。対象とする疾患は形態異常から外傷、腫瘍、炎症・変性疾患まで様々です。形成外科は都市部の総合病院で見かけることが多くなりましたが、地方などではまだまだマイナーな診療科です。
医局では懐の広い上司の先生方に恵まれ、診療から臨床研究まで幅広く経験することができました。外科医になったにもかかわらず、経営や仕組みなど手術以外のことに熱中している私を温かく育てていただきました。

臨床現場で感じた限界

臨床現場では、様々な地域(都市部~地方)、様々な規模(大学病院~在宅)で様々な患者さん(子供~高齢者)の診療に当たってきました。
医師の仕事のやりがいを感じる一方、増え続ける医療費や医師の偏在、医療現場の疲弊など、様々な課題を第一線で感じるようになりました。いろいろ工夫をしてみても、どこか表面的な効果にとどまっているように感じました。これらの課題は医学の発展だけでは解決困難で、構造上の問題など社会的なアプローチが大事だと感じるようになりました。そして、仕組みを作る側に行けば、解決できる問題も多いのではないかと思うようになりました。

行政のスタンス

その後、より川上において、物事が決まる仕組みに携われば何か変わるかもしれないと思い、東京都に入職しました。ちょうど新型コロナが拡大しているさなかで、都庁の中も立て続けに救急を受け入れる野戦病院のような状態でした。一方で、そのような状況だったからこそ行政の転換期に真正面からぶつかり、中身の濃い1年を過ごすことができました。
公務員として働く中で、行政にも限界があることを学びました。
・「公平性」など行政として守るべき前提条件が複数あること
・新たな挑戦をする場合は、なぜ今までの方法ではいけないのか「説明責任」を求められること
・従来の方法でうまくいかなかったときは、なぜ新たな取り組みをしなかったのか説明を求められること
・「正確性」を求められるため、スピーディーな対応が難しいこと
・行政組織も部署等によってさまざまな立場があること
・政治家など別の思惑を持ったステークホルダーが多数いること
他にも、今まで医療の世界しか見てこなかった私は様々なことをシャワーのように浴び、非常に替えがたい経験となりました。
そして、行政でできること・できないことがある程度見えた段階で退職を決めました。

医療の現場に戻って

再び臨床の現場に戻りました。行政の視点を持ちつつ、専門性が高い形成外科という診療科の中で働きながら、訪問診療や救急のような専門外の診療にも触れる機会があります。
改めて専門外の疾患・病態に対しストレスを抱えながら診療を行っている医師は非常に多いということを感じました。訪問診療のような総合診療医が増えつつある昨今では地方だけでなく都市部においても同様の悩みを抱えた医師が多いと感じました。
一方で、マネジメント面の理解から
・様々な診療科の医師を確保するにはコストがかかるが、必ずしもそのコストを回収できるとは限らない
・医師1人のみの外科系診療科は診療内容が大きく制約を受け、医療圏での診療完結に対する貢献度は限定され得る
という2点に課題感を感じるようになりました。

この先

私は、今後求められる医療体制は
・病院:集約→医師も集約しhigh volume化と負担軽減の両立化
・診療所:総合診療の拡大→頻度の多い疾患をできる限り医療圏で完結
のようなスタイルに進んで行くのではないかと考えています。
その理由は医療機関の運営コストと、行政視点でみたときに幅広く診療できる医師の方が医療圏内における貢献の期待値が高いからです。
そのためには、医師が専門外の診療に対してスキルを拡張できる環境が必要と考え、今回専門外のリスキリングを支援するサービスの立ち上げを決心しました。
当面は、民間の立場から、持続可能な医療の仕組みづくりに貢献することが目標です。

ここまでお読みいただいた方に御礼申し上げます。
今後も情報発信を続けてまいりますので、引き続きご支援の程よろしくお願いいたします。

#医療 #起業 #地域医療 #ヘルスケアビジネス