見出し画像

購入頻度が低い「買い回り品」の特徴を理解したマーケティング活動をしよう #マープス

無料のマーケティング講座「マープス」は、「買い回り品・専門品(比較検討の上、購入される商品)」のトライアル購入/リピート購入について、これまで扱った概念を使った解説回です。

住宅、車、保険、家電のような商品ですね。

特に前回講義の「最寄り品(購入頻度が高い消費財)」の講義と合わせて、確認したいところです。

結論

1.買い回り品・専門品は、カテゴリー関与度が高く(こだわり、関心の高さ)、システマティックに処理される

買い回り品・専門品の購入では、失敗のリスクが高い。人は、「快」の追求より「不快」の回避を優先します。

2.9つの原理原則を「高関与」「システマティック処理」を適用して考える

3.必ず「自分の生活の実感」に照らして、施策を検証する

買い回り品・専門品の特徴

価格帯が高く、購入頻度が少ないため、購入時に検討されることが前提です。

もちろん、すでに利用している商品で、使っていて評価が高い商品のリピート購入であれば、検討が省かれることはありますが、高評価で、リピート購入であっても、購入頻度が少ないことから、再検討される場合はあります。

人間は、極力、考える行為を少なくしようとします。そのため、検討をする場合も、5-10個から選ぶわけではなく、2-3個から検討されることが多くなります。

もう一つ、大事な視点は、買い回り品・専門品に関する消費者の態度は、ほとんど「そのうち客」ということです。住宅購入は一生で一回でしょうし、人生の住み替え回数の平均は4回だそうです(東京はもっと多いかも)。車の購入サイクルは短くても5年、もっと長くなることもあるでしょう。

先日、ダイキンの片山義丈さんの講義で伺った話では、エアコンの買い替えサイクルは13年だそうです!(そして、購入を決めるまでの時間はわずか数日です)

「そのうち客」にどうアプローチするか?

理想は、購入の時に、目当てに買いに来てくれることです。先のエアコンの例だと「ダイキン エアコン」で調べてくれる状態ですね。そうじゃない場合、「エアコン オススメ」で検索されます。

「いますぐ客」になるまでに、想起集合(好意的な選択肢の集合体)に入る取り組みが必要です。いざ、検討される段階で、検討される2-3個に入っておく必要があります。助成想起(写真を見せて、そのブランド知ってる)にいてもダメです。認知度調査する時、助成想起(知っているかどうか?)はあまり意味がないのでは? というのが池田さんの指摘です。

住宅購入の場合、結婚、妊娠・出産、入学前、転勤といったライフイベント以外の期間はずっと「そのうち」客です。エアコンの場合は、引っ越しか故障のいずれかですよね。このライフイベントは企業から見るとコントロールできません。

ただ、企業側から、リピート購入向けに、思い出させることはできます。ある損保会社は、災害があった際、被災地の契約者に状況伺いの電話をして、「こういうことならできるお支払いがあります」と伝えて、自分が加入している保険を思い出させるそうです。いい保険会社だと思えば、次に保険を見直す時、強力な判断材料になるでしょう。この方法は、私も仕事で使う手です。教育系のコンテンツは、入社時・異動のある4月に、こんなメニューはどうですか? というアナウンスをしますし、連休後につい溜まったメールを処理する過程で、セキュリティインシデントが起きるので、大丈夫ですか? という連絡をします。実際の予算は、もっと前のタイミングで確定するのですが、アパレルECで、傘が売れるのは、雨の日だったりします。商品が必要とされる出来事を前にすれば、より商品を思い出せるきっかけになるでしょう。

「いますぐ客」になって商品を選ぶ時に大事なことが、レビューの数が多くて、評価が高い状態を作っておくことです。特に、(レビュー)数が大事です。例えば、評価が4.8で、レビュー数が5件しかない商品と、評価は4.5だけれど100件レビューがついた商品なら、100件のほうを選ぶでしょう。

  • 想起集合(好意的な選択肢の集合体)に入る

  • レビュー数を増やす

感想

今、仕事で関わっているBtoBの商材は、ほとんどが「そのうち客」です。毎年度、「いますぐ客」の刈り取りを求められますが、いつか変わる「そのうち客」のためにできることを地道に実施したいですね。前回の最寄り品より、仕事に近いお話が聞けてよかったです。

提出義務のない宿題

マーケティングファネルやカスタマージャーニーを意識しながら、買い回り品・専門品におけるトライアル購入とリピート購入の「お買い物日記」をつけよう。

(具体の羅列に留めず、抽象化して購入体験を記述することが大事。「前の買い物との違いは何か?」など問いながら)

※特に、買い回り品・専門品は、なかなか購入機会がないので、必ず、メタ化して、その大事な機会を活かしましょう。

この記事が参加している募集

マーケティングの仕事

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。