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知りたいけど、知りたくなかったお金のこと

そろそろ暑さの始まりかと衣替えを終えたばかりなのに九州の朝晩はまだ肌寒いです。
春から一人暮らしを始めた人も、生活に慣れ始めてあれやこれやと買い足すのが楽しい頃でしょうか。

2024年5月10日に牡牛座新月を迎えたいまの時期は「お金」について考えると良いタイミングらしいです。
私もこれまでのお金との関わり方を「家計簿」を軸に振り返ってみることにします。


プロローグ:私が受け継いだもの

私の母はいわゆるどんぶり勘定な暮らしぶりでした。いままで家計簿の類をつけるのをみたことがありません。今でもどうやりくりをして生活しているのか分からないよね、と兄弟間で話題にでるほど不思議な暮らしぶりなのです。

どんぶり勘定といっても、豪快な使いかたではありません。こまごまとした浪費が多いタイプで、口癖は「お金がない」「お金持ちになりたい」でした。お金を持ちたいと願っているのに持っているお金のことを知ろうとしないのです。貯金なんて全くありませんでした。

予定としていくらの支払いがあるのか、普段何にどれくらい使っているのか、残高はいくら残る見込みなのか、ということを知らないというのは、確実に減っていく数字を見ずに、底をついてしまったらどうしようと不安でいる状態だと思います。(目隠しをして歩いているようなものです。何の罰ゲームなんだろう。)
そんな状況で精神的に健全でいられるほうがどうかしていると思います。ですが母は知らないうちになくなっているより、目に見えて減っていくのを知ってしまうことのほうが怖いようなのです。かつての私がそうだったのでよく分かります。

その母が、私の一番身近で生活を見せてくれた人です。その生活しか知りませんでした。

私が家計簿をつけるきっかけ

私は社会人になってしばらくして一人暮らしを始めました。
社宅に入っていたので家賃・光熱費は給料から天引きでした。当時の暮らしぶりは、どんぶり勘定そのものでした。
実家にいたときも、貯金ができたためしがありませんでした。

しばらくは一人暮らしの解放感でテンション高く過ごしていました。数ヶ月が経つと給料日が近づくにつれて不安になることに気が付きました。
衝動的に買ってしまったがために、次の予定の予算が減り、食費を削って補填する生活。買うものがあるたびにお金をおろし、給料日前には食品の買い出しもままならないことも度々ありました。友達の誘いも「給料日前だから行けない」といって断っていました。
だいたいこれくらい使えるだろうという感覚でお金を使い、まだ使える残高があればラッキーという生活でした。そんな自分の無計画さはどうやらいかんらしいと気付きはじめました。

知りたいけど、知りたくないお金のこと

計画的にお金を使えるようになるために、まずは現状把握が必要でした。
ですが、私は知るのが怖かったのです。必要なお金を差し引くと、自分が自由に使えるお金がこれっぽっちしかないと分かってしまうのが怖いと思ったのです。

現状を把握するためには家計簿を付けるのだと知っていたのですが、付け始めるまでに何度も葛藤しました。それには、もうひとつ理由がありました。

家計簿はハードルが高かった

私の家計簿のイメージは「卵1パックの値段」まで把握することでした。1円の使途不明金も許されない。家計簿さえ完璧につけられれば、お金を管理できる。お金が管理できれば、計画を立てるのもうまくなるはずだ。お金は一生関わるもの、つまり一生付け続けなければならないと思っていました。

そんな「あるべき論」の家計簿を気合を入れて付け始めました。意気込んでつけた家計簿は、毎月のように数百円~数千円の使途不明金が出てきました。私は頭を悩ませていました。
まだキャッシュレス決済が浸透していない時でした。レシートとにらめっこをして、1つ1つを正確に記入したはずなのに。
眉間にしわを寄せて記憶をたどり、分からなければ落胆する。こんなことを一生続けていくのかと思うと嫌になりました。
次第に「支出を把握すること」から「綺麗に家計簿を付けること」が目的になっていました。

そのことに気づいてから、目的を整理することにしました。

私の家計簿ルール

  1. 目的を明確にする

  2. 目的を果たせばやめても良い

  3. 細かく付けすぎない

私の場合はまず「ひと月に自由に使えるお金」を把握できればよかったので、記載する内容を見直しました。すると、この目的には「卵1パックの値段」は重要ではないことが分かりました。
細かく付けることをやめ、レシートの合計額だけを書くようにしました。
ある程度把握できたタイミングで、家計簿を付けるのをやめました。

ある時は「無駄な支出がないか」を把握したくなったので変動支出の分類をしました。レシートの合計額だけを記載する方法から、商品の分類ごとの合計で記載するようにしました。食費、医療費、服飾費、交際費といった具合です。食費もスーパーと割高なコンビニとで分けました。
そうして、自分の生活習慣を見直しました。

この先、商品一つ一つの値段の推移が知りたくなったら「卵1パックの値段」を記載していくことになるでしょう。
家計簿を付ける目的は、その時々によって変わるものだと知りました。また、その目的によって記載する内容を変えて良いと知ったことは、私の家計簿に対するハードルを大きく下げました。

安心して暮らすには、まず知ること

お金のことを知る、把握しておくというのは安心に繋がりました。
初めは自分の所持金の少なさにがっかりするかもしれません。自由に使えず苦しいかもしれません。思っていたより使い込んでいて驚くかもしれません。
でも知らないことには、何が無駄なのか、何を省けるのかも分かりません。

付けてはいるものの、細かく付けすぎてしんどい、綺麗に書くだけで満足していたという方は目的の見直しがオススメです。

私は今は大雑把に収支の確認を続けています。そのために引き落とし用口座を一つに絞り、貯蓄用の口座を作ったりして整理しました。
出来るだけ出し入れしないような仕組みにしたり、変動費は電子マネーで支払うなど、管理するのが簡単になるように整えていきました。付ける内容が多いほど、付けるのが嫌になった私の経験からです。

また、家計簿はエクセルで自分好みに作りました。自分さえ分かっていれば良いので「付けやすさ」「取り組みやすさ」も考えました。エクセルなら計算もしてくれるので楽です。簡単そうなアプリがあればそれも良いですね。
市販の家計簿で自分に合うものを探すのは時間もかかります。ノートと電卓を用意して時間を確保し「よし!書くぞ!」と気合いをいれて取り組むことが私には難しかったので、隙間時間にスマホから記入できるスタイルが合いました。

私のように、家計簿のハードルをコレでもか!とあげまくっている方の参考になれば幸いです。

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