僕の少数派な面の話、性別編

自己紹介第二弾のようなそんな話がいくつか続きます。なんだかきちんと目次をつけて書くタイプの字書きではないな、と思ったので、長々と文字が並ぶ記事になります。

生まれながらの自分の性別に嫌悪感というか受け入れられないというか、自分のはまっていい場所ではないという感覚がある。かといって逆の性別になりたいか?と言われるとそれもまた受け入れられないな、と思う。
そんな感じの感覚というか、周りの人間となんだか確実に違うなっていう感覚はたぶんどこかでずっとうっすら持っていて。何のきっかけだったかはもう忘れてしまったけれど、なんとなくの無視できるくらいだったうっすらした感覚が、何の前触れもなく実態を持って迫ってきて、本当に自分はどこまでも普通じゃないのかもしれない、と思った。
普通という言葉のこんな使い方は良くないというのは十分すぎるほど知っているけれど、それでも忠実に当時の、そして今でも自分のどこか奥の方に存在している感覚を表現するのには他のどんな言葉も正確ではないからそう表現します。

突然に迫ってきた感覚に恐怖ではないけれど恐怖に似たようなものを感じて、急かされるようにネットを開いて検索した。…ような気がする。そうだったという記憶のもと書いたけれど、書いてしまってから本当にそうだったかどうか自信がなくなってしまった。もう何年も前、高校一年生くらいの時のことだから、細部がはっきりしなくても無理はないと思いながら、自分自身に関する、それも核に近いような部分のことをそんなに簡単に忘れるものだろうかとも思っている。覚えていたとて、きちんと考えたとてどうしようもないことだから見ないようにしているうちに、ぼやけてしまったんだろうなと思う。そうすることで、生きていくために。
とんでもない脱線をしたが、ともかく当時ネットを開いて検索したのは間違いない。検索して、いろいろな言葉と定義と、体験談といろいろなものを見てその時の僕にとってしっくり来たのが、Xジェンダーのなかの「無性」だった。

無性とは、男性・女性どちらの要素も持たない性自認のことです。すなわち「男女どちらとしての感覚(認識)にもあてはまらない」という自認をしている人がこれにあたります。

 JobRainbow「Xジェンダーとは? 【男女の枠に属さないってどういうこと?】」より

当時の僕が見たサイトということでJobRainbowさんのものを引用させていただいた。が、"無性と自覚している人には「男と女、2つの性別が存在している」という認識がない"、というのは僕の感覚とは相いれなくて、「生物学的にも性自認的にも男女の二つの性別というものは存在していて、それを認識したうえで自分は、性別のグラデーションバーを想定したときにバーの上のどこにも存在していない」が一番自分の中で的確な表現かな、と思った。
だから本当は自分のことをXジェンダーだとしていいのかどうかもよくわからないのだが、性別とか性的指向とかに関してはサイトによって、人によって定義が違うなんて実際本当によくあることだから、ざっくりとでも簡潔に表せるからいいか、と思ってとりあえずいいということにしている。まあ、実際にネット上以外の場所で開示することなどないのだが。

正直なところ、自信をもって自身をXジェンダー無性の人間である、と認識しているのか?と聞かれたら即座に肯定はできない。そうだと自分では思っているけど、そう定めることが許されるのかどうかはよくわからない。はっきりと自分をXジェンダーだと認識している他人からしたら許されないのかもしれないなとも思っている。

なんとなく最近思っているのは、自分にとってXジェンダーである無性である、というアイデンティティというか、その裏にあるものというか、それはなんだか祈りのようなものだなということ。
世界では人は男か女かどちらかであることの方が当然でそれに疑いの余地なんてない、そちらの方が当たり前で。生物学的に、医学的に自分はこっちだって確定していて覆らないもので。僕は覆らないものだということを納得しているし、自分の状況でそれを覆そうとも思わないけれど。
色々なものを鑑みた時に絶対に叶わないことはわかっているから、普段の生活で口にすることはないし叶えようとも思わないけれど、男でも女でもなんでもない透明なままで居られたらよかったのになという、誰に向けたものでもない祈りのような感情。

僕が今自分の性別について自分で思うのはそんな感じが一番近い。
こうしてほしいだとかこうなりたいだとか、ないとは言わないけれど自分に見える世界を見ていて、自分の場合は現実的に望んでも無理だなと思うから。だから、こうしてほしいともこうやって生きていたいとも望まない、でも誰にも干渉されない自分だけの心の聖域で自分の望むように生きられたらよかったな、と思うだけ思っている、そんな感じ。

2024.2.29


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